2017. 07. 01  
Ⅳ章


【あらすじ】

 平成21年。日本が今よりちょっとだけ、元気だった時代。
神戸の田舎で何気ない日常をあほらしく楽しく過ごした高校生たちの物語。
 5月、浅倉さんにあっさり振られたとっしーは、持ち前の立ち直りの早さで学校生活を再開した。
インフルエンザが猛威を振るい学校閉鎖に陥るが、親衛隊の3人は誰一人としてかからず、日々神戸の街を闊歩する。
そして、みなと神戸花火大会では、僕らに異変が起こり...


▼目次(俺バグ高校生編 Ⅳ章)

PART1 SUPPA-MUCHO WAR
PART2 Don't hit, Don't hit!
PART3 Captain Sea
PART4 Bond in a field
PART5 KOTTERI RA-MEN YONTYO-!!!
PART6 cooling off & 2nd KOTTERI
PART7 New half has been begun.
PART8 very very cold
PART9 100→200、200→400、10000→???
PART10 片道切符のライバル

↓更新予定~
PART11 「堂林に似てない?」
PART12 野球対決 サッカー部VSテニス部 (1)
PART13 野球対決 サッカー部VSテニス部 (1)
PART14 
PART15 
PART16 
PART17 


!→俺たちバグジー親衛隊 全章 目次へ







2017. 07. 07  
Ⅳ章

↑【目次】Ⅳ章 Don't Look Back In Anger
←Ⅲ章39話へ | Ⅳ章PART2へ→



目の前に広がる圧倒的な夏を、どう過ごそうかと思っていた夏休み序盤のある日。

ぼくらはスーパーマーケット・コープでお菓子を探していました。

そこで見つけたのは、すっぱむーちょ、というポテトチップス。
キャプテンは、それを手に取ると嬉しそうに話します。

「お、すっぱあるやん」

「すっぱってなんやねん」

「知らんのか?すっぱやんすっぱ!」

「あぁ、すっぱか?知らん!」

「知らんのかよ」

「ポテチといえば、プロ野球チップスやろ」

「そんなんもう古い。時代はすっぱなんや」

「全然美味そうやないなあ...」すっばに魅力を感じないぼくにキャプテンは不思議そうに問いかけます。

「すっぱの良さがわからんの?こんなうまいの買わへんやつおらんやろ?」

そして、ボブが横槍を入れます。
「キャプテン、言っても無駄やで。とっしーはどうせ買わんから」

そこまで言われてすっぱに興味を抱かないわけにはいきません。ぼくは猜疑心を抱きながらもとりあえずすっぱを手に取りました。

そして、ラベルの後ろに書いてあるキャンペーンが目につきました。
「お、すっぱむーちょについている応募券で、アクアタイムズのライブが当たるやん。1つ買ったら一口応募できるやって!」

大のアクアタイムズファンの僕としては、これは見逃すわけにはいきません。
アクアタイムズとは、「決意の朝に」や、ごくせん主題歌の「虹」などキャッチャーな名曲でぼくら学生の心をがっちり掴んでいたバンドです。
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すっぱのすの字も知らなかったぼくですが、アクアタイムズのライブに吸い寄せられるように、「すっぱ買うわ」と、すっぱを手に取りました。

ここで、キャプテンがぼくの心に火を付ける言葉を放ちます。

1個で満足なんか?
何口も応募しろよ。」


「一個で充分やろ。当たるよ。」アクアタイムズをなめるぼく。

「アクアタイムズの人気なめんなよ。もっと買えよ」ボブも火に油を注ぎます。

「あーったよ」二つ目のすっぱを手に取ったぼくをキャプテンはさらに攻め立てます。

「たった二つ?お前のアクアタイムズにかける気持ちはそんなもんやったん?」

「別にええやん。はずれるだけのことや。俺らには関係ないからな。
あー、外れて悔しそうにしてるとっしー可愛そうやなあ」ボブは、日に直接油をぶっかけます。

人間というのは突き放されると、不安になってくるのです。

ぼくはすぐさますっぱの袋を鷲掴みしました。
「もう一個買うわ!」

「たった2個で当たると思っとん?Aqua Timezなめるなよ?」
彼らは一体Aqua Timezのなんなのでしょうか?


「ほな、もう1つ買うわ!」

「合計3個?呆れちまうぜ。
とっしーのAqua Timezへの想いはそんなもんやったんか」

「これでどうやーーー!!!」
ぼくは手に持てる最大限のすっぱを掴んでレジまでダッシュしました。


そして合計7つのすっぱをどでかいふくろに詰めこんでバグり島まで歩きます。

道中でボブは珍しく親切な声をかえてきました。
「持ちずらそうやな。俺が少し持ってやろうか」

「せんきゅ。頼むわ」
ぼくは袋ごと持ってくれると想定しましたが、ボブはすっぱを1つだけ袋から取り出しました。

そして、「すっぱ開けていい?」と尋ねてきます。

「あかん!」

「わかった」
そう言った瞬間、すっぱをあけるボブ。

「あけるなっていったやろ!」

「食うわ」

「食うな!」

僕が言うや否や、ぼぶはすっぱむーちょをボリボリと口投げ入れていました。

横ではキャプテンが嬉しそうに「俺もすっぱ1つくれ」と袋を奪うやいなや、「すっぱ」と言いながら豪快に袋をあけました。

その横ではボブがぼくに尋ねます。
「もう1つ開けていい?」

「もう食べ終わったん?」

「まだや」

「じゃああけるなよ!」

「どうせ7袋も食べきれんやろ」
ボブはそう言って勝手に2袋目のすっぱを空けました。

「食べきれへんのにあけるなよ、すっぱは俺が家に持って帰るんや!」

「家に持って帰るのはやめてくれ」
ボブはそう言ってすっぱを一枚食べると、突然、すっぱを道端に撒き散らします。

「何してるねん!」

「多いから食べきれん」

「食べろよ!!ていうか、食べれんならあけるなよ!」

「あけたいからあけてまうけど、食えんからしゃあない」
キャプテンもそう言って、すっぱむーちょの袋をあけます。

そして、花さかじいさんのように、ポテチを撒き散らしました。

ポテチを撒き散らすボブとキャプテンにぼくは目を血走らせて叫びます。

「やめろ!やめろぉ-!」

さくらの花びらのように舞い散るすっぱ、そう、黄色い楕円形のポテトチップスは、コッツコツという音を立てて地面に落ちていきます。

それを巣食うように、ホッホーウと集まる平和の象徴、鳩。

鳩たちを蹴散らすかのようにやってくるのは、車。
台形の鉄の塊は、地面に落ちたポテトチップスをバチバチバチと轢いていきます。

こなごなになったポテチ、すっぱむーちょに群がる鳩。

さらに5.6つ目の袋まであけてポテチをばらまくボブとキャプテンを、ぼくは仁王立ちで見つめて叫びました。

「お前らええかげんにせえよ!道に捨てるなんて、ポテチがもったいないやろ!」

「道に捨てると見せかけて、鳩が食べてるやろ?捨ててないねん」

そして、恒例のキャプテンシーを発揮してキャプテンがまとめの言葉を言い放ちます。

「このイベントはな?
ええことしかないねん。
すっぱむーちょも買ってもらって嬉しい。
アクアタイムズも応募してもらえて嬉しい。
とっしーもAqua Timezのライブにいけて嬉しい。


全員幸せやん。
何が不満やねん!」

わけのわからない理論ですが、なぜかぼくはキャプテンシーに説得させられてしまい、「せやな」と、満面の笑みで答えました。

そして、最後に残っていたもう一袋を自らあけて、3人目の花さかじいさんになったのです。

(良い子は真似しないでね)

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

「すまん!」
なんと、たけけは、謝ると同時に殴っているのです。
人類の歴史上、かつてこんな殴りかたをした人はいたでしょうか?!



7月14日(金) PART2 Don't hit, Don't hit!

←Ⅲ章39話へ

↑【目次】Ⅳ章 Don't Look Back In Anger
↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?

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エンディング曲



俺バグ 文末 乞うご期待 (3)
2017. 07. 14  
Ⅳ章

↑【目次】Ⅳ章 Don't Look Back In Anger

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テニス部というのは、どのようなイメージでしょうか。
かっこいい、地味。ださい。スマート...

だいたいあっていますが、うちのテニス部の1年生には異端児が集まっています。

ギアルは、みためだけいうとパソコン部。色白で細いからだつきは、殴られたら骨が折れそうです。

たけけは、みためだけいうとヤンキー。黒く焼けた肌に、屈強な体つき、鋭い眼光で周りに圧を与えます。元野球部のエースでしたが、現在は脂肪が増えており、まれに巨乳化することもあります。

そんな相反する二人ですが、意外にも彼らはよく絡んでいるのです。

モテ男たけけが、廊下で女の子に話しかけられていると、ギアルは彼を冷やかします。

「がっつかれとうなあ。モッテモテやぁ」

ギアルに冷やかされたたけけは女子との会話を終えると、ギアルの元へと向かいます。

そして、「筋肉潰しやあ!」 と、ギアルの二の腕をわしづかみにするのです。

筋肉が潰されるギアルは「うぁわわやぁー」と叫びます。

しかし、筋肉がつぶされるわりには、控えめな叫び声です。

実際筋肉が潰されたことがないので、筋肉が潰される痛みは想像できませんが...

そんな仲良しの彼らは、部活開始前の団らん中も隣同士にいましたが、そんな彼らのそばから急に鈍い音が響きました。

ッゴン

音が響くと同時に、たけけの拳がギアルの二の腕をえぐります。

「いってぇ~!」ギアルが甲高い声を発するや否や、
「すまん!」たけけは真顔で叫びます。

あまりにも心を込めて、「すまん!」と叫ぶので、ギアルは何も言い返せません。
ただただ、頬を歪ませるギアル。


10秒後。

ッゴン

またも鈍い音が響き、たけけの拳がギアルの二の腕をえぐります。


「いってぇ~!」ギアルが蚊の鳴くような甲高い声を発するや否や、

「すぅーまぁん-!!」たけけは先ほどにもまして、真顔で叫びます。

さすがに二度も殴られて黙っているギアルではありません。

ギアルはたけけをキッとにらみ、こう告げます。
「謝るなら殴るなよ~」

殴るなよ!ではなく、'謝るならば、殴るな'と言う条件付け否定。
このあたりが、ギアルの優しいところです。
湊町というお柄のよろしくなき町に育った彼ですが、生粋の優しさを秘めています。

そんな優しさの塊のギアルを殴ったたけけは、申し訳なさそうにこう言います。

「すまん。やってもうた!」

たけけがヤンキーになりきれない理由はここです。

本物のヤンキーは殴ってから謝るなんてことはしません。
しかし、たけけは'謝ることができる'のです。
ヤンキーっぽくてヤンキーではない、これがたけけの魅力であり、やっかいな部分でもあります。

ギアルとたけけの間に微妙な空気が流れる事態に、状況を観察していたボブとキャプテンが割り込んできました。
彼らは厄介ごとをさらに厄介にさせるプロです。

「ギアル、たけけは謝ってるんやから許したれよ」

「そうやな。謝ってるやつは責めたらあかん」

二人がたけけの肩を持つので、ギアルはバツの悪い顔をしています。いつも色白の彼の顔が、化粧つけとんのかいなと思うほど白くなり、
「わかった...」と呟いたのです。

そんなギアルをみて、見た目ヤンキーのたけけは、にんまありと笑っていました。

そして、10秒ほどの沈黙の後、またもやたけけは動きました。

彼の拳がギアルの二の腕をえぐると同時に、咆哮が部室に響き渡ります。

「すまん!」

なんと、たけけは、謝ると同時に殴っているのです。

人類の歴史上、かつてこんな殴りかたをした人はいたでしょうか?!

「謝るなら殴るなよ~」というギアルの希望に沿いつつ、殴りたいという自らの欲求もかなえているのです。なんという隙のなさ!

パンパン腫れ上がった二の腕を押さえながら「殴るな~」と、訴えかけるギアル。

そんな彼を見て、さすがのたけけも反省をしたのか、すっとうつむいて大人しくなりました。

これで解決したと、みんなが思った矢先でした...


「すまん!」
けけは、ギアルをみつめて、叫びます。

なんのことかと、事態が飲み込めないギアルの二の腕に襲いかかるのは、またもたけけの豪腕でした。

グゥオオッーッンッ

鈍い音がこだますると同時に響くのはギアルの叫声。「イッィッテェ~」

事前に謝ってから、拳を振り抜いたたけけは、腕をふらふらにしながらよろめくギアルを見つめます。
さすがに今の一発は答えたのか、ギアルは目を細めてじっとたけけを睨みつけます。

この一触即発の状況に、誰もがーマジモンの喧嘩ーを覚悟しました。

「これはギアルもやり返すぞ」
「喧嘩や、喧嘩が始まるゾォ」
「おい、道端の小学生呼んでこい!大勢で盛り上げっぞ」
部員たちはささやき合います。

しかし、野次馬根性に溢れた彼らは喧嘩を止めようとはしません。
喧嘩という名の、魂のぶつかり合いを見て見たい気持ちになっていたのです。

キャプテン1人を除いて...

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

一触即発の事態にキャプテンの裁定が下される!
世界をひっくり返すほどのその裁定とは?


7月21日(金) PART3 Captain Sea

←PART1 SUPPA-MUCHO WAR

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俺バグ 文末 乞うご期待 (1)
2017. 07. 21  
Ⅳ章

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謝ってから殴るたけけに対して、ギアルの怒りは頂点に達します。

そんな一触即発の雰囲気の中、常識人のキャプテンはここでもキャプテンシーを発揮したのです。

「まあ、お前ら落ち着けよ」

たけけと、ギアルも、キャプテンの言葉にそっと耳を傾けます。そんな彼らを諭すように話を続けるキャプテン。

「ギアルは、殴られて痛い。
その気持ちはめっちゃわかる。

たけけは、殴りたいから謝ってから殴る。その気持ちもわかる。

つまり、俺は、2人ともの気持ちがわかるねん。

極論を言うと、2人とも悪くない」

まさかの平和的解決に一同は息を呑みます。

「っていうのも、悪くはないけど、しっかりと落とし前はつけたい。

ここで問題になるのは、2人の欲求の強さや。殴りたい気持ちと殴りたくない気持ちを比較するってことやな」

殴りたい気持ちと殴りたくない気持ちを比較...
まさかの方向に向かうキャプテンの話に一同は驚きを隠せません。

ギアルなどは、それでも最後には自分が正しいと言われる自信があるのか、にやにやしながらキャプテンを見つめています。

キャプテンは続けます。

「暴力に訴えるのは一番あかんことや。
けど、たけけは殴りながらと、殴る前に謝ってたやろ?
つまり、申し訳ない気持ちはあるねん。
けどな、それでも、殴ってしまうってことはな?
相当、殴りたい」

たけけは、真顔で大きく頷きます。

「ギアルも殴られたくはないやろうけど、殴られたくない気持ちの本気さはみえてけえへんねん。

殴られたときの叫び声がちょっとふざけてたし、笑ってたからなあ。
こんな真剣な話し合いの場の今でもにやにやしてるし。

そもそも、'がっつかれとうわー'と、たけけを挑発したのはギアルや。

けどな、たけけは、真剣すぎて叫んでまうほど謝った。
つまり謝りながらも、殴ってしまうほど殴りたいんや!

相当殴りたいんやろな。

そして、その思いは、ギアルが殴られたくない思いをはるかに上回る...

哀しいけどこれが現実や。
だから許したれ、ギアル!」

「エッ!」まさかの判決に腰を抜かすギアルを横目に、大岡越前守のような素晴らしい?裁定に聞き惚れた野次馬たちは「スゲッースゲッー」「さっすが、キャプテンッ」と沸き立ちます。

ギアルはというと、その場の雰囲気に飲まれてしまい、「それならしゃあないな~」と、口をとんがらせてあっさり納得してしまったのです。

その瞬間にみせた、たけけのにんま~りした表情を、誰が見ていたでしょう...



「おい、お前らー!もう練習始めるから早くコートに来いよー!」
遠くから聞こえる本物のキャプテン、
谷川さんの声を聞いた途端、ぼくらのキャプテン信仰の魔法は解けました。

本物のキャプテンが呼んでるから早くコート行こうぜ」
「せやな」

ぼくらのキャプテンは、本物のキャプテンではありませんが、ギアルとたけけのマジ喧嘩を止めた素晴らしいキャプテンです。


そして、部活が終わった後の部室にて...

ぼくはすっぱむーちょを大量購入した末に手に入れた応募券をはがきに貼っていました。
2枚目の応募券を貼った際に目に入った、「重複応募はできません」という但し書きに絶望しているぼくにボブはガムを噛みながら語りかけました。
「とっしー、Aqua Timezのことはええからさ、この夏について考えていこうぜ」

「そうやねん。とりあえずてっとり早く楽しめるイベント考えないと、俺ら干からびてしまうぞ?」
キャプテンもそう言って悩んでいます。

「たしかにな。
授業があった時には、部活が終わるのも夕方やから、そこからスーパーマーケットで時間を潰してバグり島やったけど、夏休みの午前練習のあとにスーパーに行ってしまうと、ほぼ一日スーパーで時間を潰さなあかんやん!
それはまずい!」

「いや、家帰ればよくない?」

「それは違うぞ。
せっかくの青春時代の夏休みにすぐに家に帰るなんてもったいないやん」

「じゃあ何するねん?」

「聞いて驚くなよ...あれを始める...」

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

果てしない夏を有意義に過ごすためにぼくらは、あるゲームを...

 7月28日 PART4 Bond in a field

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俺バグ 文末 乞うご期待 (2)
2017. 07. 28  
Ⅳ章

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「聞いて驚くなよ...あれを始める...」

ぼくらは部活終わりの部室で、若竹のように力いっぱいしなりどこまでもうち飛ばしてくれそうな夏をどう過ごすか考えていました。

「あれってなんやねん?」

「あれを話すにはな、こんなとこじゃあかん。とりあえず帰ろうぜ」

ボブは慣れ親しんだ部室を'こんなとこ'扱いして部室から出ました。
彼は普段、誰よりも部室を愛しているのですが、今日は機嫌が悪いようです。
そして帰路につき、いつもたむろするスーパーマーケット食鮮館のベンチに陣取ります。

この日は夏休みの午前練習だったのですが、午前といっても外は8月の外は暑い暑い。
そんな中テニスをしたぼくらは、くたくたにつかれています。

「部活で疲れた午後に動き回るのは...嫌やな。部活で体動かしたあとやし、体力使わへんことで遊びたいやろ?
だからこそあれなんや」

ドヤ顔で語るボブに対して、キャプテンはぼつりと呟きました。

「そんなこと、ゲームしかなくない?」

ここでキャプテンが提案したゲームという言葉に、ボブはピクリと反応します。
先に言われた...という表情です。

ゲームという提案には誰もが内心、ええなあ、と賛成しているのですが、高校生にもなって男が大勢集まってワイワイゲームするのも少し恥ずかしいと思っていたのです。

そんなとき、ヤクザの若大将のような目つきを見せるたけけがポロリと溢しました。
「ゲームするんなら、おれ帰らへんぞ」

たけけはスーパーマーケットでぼくらと無意味にたむろするのが嫌なようで、いつも即座に帰るのですが、ゲームという言葉を聞いた今の彼は、心なしか目がキラキラしています。

そこには、ぼくの顔を見て「お前、顔きもいんじゃあっ!」と叫ぶたけけの野獣のような闘志はありません。
ただただ、ゲームが好きな少年です。

「勘違いすんなよ。別にお前らとおりたいわけじゃないからな。
おれはゲームがしたいねん」
ツンデレ発言を繰り出すたけけをぼくらはいじります。

いや、ツンデレではなく、ただのゲーム好きです。

「たけけ、ゲーム好きやねんな!」

「黙れ!好きちゃうわ...」

「ゲームの申し子やな!」

「黙れ!」


とりあえず、夏休みの部活後はゲームをすることが決まりましたが、肝心のゲームソフトを決めなければなりません。

ここでぼくは、PSPのソフトをお勧めします。
「戦場の絆やろうぜ!
ガンダムのアクションゲームや!」

「ガンダムはおっさん臭いからなんかいややな」

「そんなこと言うなよ!
このゲーム、戦場の絆で、'俺たちの絆'を確かめようぜ」
ガンダムのゲームを強く押すぼくに対してボブは言います。「じゃあ、とっしー買ってきてな」

「なんで俺だけやねん。みんなで買いに行こうぜ」

「おれらはまだ買わんよ。PSP改造してるから、無料で体験版プレイできるねん」

「それめっちゃええやん。けど、おれのPSPは改造してないから体験版できんねん」

「じゃあ、改造してもらえよ。‘仙人‘の家に行けば改造してくれるぞ?」

「改造はなあ、絶対、嫌なんや!」
ぼくは素直なのか、バカなのか、謎の正義感を発揮します。

「別にええで、俺ら3人が楽しく、戦場の絆で絆を確かめているときに、とっしーだけは横で眺めてるだけやからな」
冷たく突き放すボブ。ここで、'俺らが先に体験版して、おもろかったらとっしーもソフト本体買ってくれ'と言わないのがボブという男なのです。

「そんなんやめてくれやあ!」

「なら、戦場の絆を早く買ってきてや。今はとっしー以外全員プレイできるんやで」

「俺が買っても、お前らは改造したPSPで体験版をプレイするんやろ?
そのあとに、お前らがソフト本体を買う保証ないやん。
体験版で満足するんちゃうか?

そうなれば、俺だけ6000円も出してソフト本体買ったことになるやん!」

「大丈夫やって、体験版たぶんおもろいからさ。
体験版では満足できんくなって、俺らもすぐ、ソフト本体を買いに行くで。
なあキャプテン?」

ボブはそう言ってぼくをたしなめると、キャプテンにも意見を求めます。

「せやな、ガンダム戦場の絆は、相当おもろいって評判や。
なあたけけ?」

不良のような要望て根はゲーマーのたけけは、真一文字に閉じていた口をさっと開きます。

「面白ければ買う。それだけや。
まあ、たぶんおもろいやろ」

3人の意見を聞いても、まだ買う決心がつきません。高校1年生にとって、6000円という大金は容易に払えないのです。渋るぼくをみて、ボブはついにしびれを切らします。

「とっしーなんてほっといて、おれらで体験版をやろうぜ」

ボブの煽りを聞いた途端、ぼくは無意識に叫んでいました。
「ぜっぇったい、買わん!!!」
そう言って、食鮮館をあとにします。

この間、食彩館からGEOまでママチャリを本気で飛ばしてることなんてことは、彼ら3人はご承知です。

15分後、食鮮館に舞い戻ったぼくの手に握られたビニール袋を不審がったたけけは、「それなんなん?」と声をかけてきます。

ぼくはにんまり笑顔で答えます。
「戦場の絆。買ってきた!!!」

「さっすが、とっしー!!
さっそく戦場の絆やろか!!」

そうして、全員が満面の笑みになり、戦場の絆をプレイしたのです。


その、10分後...

「おっもんねぇ!やめよやめよ!」
「こんなおもんないゲーム人生で初めてや!」
「だいたい戦場の絆ってタイトルなんやねん!」

ボブ、キャプテン、たけけの体験版3人組は、口々に文句を言っています。

「けど、体験版やからええか。無料やしな。」ボブは無料を推します。
「まあ、無料にしてはおもろいなあ。けど、1人買ってるやつおるやろ?」疑問を呈すキャプテン。
「そんなやつおらんやろ?」あくまでぼくの存在を忘れるたけけ。

そんな彼らにぼくはぼそりと物申します。
「俺、6000円でソフト本体買ってるぞ...」

「へっ!こんなおもんないゲーム6000円も出して買ったん!?」驚くキャプテンの横でボブは一番言ってはいけない一言をぼくに告げたのです。
「そんなおもんないゲーム、なんで買ったん?」

ぼくは、世界中から空気を吸い込むかのように大きく横隔膜を広げてから、咆哮を吐き出しました。

「お前らが、`おもろいから買え`っていったんやろがぁーーー!!!」

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告 

「関係ないやろ!お前らに奢ったからって浅倉さんと付き合えるんか?」
「この話を聞いてくれ。俺な、この前、浅倉さんと廊下ですれ違ってん」
「それがどうした!」
「まあ、ムキになるな。すれ違ったときに聞こえた会話内容が肝なんや」

8月18日 PART5 KOTTERI RA-MEN YONTYO-!!!

←PART3 Captain Sea

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エンディング曲



俺バグ 文末 乞うご期待 (10)
プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

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