2017. 08. 04  
俺バグ延長戦Ⅲ章

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深夜12時頃、俺は一人さいたまに住むボブに電話をした。
「もう寝てる?」

「起きてるから電話出てる。寝る直前や」

「すまん、ちょいと聞いてくれっか。めっちゃ狙ってた同期の蛍子ちゃんにさ。彼氏いたわ」

「そうか」

「おう」

「次は、誰行くん?」

「はやいな」

「彼氏おったんならもう無理やろ」

「まあたしかにひきづったところでどうもならんからな
次はなあ、ランチ屋のお姉さんや」

「そのお姉さんどんな人なん?」

「めっちゃ美人やぞ。もう振られたけどな」

「は?振られたってどういうことやねん。早すぎやろ」

「お会計の時に、俺の連絡先書いた紙を渡してんけどな、彼氏おるからごめんなさいやって」




5月29日、職場のフットサルが梅田で行われる。
俺は買ったばかりの折り畳み自転車で十三まで電車に乗り、そこから、チャリでコートへ向かう。

一時半集合だが、俺は時間ぎりぎりだった。

「はあ、はあ!絶対遅れたらあかん!」

俺はチャリを漕ぎまくった。
小雨が降る中、カッパを着て、ペダルを漕ぎまくる。

風邪気味の体に鞭打って、進み続けた。

なんとか時間に間に合った俺は、フットサル会場に入り、事務所に顔を出した。

お姉ちゃんが俺に声をかける。

「今日予約されてた、後藤様ですか?」
「はい。あ、他の方は?」

「まだですよ、あなたが一番です。」
「そっすか!」

5分後に、金田がゆっくりのそのそ歩いて来た。

そのあとに、畠山君が来る。
畠山君は、同期だが、採用時期が俺より半年早い。フットサルも何度か来ているらしい。

「畠山君、遅いやん!1時半やで。」

「あー、あの時間は参考程度やで。いけたら凄い的な。」

「なんやねんそれ。」
俺はうちの職場のラフさに憤慨するどころか、安心した。

続々と集まってくる職場のみんな。

人一倍どでかいお体をした方に、俺は挨拶をした。
「武田です。本日はお誘いありがとうございます!」

「おー、来てくれてありがとう!。俺は、後藤。よろしく!」

俺は心で呟く。
「この人が、後藤さん。ダブルブルドーザーの一角か。」

畠山君情報では、
後藤さんと村瀬さんがフォワードへ行くと、ものすごい勢いで点を稼ぐので、
‘ダブルブルドーザー’と言われているらしい。

俺が今日このフットサルに来たのは、
自称アジアの大砲、後藤さんからのお誘いメールを、畠山君から転送してもらったからだ。

アジアの大砲さんのおかげで今、俺はここにいる。
大砲さんありがとう。

他にも、初めて会う方がたくさんいる。

「初めまして。僕、○○課の武田です!」
「こちらこそ!僕は、○○課の深瀬です!」

営業マンのようなトークをし、ロッカールームで着替え始める。

このフットサルコートは、2週間前にできたばかりだそうで、とてもきれいだった。

「ロッカー綺麗!なんかプロみたいやな!」
はしゃぐ俺は、さっと、着替えてコートに出ようとした。

4つの番号が付いたロックキーを`適当に`設定し、ドアを閉め、ロックキーをむちゃくちゃにする。

即座に俺は叫んだ。
「あっ!番号忘れた。鍵開けられへんっ」

「ニワトリかよ!」どこからともなく聞こえる突っ込みの声。

アホなことをしでかし慌てる俺を、畠山君が他の人たちに紹介する。

「彼、武田君は、うちのスーパールーキーですよ。いろんな意味で凄いです。」
褒めてんのかけなしてるのか…笑


俺は、事務所のおっちゃんを呼んで鍵を開けてもらう。
「番号は覚えておきましょうね。」

ぼそっと叱られたがそんなことは無視だ。

「あざっす!」とおっちゃんに礼を言い、コートに駆けだした。

きゃっきゃっきゃ!

目の前には、2歳か3歳くらいの子どもと、アジアの大砲、後藤さんがわちゃわちゃしている。

「かっわいい!!!」
俺は大砲のお子様に夢中になった。

「畠山君!あの子供って`アジアの大砲`さんの子どもやんな?」

「そうやで。」

「っくぅー!俺も(浅倉さんと)結婚してあんなかわいいこどもと遊びてえ!」

俺はフットサルそっちのけで、子供に見とれていた。


今日のフットサルは、来月行われる大会のメンバー選考を兼ねているようだ。

リーダーの堀田係長がビデオカメラを回しながら、僕ら、初参加組に告げる。

「みんな今日は来てくれてありがとう。
来週の大会で、チームを3つくらいにわけるんやけど、今日はそのセレクションや。
張り切ってアピールしてくれ!」

「しゃあっ!ぜってえAチーム(一番強い)に入るぞ!」
張り切る俺に、金田は冷静に告げる。

「武田。俺ら、野球経験者やろ。サッカー素人やし、B,Cチームでがんばろうや。
いや、なんなら、俺、観戦組でもええや。」
金田はやる気なさそうに話したが、イチロー顔負けのストレッチを入念にしている。
本当はAに入りたいんだろう。

「俺テストどーでもいいねん。」と言いながら虎視眈々と勉強するみたいなものだ。


ちなみに俺のサッカーの実力は、皆無だ。
みんなにはこう説明している。

「技術はないんすけど、ボールに迫る意欲はすげえっす!
ウイイレでいうたら常に×ボタン押してプレスする感じっすね!」

そして、チームが分けられた。
今年採用された初参加組、3人と、何回か来ている畠山君、藤堂君たち2人、合計5人がチームだ。

対戦相手は、セレッソ大阪の大人のスクール生。

「スクール生」という響きからして、学生のようだが、大人のという修飾語がついているので、れっきとした大人だ。

どうも俺たちと醸し出す雰囲気が違った。
俺たちは栽培マン、彼らはサイヤ人ほどの差がある。
そんなくだらないことを考えているとあっという間に試合が始まった。

ピィーっというホイッスルと同時にキックオフだ。

ダダダゥ  ガッ カーンシュッザー
戦いは続く。

スクール生は、非常にうまく、俺の技術では歯が立たなかった。

畠山君や、藤堂君など、そこそこ上手い人たちがいるが、スクール生は遥かにうまかった。
3,4ほどたつと、3-0か4-0くらいで負けている。

負けず嫌いの俺はムキ向きになった。
「技術で勝てんなら、気迫や。」

果敢に突っ込み、体をぶつけ、時には、スライディングをする。
熱い野郎がやってきたんだ。

「きみー!フットサルは、接触したらあかんよー!」
アジアの大砲・後藤さんは俺に注意する。

「さあーせん!」
すぐに謝った俺は、作戦を切り替えた。

「相手のうまい選手に張り付いて、パスカットに徹してやる。」

しかし、俺のマークなどたかがしれているので、この行動はすぐ振り切られて終わる。

ピィー!ホイッスルが響き渡り、試合が終わった。

死ぬほど疲れた俺は、コートにぶっ倒れる。
「はあ、はあ、はあ、こんな疲れるっけ、サッカー?」

金田も死にかけていた。
共に、言葉を掛け合い、疲れを癒し合う。


チームが交代し、さっきまで見学していた人たちがコートにでてきたが、そこにはボスもいた。

彼が着てきた服はバルセロナ。背番号は28、ツバサと書いてある。
ドヤ顔で突っ込んでほしそうにしている彼はやはり、生粋のエンターテイナーだ。

彼は今日のフットサルの意気込みについて、
「僕はめっちゃ下手やけど、めっちゃ応援するで!」と言っていた。

ちなみに、畠山君はまた試合に出ている。人数の関係上仕方がないのだ。

彼は小柄だが、ものすごいスタミナを持っていた。
たぶん昨日23時間くらい睡眠をとったのだろう。

そして次の試合が始まった。

前方でウヨウヨするボス。
ボスは絶妙なパスを受けてシュートを放つ。

しかし、気の抜けたよれよれシュート!
俺と同じくらいのサッカー技術なことが即座にわかった。

目を見張るのは、1試合目にビデオを回していたリーダーの堀田係長の大活躍だ。
御年36?らしいが、年齢を感じさせない動き。

顔もカッコいいし、サッカーもうまいし、神はこの世界をやはり不公平に操っている。

そういえば、この試合はだれがビデオを回しているのか確認すると、金田が死んだ魚のような顔でビデオを回していた。安心だ。

とにかくすごいのが、アジアの大砲、後藤さん。

彼が放つシュートは、バッゴーーーンという音がする。
 ドカベンの岩城がグワガラガキィーンと打つのと同じ類だ。

そんな大砲さんに、試合のあと、
「君は8割勢いで2割ガッツやね。 技術とは違う何かを持っている」
と言われたのは嬉しい限りだ。

この試合も終わり、また、チームが入れ替わる。
俺たちの出番だ。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

今週は俺バグ高校編をお休みして、社会人編の延長戦を掲載しました。
来週は、お盆なので休載します。
再来週の金曜日も延長戦を掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします!




-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 



俺バグ延長戦8


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2017. 08. 12  
株式日記

遅すぎた撤退 ~1ヶ月で2ヶ月分の給料が消える~




連休前の木曜日、約45万円分の株式を損切りしました。この日の損失額は約5万円。
(堀田丸正、マルコ、弁護士ドットコム)

いずれ上がる。そう信じて、(勝手な希望的観測)塩漬けにしてきましたが、当分の回復は見込めないどころか、もっと下がりそうでした。
遅すぎる判断と思いつつ、連休中の不安を減らす、旅行資金の確保のためにもついに決断しました。

思えば、14万円の実存益と10万の含み益を得た約一ヶ月前、私は有頂天でした。
「仕事辞めて、投資で生活したい!」意気込んでいました。

それがライザップバブルで大損したあとも損失を広げて、実存損失12万、含み損3万円までなってしまったのです。
 +25万円から-15万円まで、40万円が、たった一ヶ月でなくなったのです。

本当にあっという間でした。

実存益と含み益がなくなり、25万円の損失を出したときは、さすがに絶望しました。
しかし、「これでプラマイゼロ。ここから取り返す」と思ったものの、
そこからさらに15万円の損失を増やします。

後半は1万円の損失ぐらいでは、動じなくなっていました。
いや、動じないというか、つらすぎて笑うしかなかったのです。

手取り17万円あるかないかの社会人2年目のサラリーマンが、2ヶ月で40万円を失う。
そして、来月は米国旅行で40~50万円を使う。

これで貯蓄を殆ど食いつぶしたのです。
自分の愚かさに笑いが止まりません。



ここで、この教訓を活かすためにも、7ヶ月の資産運用の総括をしてみようと思います。

【総括】
・運用資金が多すぎた。
普通、貯蓄の2,3割を投資に回す者ですが、私は貯蓄の大半、100万円ほどを投資に回していました。
生活資金まで使っていたので、感情的になり、損切りすることができませんでした。

最盛期の100万円から、約40万円失ったので、1/3以上の資産を減らしたことになります。
これがもし、1000万円を運用していたらと思うと、背筋が凍ります。

・損切りがいかに難しいか。
私も頭ではわかっていました。株が値下がりすることは仕方がない。早めに損気利すれば、損失額は少ない。
しかし、売れないのです。

たまに、逆指し値で自動的に売っても、私が売った後に、暴騰することなどを見てしまったら、
ここで売ってもあがるかもしれない、と期待してしまうのです。
しかし、それが甘かった。
決めたルール通りに機械的に損切りできるようにならないと、投資で勝つことはできません。

・結局、地合
私の監視していた銘柄は、この一ヶ月どこも大きく下げています。
この地合では、どの銘柄を保有していても損失が出ていたでしょう。
つまり、私の半年の儲けは地合のおかげだったのです。

地合が悪くなれば、損失が止まりません。
実力者なら、早めに損切りできるでしょう。


北朝鮮の暴走、国内の政治不安、トランプ政権の脆弱さ、NYダウのバブル?
暴落要素を多くはらむ今の地合では、上昇の可能性より暴落の可能性の方が大きいでしょう。

相場の雰囲気の悪さを感じたら、すぐに全面撤退するということの大切さを痛感しました。

・投資はあくまで趣味!私生活に悪影響を及ぼさない
投資成績がいいときは、上機嫌になり、「奢ったるわ」と後輩にええかっこをして、大損したときには、昼休みに絶望している。
かっこわるいのです、今の私は。
今の投資は、いずれ、1000万円を運用するときのための練習。
もっと勉強して、どっしり構えようと思います。

いつかの大逆転を目指して!!



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2017. 08. 13  
dn_1.jpg

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阪神尼崎駅からヤンキー風の男が乗ってきた。

金髪の髪、白のTシャツの上に羽織る薄水色のジージャン。
片方の膝だけ破れている黒のズボンに、コンバースの黒靴。

友人の発言「コンバースの黒靴履いてるやつは全員もれなくダサい」を思い出して俺は吹き出しそうになる。

そんなヤンキー風の男は、Tシャツの下にチラッと見える3つの鍵をジャラジャラいわせながら歩いてきた。
家の鍵と、彼女の家の鍵と、あと一つは...?

後ろから付いてきたのは、ジージャンを羽織った茶髪の西野カナ風女子。
ジージャンには手を通さず、羽織っているだけだ。

ワンピースのクロコダイルかよ。心でそう突っ込む。

「このカップルは絶対おもろい。」
俺は即座に判断し、観察を始めた。

このカップルは、俺の隣の席に女子が座り、男はその前につっ立った。

「へいっへいへいっおらぁー」

わけのわからないテンションで言葉を発しながら、男は座っている女子に自分の大量の荷物を持たせる。

荷物を押し付けられた女子は、手に持っていた傘で男の足を突いた。

槍部隊か?

「うわっ、穴空いた!」

元々そのズボンには穴が空いていたのだが、男はそう叫んだ。

「うふふふふっ」
槍使いの女子は、そんな男の様子を見て、サザエさんのように笑っている。

「へっへー、すんません」
会話の雰囲気を見ていると、男が後輩のようであり、一応敬語を使っている。

「晴れてきたね。」
外の天気を見て語りかける女子に対して、男は自信満々に話し始めた。

「晴れてきたっさすが俺!鬼晴れやん!
天気覆すからな、俺!」


「ほんとだー。すごいねー」
男の超能力者発言に突っ込みもせず、ゆっくり頷く女子。

男は気をよくしたのか、言葉が止まらない。晴れ間が見えてきた空を指差しながら、喋り続ける。

「ほらっ!ほらっ!晴れてる!
へっへっへっ!
俺すっげえわぁ!」

男のズボンの隅からは相変わらずジャラジャラと銀の鍵が3つ垂れ下がっている。
まほうの鍵と、最後の鍵と...?


俺はこの男をじっとみつめて、分析している。

鬼晴れ?
晴れに鬼とかあるんか?

天気を覆す?
そんなことできるんか?

そもそもこいつは本気で晴れたのが自分のおかげやと思っているんか?

しかし、彼を分析をしても無駄なことに気付く。
イケイケDQNの行動言動に意味はないのだろう。

「ねぇねぇ?オリンピックして?」女子は猫なで声で男に語りかける。

オリンピックという表現がわからなかったが、電車のつり革を掴んでいた男の顔のにやつき具合で全てを察した。

こ、こいつは体操選手になるつもりだ。

「やりましょか?オラオラァ!」
ジョジョの見すぎなのか、オラオラと言いながら、つり革で懸垂を始める男。

「やめてやめて」と言って止める女子。

お前かやらせたんやろうが。

男は渋々止めるが、まさかのワル自慢を始める。

「神鉄とかではバリバリやりますよ!
ぶぅわぁーやって、この荷台の上に、寝転んでガァッーやったりますよ!」


擬態語が多すぎてよくわからないが、DQNの行動は読めた。

「そうなんやー、すごいねー」と、言って感心している女子もどうかと思うが。

神鉄ユーザーの俺としては、この男がつり革で体操選手になってることが辛かった。

しかし、この男のことは他人事には思えない。
彼を見ていると、俺にもこんな時期はあったことを反省する...

さすがにこの男ほどではなかったが...

男が急に口ずさみ始めた歌は、ドリカム 大阪LOVER
♪何度恋をしてたってー大阪弁は上手にならへんしー♪

バリバリの三代目ジェイソールブラザーズみたいな雰囲気の男が歌うドリカムは破壊力抜群だ。

サチモスが好きなタイプが歌うドリカム顔もなかなかいい。

次に男は、自分の定期券を見せて語りかけた。
「この阪神の定期券は、ウメダって表記されてっけど、阪急電車はウメヅなんすよっ」

「そうなんだー。」あまり興味なさそうに答える女子。

「これ見てください」男は強引に定期券を見せる。

「ああ、ほんとだー」さっきよりは驚く女子。

「どうすかこの発見?」

「へえへえへえへぇ。4へぇだね。」

「いや、5は、いったっしょ!」

彼らの観察を終えた俺は、頭が真っ白になった。

俺の振られた元カノは今、年下イケイケ系のイケメンと付き合ってるらしいけどあんな感じなんか…?
そうか、今は、年下のマイルドヤンキーがモテるのか。
そして、俺は決意した。
明日から、チャラくなろう。

まず、手始めに、片方の膝だけ破れている黒のズボンに、コンバースの黒靴を買おう。
そして、ドンキホーテで、チェーンつきの鍵を3つ買えば、完璧だ...?/strong>



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2017. 08. 18  
Ⅳ章

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「そんなおもんないゲーム、なんで買ったん?」

ボブが言い放ったキラーフレーズに憤慨しても、買ってしまったものは仕方ありません。

無料で体験版を遊んでいた3人は、「そんなクソゲー早く売れよ!」と急かしましたが、ぼくは「ガンダム戦場の絆は、面白いんや!」と、信じ込んでゲームを続けます。

食鮮館のベンチに座りながら、戦場の絆をプレイし、これみよがしにプレイ画面を見せつけるのです。

「これが有料版や!迫力あるやろ?めっちゃおもろいねん!」

ボブは、興味を失った顔で戦場の絆のプレイ画面を見つめ、ため息をつきます。
「とっしー。6000円もしたから認めたくない気持ちはわかるけどなあ。それはクソゲーや。早く売れよ」

ぼくは歯を食いしばりながら声を絞り出し、「お、おもろいねん、このゲームは...」と言い返しすしかありませんでした。


その3日後。
午前練習のあと、ボブたちに「先に行っておいて。俺、寄るとこあるから」
と伝えたぼくは、ママチャリを駆ってGEOを訪れてから、食鮮館に着きました。

「とっしー、何してきたん?」
と言う質問には答えず、にんまりして3000円を見せつけます。

「その金、もしや?」

「そのもしや…や。戦場の絆、売ってきた!」


「めっちゃおもろい言うてたやん?」

「めっちゃおもろいって言うたらおもしろくなるかと思ってたけど、全然おもんないからな…」

「GEOからしても嬉しいやろな。3日前に6000円で売れたゲームが、3000円出したらもう戻ってきた」

「けど、3000円手に入ったのは、ラッキーやなあ。
とっしー、ここはその金でパァッーと言ってくれよ。」

「は!?なんでお前らに奢らなあかんねん!
元はと言えばお前らが煽って、俺にあのクソゲーを買わせたんやろが!」
奢ってくれと要求される理不尽さに憤慨したぼくは、ついついクソゲーと言ってしまいます。

「はあ、とっしーはケチやなあ」げんなりするキャプテン。

「顔がキモいだけじゃなく、ケチとかやべえな」真顔で容赦なく毒を吐くたけけ。

彼らの発言を聞いても、ぼくは断固として動じません。
「何を言われても奢らへんぞ!あと、顔は関係あらへん

ここでボブは、むっと顔をしかめました。
これは、お得意の精神攻撃をしかける合図です。

「とっしー、別に奢らんくてええで。
ただこれだけは言っておくわ。

そんなんやから、浅倉さん無理やねん」

ぼくは片思い相手の`浅倉さん`という言葉を聞くと、いつもムキになってしまいます。
ボブはそれを知っていて、浅倉さんを話題に出したのです。
この時点でボブのペースにはまってしまっています。

「関係ないやろ!お前らに奢ったからって浅倉さんと付き合えるんか?」

「この話を聞いてくれ。俺な、この前、浅倉さんと廊下ですれ違ってん」

「それがどうした!」

「まあ、ムキになるな。すれ違ったときに聞こえた会話内容が肝なんや」
ボブは意図的に会話のテンポを遅くしました。

「なんて話してたんや!教えてくれ!」
ボブの焦らし戦法にはまったぼくは声を荒げます。

「教えたろか?」

「頼む、教えてくれ!」

ボブはごくりと息を呑んでから、言い放ちます。
「二度も浅倉さんに振られたやつには、おっしえっませ~ん!」

「ここまで焦らしといてなんやねん!」

甲高い声でつっこむぼくに、ボブは譲歩を見せました。

「ほんまとっしーは手に負えんやっちゃなあ。
まあ、しゃあない。今回は特別やで」

「ええから教えてくれや!」

このように情報を利用して、自分が優位になる立場を構築していくのがボブという男なのです。

「さあ本題や。浅倉さんは廊下でこう言ってた。
`私、ケチな人とはお付き合いできない。`やってよ」

「やっぱそうか!」
驚きの声をあげるぼくに対して、驚きを隠せないボブ。

「なんで知ってるん?」

「話の流れ的に予想できるやん。
でもその話、ほんまか?!なんか信じられへんなあ…」

疑心暗鬼になるぼくを安心させるために、ボブは一言つけたしました。
「なあ、キャプテンも聞いたよな」

キャプテンは自分に振られると思っていなかったようで、一瞬戸惑いますが、
「俺も聞いたよ。ケチな人は嫌って言うてたなあ」と、答えたのです。

そして、「たけけは浅倉さんと同じ塾やから、なんか知ってるやろ?」と鮮やかなスルーパスをだしたのです。

たけけは自信を持った顔で、「ケチかどうかは知らんけど、浅倉は男らしい人が好きやぞ」と言いました。
最後に小声で「たぶん」と付け足したことはたけけ本人以外気づいていません。

彼らの意見を聞いて、ぼくは渋々と語ります。
「浅倉さんがケチな人を嫌なのはわかった。
けど、俺がお前らに奢っても、そのことは浅倉さんに伝わらへんやろ?」

「わかってないなあ、こういうのは積み重ねや。
臨時収入があればパアっと奢る。そういう姿勢、器の大きさをここで身につけておいたらええんや」

「しかもたけけは浅倉さんと同じ塾やからな。
ちらっと、とっしーのことを言うてくれるかもしれんぞ」

「絶対言わん!」

たけけは、一瞬期待したぼくの出鼻をくじきます。

そして彼らは誘導尋問のように、ぼくに王将を奢らせようとします。
「まあ、王将で奢ってくれたら太っ腹なとっしーのことはどっかで評判になるやろなあ」

「せや。けど、普通のラーメンじゃあかん。
こってりラーメンがええなあ」

「浅倉さんも、`お値段も高めな、こってりラーメンを奢る人ってほんと素敵`と言うてたな」

どこまで本当かわからないボブたちの意見と情報に惑わされるぼくですが、一度冷静になりました。
そもそもこれは臨時収入どころか、無駄に買った6000円のゲームを売って3000円戻ってきただけにすぎないのです。

しかしここまで言われてケチな態度をとり続けることができるぼくではありませんでした。

「王将…いこか!」
そう言って、3000円を天にかざしたのです。

「うっひょ~い」精神攻撃に成功した悪の権化は叫び、
「うーれぴー」キャプテンシーにあふれた男は呟き、
「しぇあ!」見た目だけヤンキーはガッツポーズをとりました。


その後、王将のテーブル席に座り、ぼくは店員さんにドヤ顔で言いました。

「こってり…….四丁!」

三丁ではなく、四丁、ぼく自身もこってりがよかったのです。

「とっしー、頼む。天津飯も追加」
「店員さん、天津飯、一丁」
ボブのわがままにも応えて天津飯も追加しました。

そして、こってり四丁と天津飯がぼくらのテーブルに並べられます。
一番食べるのが早いボブは、5分もたたずにずるる….とこってりを平らげました。

そして、彼が天津飯を一口食べた、そのときです。
「ふぅ~~~。もう無理や。とっしー、食べてくれ」

「は?まだ一口しか食べてないやん?!」

「もう無理や、きちい」

「食べれんのなら頼むなよ」と言いつつ、もうぼくは天津飯を口に運んでいたのでした。

そして、天津飯をなんとか平らげたぼくにボブは一言。
「大食いやなあ。だからそんなデブになるねん」
「誰がデブや!!」


全員がこってりラーメンを食べ終わった後、ぼくは握りしめすぎてくしゃくしゃになった3枚の1000円札で4人分のこってり代を支払い、満面の笑みで店を出ました。

「とっしー、なんで嬉しそうなん?」

「太っ腹になったからな。浅倉さんと付き合える可能性上がったなと思ってよ」

にやつくぼくに、ボブは言葉のライフルを撃ち放ったのです。
あんなん嘘やで。`こってりラーメン奢る人ってほんと素敵?`
そんなこと言うはずないやろ」

顔がみるみるうちに紅潮したぼくは、眉間にしわを寄せて三人に迫りました。

「こってりラーメン代、返せぇ~~~!!!!!」

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

「みんな、今日も王将にいくぞ!」

「クウリングオフできたん?店員ザルやなあ~」
「太っ腹やなあ。浅倉さんも行けるやろ!」
「しぇあ!」

PART6 cooling off & 2nd KOTTERI

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エンディング曲



俺バグ 文末 乞うご期待 (9)

プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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