2016. 10. 28  
3章

↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?
←Ⅲ章14話へ | Ⅲ章16話へ→




煙草の煙がもわもわと室内に充満し、おっさんが脱衣麻雀のゲーム機に目を貼り付けている風景がメトロ神戸の通常運行です。

「曲を...選ぶドンっ」
vljs00114_s24.png

声は可愛らしいですが、じぃっと顔をよく見ると若干憎たらしい太鼓小僧に言われるがままに選曲した僕らはムチのように腕をしならせ無我夢中で太鼓を打ち込みます。

どんどこどんどこ!!
ドコドコココノンドンカンドココン!

「うっわあっー!腕腫れたぁっ!」
「でぇぃえやー!」

叫び声が地下空間に響き渡ります。

メトロ神戸というのは、1人で来る人が圧倒的に多く、各々が黙々とゲームをしています。

その誰もが真顔なので、何が楽しくてゲームをしてるのかわかりません。
彼らは何か'ミエナイチカラ'に突き動かされてこの場所に来ているのでしょう。

パチンコ屋やゲーセンとは一線を画した、諸行無常でゲームに打ち込むメトロ神戸という空間にアクセントを加える存在が、ぼくら'バグジー親衛隊'の3人でした。

やかましいったらありゃしません。


太鼓の達人をかましたあとは、クレーンゲームに挑みます。

が、当たり前のように惨敗...
1000円が一瞬で露と消えました。

ここがラウンドワンならば、アームの緩さにキレて台を揺らすなんてことをすれば、店員がやってきて注意されるのます。

しかし、メトロ神戸のゲーセンのおっちゃんは店番しながら寝てるので気にも留めません。

まあ、高校生にもなってアームの緩さにキレるなんて...そんなやついないでしょう。

1分後、僕はもちろんアームの緩さにキレて機械を揺らしました。おっちゃんをチラ見すると背筋をピンっと伸ばしたまま爆睡していました...カモ。


苦虫をすりつぶした顔で悔しがる僕をあざ笑うかのように、ボブとキャプテンはさっとパチンコ台の前に座ります。

なんの機種かよくわからないスロットを玄人顔で打つ彼らの姿は少し大人びて見えました

ボブとキャプテンは数年後パチプロ狂になりますが、このときはその片鱗を見せつけていたのでしょう。

しかしこの時はまだ15歳。
パチプロ狂になりきれていない彼らはすぐにパチプロに飽き「なんなんこのクソゲー。やめよやめよ。」と呟き立ち上がりました。

そんな僕らの目に飛び込んだのは、40.50機種はあろうかという大量に配置された50円のアーケードゲーム。

「50円で1プレイやって。」

「50円とか安すぎて'タダ'みたいなもんやからさ。何回やっても'タダ'やろ。」

単細胞すぎる僕は2人の妄言に騙され、「え!?ただ?はよやろうや!」とテンションが上がっていました。

そうして、3人は無料アーケードゲームを順にプレイしていました。

いつの時代かわからないほど古い選手が出場しているサッカーゲーム

懐かしのナムコゲーム・ゼビウス

斜めに動けず縦横のみしか移動できないカクカクテニスゲーム


どれもつまらなくはないのですが、とびきり面白いと感じるほどではありませんでした。

よく言えば、ふつう
悪く言えば、ふつう

普通に言えば、ふつう

「ここまで普通なゲームある?」僕の素朴な疑問に、ボブは「まるでキャプテンのような普通さやな。」と呟きます。

キャプテンは褒められているのかけなされているのかがわからず、ミスターポポのように口をあんぐりとあけていました。
images.png


「次はアクションゲームやりたいな。」
そう思った僕らが次に始めたゲームは、
そう、あの日本中を席巻したゲーム...

魔界村
51623.png


名前からして怖そうですが、チュートリアル画面では、主人公が横スクロールで移動していました。

「これやがな。これやがな。」

楽しそうなゲームを見つけ、僕は両替したばかりの50円玉を勢いよくぶち込みました。

この時、勢いをつけすぎて、指を突き指していたなんてことは、恥ずかしくていえません。


TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

魔界村というマリオのようなアクションゲームにて...
メトロでの冒険は続く...

11月4日(金)
→16話 魔界村へようこそ

←14話 インフル襲来、いざメトロへ


↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?



作者がギターで弾き語る15話エンディング曲
Hello! Good-Bye!!  




俺バグ最後2
2016. 10. 30  
俺バグ延長戦Ⅱ章

←Ⅱ章二十Ⅰ話へ | 




研修が終ったあと、夕方まで予定がないぼすと俺は、バスでショッピングセンターへ向かい、そこで腹ごしらえをすませた。

昼飯を食べてからぼすは、素っ頓狂な顔つきで話し始めた。
「さて、今からどこ行く?」

「千葉の流山に行っていいすか?
新撰組ゆかりの地があるんすよ。」

「僕も新撰組好きやで!」

「えっ?!ぼすも新撰組好きなんすか?」まさかのカミングアウトに俺は胸を踊らせる。

「隊士で誰が好きですか?!俺は土方歳三です。'燃えよ剣'読んで虜になりました!」

「'燃えよ剣'僕も読んだで。けど、僕は藤堂平助押しかな!」

「あぁ、いいとこつきますね!
けど、最後は伊東派についたんで...」

そうして、新撰組トークに花を咲かせたあと、俺は彼に疑問を投げかけた。

「てかね、ぼすって、彼女おるんすか?」

ぼすは、重力に負けたようにぐっと顔を下に向けて呟いた。

「おるよ。」

「え?」

「え?」


世界が2人を残して滅びたかのような静寂の時間が流れた。

「彼女いるんすか!?けど研修中、女子にガンガン話しかけてたじゃないすか!」

「彼女の有無と女子に話しかけることは別やで!
とっしーは彼女おるん?」

彼女...
俺の脳裏に可愛らしくくしゃっと笑う浅倉さんの姿が浮かぶ...

「4年半付き合った彼女に、フラれました...2年前...
そっからは、まぁ彼女できる気配もねぇっす。」

世紀末の顔になった俺を励ますようにぼすは声をかけた。
「と、とっしー
めっちゃひきづってるやん!大丈夫ええ人おるって!」

ぼすが彼女いること、そして浅倉さんを思い出したことにショックを受けて天を仰いでいる俺を横目に、ぼすはふと不思議そうな顔をしながら呟いた。

「そういや僕、新幹線の特急券を変えないといけないねん。
今日の15時21分発のぞみを指定しててんけど、やっぱ明日乗るからさ

「指定の時間過ぎても変更できるんすか?

「どうやろ?今調べるわ。」
ぼすはそう入ってなにやらごそごそと携帯を触って調べていた。

「聞いた聞いた!大丈夫。大丈夫や!」

ぼすの軽すぎる返事に心配になった俺は念のため確認する。

「誰に聞いたんすか?」

彼は自信に満ちた笑顔で
「知恵袋に聞いたで。」

「ち、ち、ちぇ知恵袋!
その情報あてなりませんよ!早くJRに電話してください!」

俺はうわずった声でぼすに促した。

「わ、わかった電話する!」と言ったぼすは今度こそJRに電話していた。

「とっしー!ありがとう!
あかんわ、時刻替えなあかんから最寄りのJRの駅にいかなあかん。」

「大丈夫っすよ。一緒に行きましょ!」

「ありがとう!けどまずい、あと30分しかないやん。この時間までに変えないと、指定席無効になってまう...」

「急ぎましょう!」

そして俺たちは、タクシーを見つけて、中の人(おっちゃん)に尋ねた。

「おっちゃん!こっからJR柏駅まで30分でいける?!」

「無理やな。間に合わん。」

「おっちゃんそう言わずにさ!飛ばしたらなんとかならんの?ガァーっと行ってや!」

「無理やな。
電車のが早いぞ。電車に乗れ。」

おっちゃんはそう言って電車を指差したので、俺たちはタクシーを諦めて電車に乗った。

電車の中で俺たちは、あのおっちゃんのことを絶賛する。
「あの人ほんま真面目っすね。ここが関東人らしいっすわ。」

「これが大阪なら
'任せとけ飛ばしたる'って啖呵切って
んで全然間に合わんくて
`兄ちゃんまに合わんかったわ!堪忍堪忍な!`って笑ってくる!」

「そっすね!
冷静に状況を判断して、ライバルの電車を勧めてくれるなんて、関東すげーっすわ!」

そして俺たちは、電車にのって、JR柏駅へ向かい、その駅のみどりの窓口に到達した。
みどりの窓口で指定席の時刻を変更すればミッションクリアだが、窓口は大混雑し、20名ほどが並んでいた。

「ぼす。並んでたら、絶対間に合わないんで、並んでいる人に順番に事情説明して前まで進んでください!」

「おっけ!そうするわ!」
ぼすは元気よく返事をしたが、譲ってもらえずあわあわしながら待っている。

「どうしたんすか?」

「いや、事情説明して譲ってもらおうとしたら、
鼻にピアスをした牛のような怖い兄ちゃんに、`俺も急いでるから無理`って断られてん…」

「そんなヤンキーにびびらんといてください!今は緊急事態なんすよ!」

俺たちがわちゃわちゃ大声で議論をしていると、前方に並んでいるおばあちゃんたちが事情を察してくれたようで順番を譲ってくれた。
もちろん鼻ピアスはチッという表情をしていたが、まあ問題ない。

そうしてぼすは、無事、指定席の時間を変更した。
おばあちゃんたちが「よかったねぇ!」と、拍手をする中、
「うおー!あざっす!」と叫んでいた彼は、まるでヒーローのようだった。

よくよく考えたら、指定席がチャラになるだけなので、自由席で帰ればいいのだがそんなことはもうどうでもいい。


その後、共に新撰組スポットを観光したあと、それぞれの方向へ別れる時がきた。

「僕は今から大宮にある友達の家に行くんでここでさよならっすね!
(Ⅱ章参話へ戻る)

「ぼくも、東京の友達のとこ行くからお別れやね。今日はありがとう!。」

そう言いながら、俺たちは、駅の階段を上がり、ホームへたどり着いた。

ホームに上がると、電車が発車する直前だった。
その時、ぼすは、
「あ、とっしーこの電車やで。はよ乗りや!」そう言って、俺の背を押した。

「わかりました!じゃあまた大阪で!」
そして俺は、その電車に乗った。行先も確認せずに…

2分後、即座にぼすからラインが来た。

「ほんまゴメン!
めっちゃ勢いで乗せてもうてんけど、その電車とっしーが向かう大宮方面と真逆やったわ!
マジゴメン!!!」

俺はそのラインをみて、苦笑いしながらも、ぼすの愛くるしさとおちゃめさに感心していた。
こんな心地いい乗り間違えは初めてだ。
ぼすは、自信を持って俺を電車にのせてくれたのだから、悪気はなかったと信じたい。


電車に揺られながら、俺は浅倉さんに最後に言われた言葉を思い出していた。
「今後の成長に期待するっす。」

「浅倉さんに次会った時に、`とっしー成長したね。やっぱり好き。`」と言われるためには、人間として成長しなくてはならない。

その前にはまず、バイタリティが必要だ。
大学時代に無くした、高校時代の情熱を… 人生への熱意を…
上手くいかない日々でも、叫んでも、切れても、もがいてもがいて、泣いて笑っていたのが高校時代の俺だった。

あの頃の情熱を取り戻してから、大人になればいい、成長すればいい…

今回の1週間の研修では「ぶっ飛んでるな。」と言われまくったが、それは俺にとっては褒め言葉だ。
今後どんな社会人生活になるのかはわからないが、胸は高鳴っている。

まだ、社会人になって20日足らず。
人生おもしろくなってきやがった!!!


TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした





次回予告

Ⅲ章からは高校編でおなじみの悪友「やっぱり5人は最強」がついに活躍!
 おなじみの小気味いいバカトークに拍車がかかる!
そして、とっしーは、自分の性格、考え方と、職場の真面目さのGAPに...

11月6日
→III章 場違いハミングバード 1話 I'd like to be `Fashionable`!




-俺バグ延長戦- 拝啓、いつかの君へ
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 



俺バグ延長戦8


プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

カテゴリ
訪問者数
頂点を目指せ!
ランキングに参加しています! 応援してくれる方はクリックお願いします!
検索フォーム
ブロとも申請フォーム