2016. 03. 31  



「俺バグ延長戦」は、バグジー親衛隊の7年後の話です。
主人公とっしーが社会人になる直前から物語が動き出します。

大学3年のとき、浅倉さんに振られたとっしーは、自暴自棄に陥ります。
しかし、親衛隊、姐さんらに支えられ、人生の飛躍を誓います。

「俺バグ延長戦」では、
とっしーが「社会人として、何を思い、どう生きたか?」を中心に描いていきます。

「俺たちバグジー親衛隊(高校生編)」に比べると、コメディが少なく真面目な内容が多いかもしれません。
しかし、大人になった親衛隊のメンバーたちとの相変わらずのバカ騒ぎは笑いを呼ぶでしょう!?

また、物語のもう一つの軸となる会社編では、一癖も二癖もある登場人物とのやりとりにも乞うご期待!
文章は、高校生編に比べると、かなり荒いです。テンポの良さを心がけています。

毎週日曜日に更新いたしますので、よろしくお願いします!



登場人物紹介

*この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

○とっしー   武田歳三

物語の主人公。びっくりするほどアホで単細胞。
顔の特徴は「遠目からみたら麒麟の田村で近づいてみてもやっぱり田村」
かっこわるく三枚目で取り柄はないが、笑いをとりたい想いと、行動力だけは眼をみはるものがある。
大学3年の時、浅倉さんにフラれ、以後、ヤケになる。

可愛い子には目がない女好きの癖に、全くモテない明るいピエロ。
社会人でも「ピエロ体質」は変わらず。
「愉快な人やけど、付き合うのは…」と女子から言われまくり、またもやヤケになる。
合コン、街コンと積極的にアタックするが、どの場でも`ひょうきん者キャラ`に終わり、恋人ができる気配はない。

ボブの提唱する「ムリなやつは一生ムリ」を地でいく。
口癖は「クソッタレ!今にみてろよ!!」

浅倉さんに最後に言われた「自由に生きて」という言葉通り、自由に生きている。
職場では、軽音部、野球愛好会、サッカー部、漫才コンビと手広く活動中。

やぶれかぶれの適当人生。



<俺バグ延長戦から登場の新メンバー>

―職場のみなさん―


<松平株式会社>

とっしーが入った会社。
割と規模はでかめ。全国転勤あり。
とっしーは、浅倉さんとの結婚生活を夢見て
地元志向であったが、浅倉さんに振られてから人生観が360度変わる。
自分を変えたい一心で全国転勤のあるこの会社を選んだ。


○蛍子(けいこ)ちゃん   秋本蛍子

 俺バグ延長戦のヒロイン。
浅倉さんと似ている同期の女の子。才色兼備の人気者。
大阪人ならではの鋭い突っ込みや、天然でおっちょこちょいとめっちゃ可愛い。
 世界中の女子界隈で最強説が流れる。
職場では、天使キャラ。
「なんちゅう顔してんねん」など、名言を炸裂させる。

口癖は「いいとおもう」本人曰く「便利やで」

 とっしーはある一件で彼女に惚れてまうが、彼氏がいるようで撃沈。
彼氏がいなくてもとっしーが付き合える気がしない高嶺の花子さん。
蛍子ちゃんを惚れさせる黒魔術を使えないとっしーはどうする?
嗚呼、back numberさん助けてください


○ちよちゃん   柴咲千代

 同期。和風の雰囲気を醸し出す平安系美人。
テンションは常に45~55と、振れ幅が非常に小さい。
 我が社の'ご意見番'として、温かかったり冷たかったりする突っ込みを繰り出してくれる。
卓球拳事件では、ぼすととっしーの行動に怒りゲージが急☆上☆昇!
口癖は「うい」 
(`うい`という言葉を発したことはないがLINEで一度使っていたのでとっしーがその後いじる)

入社半年後あたりから、大人っぽく垢抜ける。


○ぼす
 職場で出会った同期で、とっしーの笑いの師匠。共に漫才コンビを結成!
イケイケで彼女持ち。ボブの助言もあり、彼の生き様を学ぶようになる。
 笑いのとり方はとっしーとは対照的で、天才的なセンスと
「笑いはなまもの」という独特の表現でどんな相手、場所でも笑いを生み出す天才。

「蛍子ちゃんは、とっしー絶対無理やから。早くあきらめて!」


〇畠山くん
3歳年上の同期。名探偵コナンのように、真実を突きまくる。
声が高く、身長が低めで癒し系。浅倉さんととっしーの関係をたまにいじる。

〇池さん
サッカーが上手い常識人の先輩。
とっしーとはユニゾンスクエアガーデンの話で意気投合する。
「未完成デイジー」は神

〇梅津さん
蛍子ちゃんと同じ課の1年先輩。
ノリが良く、飲み会によく誘ってくれるいい人。
とっしーと`ぐーたんぬーぼ`を行ったりする。

〇筒香
同期でバンドのベース。のほほんとした顔つきながらとっしーに棘のある一言を放つ。
「女の子口説く技術ないけどおっさん口説く技術あるんやな」
「D捨てる前に、自分捨てられたんやな。」」


○DDK   土門 D 健太
野性的なかっこよさを持つ同期。
残業が多く、大変忙しそうにしているが、「楽しい?」と聞くと、「めっちゃ楽しい」と答えてくれる。
飲み会で意気投合し、「この不公平な世界を一旦、ゼロにしよう」と意見をまとめる。

可愛ければなんでもいい理論の提唱者。
「あいつよおわからんけど、かわいいからえーや。」


〇大ちゃん   大村純 
高卒の同期。元柔道部で硬派。まっすぐでとにかく純粋。
新人研修の自己紹介では、少しやらかす。とっしーを「テトさん」と呼ぶ。

〇はまちゃん   浜崎太郎 
 一癖も二癖もある人が集まったうちの職場で最も普通。
と思っていたが、鋭い観察眼から笑いをうみだす真のおもろいキャラ。
 得意技は、メール待機。受信箱の確認には余念がない。

○隊長

とっしーの直属の上司。熊のように力強そうな体格の2児のパパ。
新撰組が好きなとっしーは隊長と呼ぶ。
適当でノリが軽く、まるでとっしーの20年後のような人。
自由人で、言葉遣いも荒い。過去の数々の武勇伝をとっしーに教えてくれる。
しかし、芯はしっかりしており、とっしーを可愛がってくれるなど、根はいい人で、係長から多くのことを学んでいく。

三山さん
隣の係の上司。とても優秀でユーモアに溢れる。ボブにとても似ており、とっしーを温かく見守ってるように見えてバッサリ切る。



○部長
尊敬する上司。ウルトラマンの早田隊員のようなかっこいい雰囲気を醸し出す。
生意気な新人社員とっしーのことをこう評する
「あいつはいいよ。多少叩いてもへこたれないでしょ。」

〇仙石係長
蛍子ちゃんの上司。拝みたくなるような容姿をした素晴らしいお人。
とっしーに軽いノリで話しかけられ、
「え?あの子入って2ヶ月?2年くらい働いてる雰囲気やん」と言う。

〇北川係長
電話に出る前に、素振りをしてから電話出る係長


―大学時代からの付き合い―

〇つかさってい   板垣 司
とっしーの大学時代の後輩。
一人っ子同士で性格と趣味が似ているが、彼女がいる。
とっしーは何かと彼を頼りにする。

〇姐さん
大学時代のバイトの先輩で、人生のアドバイザー的存在。
人生がやってられなくなり、自暴自棄になりそうだったとっしーを救ってくれた恩人。
仕事が忙しく、最近は語りっちできない。

〇馬さん
大学時代のバイトの先輩で、兄のような人。
とっしーと同じく一人っ子の長男であり、年齢は3歳年上。テニスやカラオケなどよく遊びに行く。


〇山田
バイトの後輩で3歳年下。丹羽の彼氏。とっしーをバカにする。Dの一件でアドバイスを...


〇丹羽
山田の彼氏。とっしーの同級生とはおもえないくらいハイスペック。

〇AOTO
某人気バンドのボカール
とっしーと過去に大きな因縁を持つ相手。
彼に与えられた屈辱は忘れらんねえよっ





<俺バグから継続登場>

【やっぱり5人が最強】

とっしー、ギアル、ボブ、きゃぷてん、まさはる の5人のグループの名称
グループ名のだささは誰も気にしていない。
珍しい性格、価値観を持った奴らの集まり。
キャプテンがこのグループのキャプテンになった理由は、
他のメンバーが異端児すぎて、普通なキャプテンが浮いてきただけ。ネガティブ選出。
社会人になってからも、腐れ縁は続いている。


○浅倉さん   浅倉不二子

俺たちバグジー親衛隊のヒロイン。
とっしーの道標となる元彼女。
とっしーは、未だ浅倉さんを忘れられないが、区切りをつけるため、
社会人になる前に、今後3年間連絡を断つことを決意した。
仕事は大変だが、元気にしているらしい。

○ギアル      藤堂 軸
とっしーのアドバイザーであり、「底抜けのポジティブさは凄い。」と評価しつつ、
「本当のこと言うマン」として、厳しい指摘を続ける良薬は口に苦し的友人。
蛍子ちゃんととっしーの関係を、厳しい言葉で応援する。

○ボブ       永倉卓也
純血日本人。とっしーとは小学校からの腐れ縁。
バグジー親衛隊の実質的なリーダー。クールでイケメン。
就職先はさいたま、大宮。異国の地で、一人、生きる。
わりと彼女を大切にしているらしい。
たぶんやっぱり5人は最強のメンバーでは最も早く結婚する。羨ましい。

○キャプテン    近藤風雅
風格からきゃぷてんと呼ばれる。とてもイケメンだが、少し地味。たまに23時間睡眠する。
バスケ、テニス、空手となんでも万能。
最近は家の重力「ググッグ」に負けている。
愛犬、ゴルバチョフ書記官はいまだ健在。

○あくま      斎藤幸三
時折みせる顔が悪魔のようなのでこのあだ名がついた。
1学年下の後輩だったが、浪人したため、2個下に。
大学では日々テニスに励むただのテニス好き。

○まさはる     山南雄介
彼がいると、常に場が盛り上がる。人の名前は決して覚えない。悪気はないので許そう。
勤務先が岐阜なら「自害」を宣言。

○たけけ      沖田慎太
GAPの塊。見た目はヤンキー、中身は芸人。
海外転勤に怯える
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2016. 03. 31  

「From that 7 years have passed.」


この章は会話中心です。省略表記を説明しておきます。
とっしー=俺  キャプテン=キ  ボブ=ボ  あくま(後輩)=あ




「俺、高校時代の先輩のこと尊敬してたんすよ。
ギラギラして、やんちゃで、人生めっちゃ楽しそうで...
それが今は、このザマっすか??

あの頃の先輩に戻れるでしょ?
もう一回、かっちょええ先輩になってくださいよ!」


2016年3月28日AM11:00
昨晩の後輩の言葉が何度も何度も脳裏を掠めた...

二日酔いの頭痛、風邪による37度の微熱

「もう2度と風邪引かん。」
2年に1度ほど、風邪でダウンする度にそう決意するがそんな決意は露と消える。

口ばかり達者な自分が嫌になる。
なっさけねぇ。後輩にまで失望されてよ。」

ヘロヘロで死にかけた俺は半ば義務のように高校野球を見ていた。
明石商業と龍谷大平安が息も詰まるような投手戦を繰り広げている。

そういえば、今日は母校の稜北台高校が家の近くの桜ヶ丘ホールで定期演奏会をするらしい。

「とっしー行くん?」
昨日ボブに言われたが、行かない。

もう、バグジー親衛隊は解散した。

今は、できるだけ高校時代は思い出したくない。あの頃に戻りたくなって切なくなるからだ。

「新社会人に向けてかつての思い出から離れて生きよう。」
強がった台詞を吐きすてた。



話は1日前に遡る...

2016年3月27日、今日は、バグジー親衛隊、真の解散式だ。
集合は12時、桜ヶ丘駅。

俺は朝起きるなり、納豆と豆腐とヨーグルトをかきこんだ。

「今9時か」
集合時間まで時間がある。

「4月から社会人。これまでの人生を総決算する意味でも、幼稚園からの卒業アルバムをみなおそうか。」

俺は物置からアルバムを取り出した。
幼少中高、4冊あるが、ダントツおもろいのが高校の卒アル。

よくみると俺の顔付きが違う。
俺であって俺でないような顔をしてるだ。
いや、パーツ自体は俺なんや。

遠くからみたら麒麟田村で近づいてみてもやっぱり田村。

そこは死守してる。


けど、生き生きしてるっていうか、眼光が鋭いっていうか、エネルギーに満ち溢れてる。
ほんのり、市原隼人にもみえる。そ、それは言いすぎたごめん。

みんなからのメッセージを書いてもらった自由ページのところがセロテープで開けないように閉じられていた。

「封印されてる?なんかやべぇのがあるんか?」

そう思いつつ、セロテープを破り、中を見た。

エロい袋とじを開けるときと同じような興奮、
ドキドキしながら、開けてみる

パッ

そこには、俺の母の名前が筆ペンでどでかく書かれていた。

ちょいちょい挟まれる下ネタや、朝倉さん(高校時代の俺の彼女)と頑張れ的なことがかかれた。
これは封印して当然や。

恥ずかしすぎる。

けど、みんなからのメッセージが1番多かったのは、この高校のアルバム。
メッセージというか、殆どいじられてるだけだが。


わっけわからんメッセージやけど見たら笑いが止まらん。
幾つか抜粋してみる。

・俺のオカンに告白してるメッセージがあった

・T君は書く「何考えてんのかさっぱりわからんかったけど何か面白かった」

・Nさんは、俺の卒アルに俺以外の人物へのメッセージを延々と書いている。
ツッコミ上手、一緒に委員できてよかっただのなんだの。

俺、委員なんてしてないぞ。
不思議に思ってたら、文の最後に、間違えたごめん。と書いていた。

その隣に俺へのメッセージがあったが、俺以外のやつに当てたメッセージのほうが長かった。
無理せんでええのになあ...

・きゃぷてんは小さい字で書いてあった「諸行無常」

・後輩のTは「1997年、下痢をもらす」と書いてた。
いつの話かもしらんし、そんな宣言されても...

・M君は人の卒アルに「15万稼ぐ」と宣言していた。
実際、彼は大学でバイトの鬼になってたようだし有限実行可能か

・「乳房」と誰かがどでかく書いていた。

・浅倉さんと昔映画に行ったことを自慢してきた人もいた。悔しいからやめてほしい。


浅倉さんからのメッセージは、びっくりするほど俺にとって嬉しいことを書いてくれてた。夢かと思ったが、あれは間違いなく浅倉さんの筆跡だ。

そこで、やっと気付いたん。

朝倉さんが好きやった俺は高校時代の俺や。今の俺なんかじゃない。
あの時の俺は、毎日全力で生きて自信と気力に満ち溢れていた。


親衛隊が毎日俺と共にいて、
「服装、髪型ださすぎやろ!」と言いまくっだから俺は、
髪型、ファッション、色々気を使っていた。

けど、大学に入ったら親衛隊とは離れた。まあ勝手に生きたらどんどんださくなって変な人間になってもて...
その結果、浅倉さんに振られちまった...

それやのに俺はいつまでも過去を引きづって勝手に悩んで苦しんでた。

音楽や漫画に勝手に感情移入して、傷を癒すふりをしている。
'忘れらんねえよ'ってバンドの'ばかばっか'って曲がとても染みる。

幽遊白書のこのシーンが好きや。

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それだけや



さて、

俺は今からどう生きればいい?
どうすれば、あの頃の俺を越えることができる?

そんな疑問の答えはここ2年ずっと考えてきた。
けど、みつからなくて、色々試してあがいて迷走してる。

その答えをみつけて、どでかい指針を定めることを目標に、
 いや、定めた指針を親衛隊に伝えて決意を固める為に、
俺は今日の「バグジー親衛隊解散式」に挑む。



-俺バグ延長戦- 2016あれから君は テーマソング
あれから君は / 芹澤廣明



2016. 03. 31  
12時集合、桜ヶ丘駅。
俺は集合時間に家を出た。 今日は菊水山に登る予定だ。

社会人としてはありえないが、俺たちは集合時間に家を出るという風潮があった。
俺は12時10分駅に着いた。
しかし、5分経っても誰もこない。

「お前らまだか」ラインで急かしてみる。

後輩のあくまが、言った。
「すいませんやっちまいました」

きゃぷてんもすかさず言う。
「ごっめーん やっちまった」

やっちまうってなんやねん。
悪魔も、きゃぷてんも寝坊したようだ。

俺は駅隅のガードレールの石柱に腰掛けて待った。

どうせあいつらは集合に間に合わんやろうと思い俺も遅めに行くが、あいつらは予想の斜め上を行く遅刻をする。
高校時代と全く同じや。

これこそ最後のバグジー親衛隊に相応しい。

ちなみにボブはいない。彼女と予定があるらしく夜から合流する。


結局、きゃぷてんは12時半にやってきた。

きゃぷてんは開口一番俺に語る
「え?季節外れのでかいガウン着て、そんな端っこに座ってたらほんまにホームレスみたいやで。」

「そんなホームレスっぽいかなあ?」

俺の疑問にきゃぷてんは答える。
「俺さ、先週フランス行ってきてん。
 あの人ら家族ぐるみでホームレスの場合もあるし、基本的にキレてる。」

「なんでキレとん?」

「歩行者が金くれんからや。あの人ら大概犬を連れてる。歩行者に犬を可愛いと思わせて、金を恵んでもらおうとしてるけど、
 歩行者もそれを見透かしてるからな。お前のそのかっこはそんなフランスのホームレスとなんら変わらんぞ?」

「ふ、ふむ。」
ホームレス扱いされたじろぐ俺にきゃぷてんは続けます。

「服がださいねん。今からダイエー行って500円くらいで買お。」

「500円の服とかもっとださいやん」

「けど、その服は捨てよな?菊水山登って山頂に置いてこよ」

「せやな」


「あくま(後輩)早くこんかな。2人組はあかんで。ホームレスコンビと思われちまう...」
そんな話をしていると、あくま(後輩)が来た。

「さーせんっ、とちったっすわ!」

「何時やと思てるねん?50分遅れやぞ!」
責める俺に対しきゃぷてんは謎に励ます。

「それが普通や。今後もこのままいけよ」


そして、腹ごしらえに飯屋に入った。

俺は切り出す。
「てか今日ってバグジー親衛隊最後の日やで?なんでボブは来んのや!」

「ボブは普通やろ。今日の集まりなんてたいしたイベントやない。」

冷静に言い放つきゃぷてんに俺は声を荒げた。

「俺なんて先輩の誘い断って、今日きてんぞ!」

「それはとっしーにとって今日の優先度が高かっただけやろ。ボブにとっては違うかった。それだけや」

ボブが来ないことに拗ねる俺にきゃぷてんは言った。

「とっしーはさ。嫉妬心が強いんや。それじゃ、しんどいぞ。俺から2つアドバイスや。

'他人に期待をするな'
'他人と比較するな'
これさえあれば人生が楽になる。'最強のメンズ'になれる!」


最強のメンズ...

俺はきゃぷてんの言葉を噛み締めた。
「俺は知らず知らずのうちに人に期待して、自分と比較してたんやな。これじゃいけねぇぜ。」



そして3人は菊水山へ向かう。
が、俺以外の2人の足取りは重い。

「なんで山登るん?ほんまに行く?」

「せんぱーい、しんどいっすわあ」

「ええから行こう!高校の時、菊水山山頂のベンチに'たけけはびびって帰りました'って刻んだやろ?あれを確認しに行こう」

俺は先陣を切り、菊水山へ進路をとった。そして、軽口を叩きながら、山に登り始める。

「そういや、きゃぷてん最近、何しとん?」

「動きたいけど家から動けん。重力が強すぎるんや。動こうとしたらググググッと力かけられてなあ。」

「重力っすか!俺なんて毎日部活しかしてないっすわー。」

山も中腹に差し掛かった頃に、きゃぷてんがフランス旅行の話をし始めた。
「俺らは格安航空で行ったからな。
関空から直行なんてあらへん。関空からドバイで乗り継いだ。ドバイの金持ちどもを横目にみてな。
飛行機から飛行機を変える時にバスの移動が一生続くんや。

んで、友達が大便したくなってな。

チップスターの箱を持ってた奴がいて、
'ここに入れろ!ここに入れろ!'

そう言うてる間にフランスに着いたわ。」


そうこう話しているうちに頂上に着いた。

この日は日曜日。ガチな服装の登山家と数多くそれ違いながらも、
山を舐めたカジュアルな服装の俺たちは山頂へたどり着いた。

高校の頃、菊水山山頂のベンチに刻んだ
'たけけはびびって帰りました'

この文字は消えていた。

あの頃の思い出が消えていて悲しくなる。
「もう高校時代とは違うねんな」

そんな陰鬱した気持ちを山頂からからの眺めが癒してくれる。
神戸の景色が一望できる場所こそ菊水山の山頂だ。

ポートアイランド、六甲アイランドを指差してきゃぷてんは言う。
「あれは人間のエゴや。」
「六甲山の土をベルトコンベアで運ぶとかやりすぎやんなあ」

俺はふと、記念撮影がしたくなった。
「みんなでこの神戸の景色をバックに写真撮ろうぜ!」

「服ダサいからいやや。裸ならええで。」

きゃぷてんは真顔で言う。

「あーったよ」
俺は上着とシャツを脱いだ。


「ひっえっえほんまに脱ぎよった」

「こわっこわっ、先輩正気っすか?」

「お前が脱げって言ったんやろがあ!」

ガリガリな肉体を山頂に晒し、俺はムキムキになることを誓った。

「あ、てか早くとっしーのださい服捨てよ。」

「捨てる場所よ!捨てたとしても帰り寒いやんけ」

最もお洒落な服をしてる後輩のあくまに俺は言った。
「じゃああくまの服くれ。」
「マジっすか先輩。今だけ貸すだけっすよ。」

俺はお洒落なあくまの服を羽織り上機嫌に言う。

「かっちょええなこの服!もらえるとか最高や。」


適当な事を言いながら俺たちは下山した。
が、高校の時のようなウキウキはそこにはなかった。

きゃぷてんは言う。
「そらそうや。あの時は、なんか知らんけどおもろくなるねん。俺らはもう大人になったってことやな」

ちなみにこの登山で、終始、行動が謎だったのはきゃぷてんだ。

ジュースとかお菓子をすぐポイ捨てするのに、(それを拾う俺)
人とすれ違ったら真っ先に挨拶をする爽やか青年。

悪人か善人か?

俺たちは寂しさを感じながらも、駅に戻った。
途中、ゲリラ豪雨が俺たちを襲ったが、これも最後の日にふさわしい洗礼だ。




-俺バグ延長戦- 2016あれから君は テーマソング
あれから君は / 芹澤廣明



2016. 03. 31  

下山してから俺たちは、スーパーで時間を潰してから王将へ向かった。
そして、王将でボブが合流した。

ここでは、今日の総まとめと、今後の俺の人生について話し合っている。

後輩のあくまは、ここ2年ほどの俺の失墜に失望しているようで、言葉が止まらない。

「何もええとこ無い。俺の尊敬する先輩はどこ行ったんすか?

あの頃はギラギラしてました。 今は犯罪者臭がするんすよ。」


俺は、悔しさをこらえきれず、叫ぶ。

「俺だってわかってるよ!大学生活どう間違えたんかなってずっと思ってまうけど、今更どうすりゃええ?!」

きゃぷてんとボブ、俺を諭す。

「とっしーはさ。きもいきもいと言われ続けてたけど、大学生活貫いてきた。
意思が固いやつやと思ってたのに。今は、その貫いた意志さえ後悔してるんか?」

「昔のとっしーは無鉄砲やったからな。けど、それは、俺らが無鉄砲なことをやらせたからや。
 今のお前は、そうじゃない。とっしーは本当は賢いから、真面目に考えて行動を控える。」


「ほんまにアホなやつはな、とにかく毎日楽しそうなんや。そこに妬みとかもない。」

「そういった意味では、とっしーは、根が真面目な時点で、変に損してる。」


正論を言われた俺は、やけになる。
「酒や!酒ェ!」

人生初めて飲む、ワインを一気飲み。
王将の180円ワイン、美味しくはないが、不思議な高揚感が生まれる。

「もっと酒!酒ェ!」
俺はきゃぷてんが飲むウメッシュをグビグビ飲んだ。


王将を後にした俺たちは、懐かしの西桜ヶ丘の町を、バグり島に向かって歩いた。
色んな思い出が走馬灯のように思い出される。


バグり島に着いてからも、俺の今後の人生に向けての話し合いは続いた。
基本バグり島という場所は、俺がどうやっていけるようになるかということを延々と話す場所なのだ。

ちなみに、いけるというのは、基本的に、女子と付き合うことを言う。

俺は切り出した。
「俺は今後どうしたらええ?真面目ときもいの違いが難しいよな。俺は、真面目やけど、きもいと言われるねん。」
「じゃあきもいのを取り除いたらええだけや。」
「それができたら苦労はせん!」

ふと、きゃぷてんは言う
「俺らはさ、お前が何が不満かわからんねん。職も決まった、家族関係もいい、金もまあある。」

俺は小さい声で答える。
「それは、浅倉さんにフラれたことがめっちゃくちゃ悔しいんや。」

「振られた?それだけで、そんな悩むとか贅沢やぞ?」


ボブは、俺と浅倉さんが分かれたことへの感想を語り始めた。

「普通なことが起きてる。めっちゃ普通や、これに関しては。悪者がおらん。
お前と、浅倉さんとの恋愛事情に関しては何も言う感想がない!


ぐぅの音もでん!普通に終わりすぎて」

「え?」
俺はマスオさんのように答える。

「喧嘩別れとか修羅場とかあったならまだわかるけどな?」

「なかったな…」

「ぐぅの音もでんくらい綺麗に終わってる!」

「綺麗?」


「いや、綺麗と言うか普通な別れ方や!普通やねん!ちゃんと別れました!

一方的に浅倉さんが浮気して、お前が捨てられたからグズグズ言うならまだわかる。

そうじゃない。こんな普通な別れ方やのにまだグズグズ言うてるんか?」


「けどよ、俺はまだ浅倉さんが好きやねんで?」

「そんなん関係ない!めっちゃ普通なことが起きてるのに、それをグズグズ言うてるのは、お前だけ!
日本でとっしーくらいやろ、こんな普通なことに対して…」


ボブが熱弁を振るう中、きゃぷてんが、ボソッとはさむ
「いい迷惑なんやろな浅倉さんからしたら」

俺は、認めたくないが認めるしかなかった。
「俺は被害妄想でずっとグズグズしてるんか…」


へこむ俺にきゃぷてんは言った。
「とっしーの人生の前途は明るさしかない。いい加減新しい人生を切り拓けよ!」




-俺バグ延長戦- 2016あれから君は テーマソング
あれから君は / 芹澤廣明



2016. 03. 31  
俺の人生の前途は明るさしかない。
そうなんかな、少し元気が出てきた。


そして、後輩のあくまが俺にエールを送る。

「先輩、バスケ部の赤嶺とかもっつーからも尊敬されてたんすよ!
急にやってきて、初めて会うのに

`おい!もっつー!もっつーやんけ!`

と話しかけてくる先輩は凄い人やったんす!

あの時の先輩は頼りになったし無敵感があったっす!」


俺は冷静に自分のここまでの人生を振り返った。 

中学までは冴えないオタク気質やった。
高校は言って、親衛隊と毎日いる中で、俺は変わった。
 髪形、服装、そして、アタック。

高校では、浅倉さんに好かれるために、ガッツ?ある行動をしてた。
空回りも多かったが...

そういう、バイタリティのある俺を、あくまは尊敬して、浅倉さんは好きになってくれた。

大学になって、親衛隊と一緒にいることが殆どなくなった。

浅倉さんとは付き合っているが、付き合っているのが当たり前になった。

その頃からおかしくなった。


ボブは言った。
「みんなは普通の状態でいけて、そのままいける。とっしーは、
元がキモすぎたけど、高校時代一瞬めっちゃいけて、そのあと、中学時代のきもさに戻った。だから無理」


俺はやっと気づいた。高校で浅倉さんと付き合えたのは、親衛隊に会って変わっただけや。
俺自身が変わったわけではない。



あくまは、菊水山山頂で撮った俺の写真をみせた。
きゃぷてんとボブは言う。

「笑顔がニッチャーってなってるな!ニッチャーって!」

「高校の時よりだいぶ老けたよな?」


確かに、にっちゃーだ。
2人は続ける。

「中学時代ニッチャーからの、高校で襟足のイケメン、大学でまたニッチャー」

「他の高校言って俺らと会ってなかったら、ニッチャーのままやったな。ある意味高校時代がレアやった。」


俺「けど、今の俺は、あの頃と醸し出すオーラが違う。髪型、服装、自信、何もかもが違う。」

あ「先輩、あの頃に戻ることはできんくても、あの頃のマインドには戻れるんちゃうんすか?」

ボ「てか、今のとっしーの状態おもろない?
  アル中やけど、貯金250万目指す奴。 変なとこで堅実やねん。」

き「そして、バイクの免許持ってるからかっちょええと思いきや、125CC小型AT。
細かい設定がなんでそんなださいん!」


後輩あくまは、今日終始俺を馬鹿にして笑っている。

「俺、高2の先輩と出会った時ほんまやんちゃで、かっこええ人やと思ってたんすよ。
人生楽しそうで、いつも強気で、尊敬してたんす。
それが今は、このざま。また戻れるでしょ?もう一回」


後輩からの失望に俺は耐えきれなくなり呟く。

「俺は、今から変わっていくしかないな。
見た目が変わって行くうちに、俺のマインドが変わる。周りの対応も変わる。
そうやって、成長するしかない。」

ボ「でも、具体的にどう変わるん?なんか目標とか指針は?」

俺「へっへ。よくぞ聞いてくれた。じゃあ言うぞ。

1.筋トレとランニング
2.対人関係のスキル読み込み

この同時並行や!」

俺の回答に一同は爆笑した

「読み込み?筋トレ?」
「そんなんで変われるんか!!!???」


「笑うなよぉ!俺はこの回答出すまで2年かかってんぞ!」




-俺バグ延長戦- 2016あれから君は テーマソング
あれから君は / 芹澤廣明



プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

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