2017. 09. 01  
Ⅳ章

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こってりラーメンセットの天津飯がテーブルに置かれたとたん、ボブは天津飯の器をぼくの目の前にスライドさせました。

「こんなに食えへん。とっしー、食べてな」

「食べれんのなら頼むなって昨日言うたやろ!
お前が食べろよ!」

「しゃあないなあ、一口食ったるわ。しゃあなしやで?」

「せんきゅ!
ってなんでやねん!元は、ボブの頼んだ天津飯やろ」

「俺はこってりラーメン食うので精一杯なんや。こんな油ギトギトなラーメン食わせやがって」

「お前がこってり食べたいって言うたんやろがー!!!」

ボブとぼくが漫才のような口論を繰り広げる中、ここでもキャプテンがキャプテンシーを発揮します。

「ボブは、こってりが食いたい。けど、こってりのギトギトが嫌や。
だからしゃあない。
とっしーは、ボブの分を食べることを見越して、単品のメニューを頼んでおけば良かった。
これはしゃあなくない。
だからとっしーが悪い」

「なんでそうなるねん!!」ぼくは怒りが収まりません。

「そうやってすぐカッカするのもあかんぞ。
だから`あさっぴぃ`に告白しても失敗するねん」

「あさっぴぃ??」

「浅倉さんのことや。これからはあだ名で呼んでいこう。俺が今、`あさっぴぃ`と命名した」

「あさっぴぃか。顔も可愛いし、あだ名も可愛いな」
ぼくはそう言って、にやつきます。

そんなぼくを見て、ボブはため息をつきました。
「とっしー、そんな呑気なことじゃ、いつまでたってもあさっぴと付き合えへんぞ?
振られてからあさっぴぃと会話してるんか?」

「いや、恥ずかしくて会話できん。
そもそも気まずくてメールもできん」


「まあ会話しても、今のとっしーじゃ別に無理や。
とっしーには致命的な弱点があるからな」

「俺の致命的な...弱点?それはなんや?」
少年ジャンプの主人公の修行前のようなテンションで呟くぼくに、ボブは一言だけ告げました。


「顔や」

「ん?
聞こえんかった。なんて?」

「かお」

「かお???」

「そう、顔が、圧倒的にあかんねん。
ワックスで髪型はだいぶましになってきたから余計、顔が目立つ」

「そんなこと言われたってどうすりゃええねん!」
少年ジャンプの主人公のように、弱点を克服するため修行に励もうとしていたぼくですが、
顔が弱点と言われても、どうすればいいかわかりません。

「大丈夫やとっしー。
俺に妙案がある」

「なんや!?」ぼくは藁にもすがる気持ちでボブに尋ねました。

「それはな、整形や。
しかも、500円でできる整形がある。
ドラッグストアにある`あいぷち`。これを使うだけや。」

「ご、ごひゃくえん!?500円で何が変わるねん?」

「そのぬぼっとした一重を、二重にすることができるんや!
よく見てみい、キャプテンやたけけの顔を。

二人はイケメンやろ?そして、イケメンとはつまり、もれなく二重まぶたや!」

「そ、そういうことか!
二重まぶたになったら、俺の顔もかっこよくなるわけやな!?」
そう言ったとたん、ぼくはもう体が動いていました。

「キリン堂行ってくる!」と、告げてあいぷちを買って、あっという間に王将に戻ってきたのです。

「さすがとっしー。行動だけは早いなあ。さっそくやりましょか」
そう言ってボブはあいぷちの箱を開けて、羽ペンのようなものを取り出します。

「え?ここで?ここ、王将やで」

「じゃあCOOPに移動しよか?」

「どっちもたいして変わらへん。
夏の日中は、めっちゃ暑いからバグり島は嫌やからなあ。ここで頼むわ」

そして王将にて、あいぷち手術が始まります。
ぼくの横にはボブが座り、白い液体を先端につけた羽ペンのようなものを手に持っています。

向かい側の席ではキャプテンとたけけが、手術の始まりを今か今かと待ちわびています。

「てかボブに、あいぷち任せて大丈夫なん?」

「あたぼうよ。あいぷちの魔術師と言われた俺を信じろ」

「なるほど、経験豊富なんやな」

「いや、はじめてや。
けど、散髪もうまかったやろ?
俺は器用やからだいたい何でもできる」

自信満々に言うぼくですが、彼は確かに器用でなんでもできたのです。
現にテニス部でも初心者の中では一番上手く、先輩からも有望視されていました。

「わかった。ボブに任せる」
ぼくは彼の膝の上に頭をのせて、目をつむりました。

すると、まぶたをツーっという冷たい感覚が襲います。

「うわっ、なんやこれ!」

「動くな、とっしー。ちゃんと書けへん」

「こしょばいねん!」

「動くなって!」

羽ペンのこそばい感覚に耐えきれず、じたばたするぼくの肩を、たけけが押さえつけます。

「ええぞ、たけけ。とっしーを押さえといてくれ。
その間に俺は、このペンで…」
ボブはそう言って、羽ペンを操り、白い液体をぼくの目に塗りたくったのです。

..........

「とっしー、終わりや。顔あげて、目をあけてみて?」

そう言われて目をあけたぼくを見た三人の反応はどぎついものでした。

「ヒッヒェー。め、めが白い!」
「これはまるで…」
「ニューハーフや!!きっも!」


真っ白な線がまぶたに塗りたくられたぼくの顔は、イケメンどころかニューハーフになってしまったのです。

「ニューハーフ、トッシーやあ」
「ひええ!」
「逃げろ-!」
三人は王将のソファーの上で、じたばたしていましたが、不意にボブは冷静になってぼくに言いました。

「あ、でも、大丈夫。
あさっぴぃが、`私、ニューハーフの人、好きや’って言うてたのを廊下で聞いたわ」

「ほんまか?」ニューハーフと笑われ、意気消沈していたぼくは、目を輝かせてボブに聞き返しました。

「うっそでーす!!!」

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

「`寒すぎやしやせんか?`って聞いてみてや」
「聞いてどないするん?」
「この寒さに気付いてもらうんや」
「気付いてもらったところでさあ」

「ええから、思いは伝えとけって!」

9月22日 PART8 very very cold

9月8、15日は、延長戦をお送りあいます

←PART6 cooling off & 2nd KOTTERI

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エンディング曲




俺バグ 文末 乞うご期待 (7)
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2017. 09. 03  
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ドラゴンクエスト約5年ぶりのナンバリングタイトル、Ⅺ 過ぎ去りし時を求めてが発売されて約1カ月が経ちました。多くの方が感想をブログに書いていらっしゃいますが、ぼくもいくつか感想を書いていきます。


↑非公式テーマソングを自分で作ってみたので是非ともご視聴ください!
  ドラクエⅪと、Ⅴの名場面を動画の素材に使っています!




○キャラデザイン
今作は今まで以上に、ドラゴンボールに似ているデザインが多くありました。
神の民は、魔人ブウとミスターポポを足して2で割ったかんじ。
サンボはメガネをかけたクリリン。
そして、ドゥルダ卿の金髪はスーパーサイヤ人に見えましたね(笑)

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○女性キャラが魅力的
何と言ってもこれにつきます!
おてんば娘ベロニカ、お淑やかな美人セーニャ、お色気枠のお姉さんマルティナのパーティ3人の可愛さにはいつも癒されますね。
脇役でも、ニナ大師や人魚の女王セレンなどのお姉様系がとても綺麗です。

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個人的には、大賢者セニカ様が一番好きです。服装が少しドラクエⅦのゼシカのようで色っぽいです!

セニカ (1)


しかし、時の番人が、セニカだったときは驚きました。

○なんといってもストーリーが素晴らしい
特に好きなエピソードを軽く記していきます。

・孤児院をすくうために魔物の力借りたハンフリー。
子供達を守るために悪の力を借りる
切ない話でしたね。

・陸に上がった人魚は泡となって消える、ロミアの悲しい結末...

・人魚の女王セレンが語る名言
「あなた方人間は危うい。しかしまばたきのような一生の中で何かを求めチカラ強く生きる姿はひときわかがやいて見えるのもまた事実」

・クレイモランでの死闘
氷の魔女との戦いのところはとても白熱する展開でした!
グレイグとの共闘や、ピンチの時に助けに来てくれたベロニカ!
胸が熱くなりましたね。

○親子の絆とライバルの因縁
・グレイグVSホメロス。2人の因縁には考えさせられるものがありました。
・チェロンとバハトラ
父子の愛の話からはお互いの気持ちを伝えることの大切さを学びました。
・ヤヤクとハリマ
「竜になった息子のために修羅の道を
自分の子を守ろうとする母の思いに善悪はない」
この言葉が胸に響きましたね。

○ベロニカの...そして、セーニャの覚悟
セーニャが髪を切るところは物語屈指の名キーンでした。
その後、ベロニカのじゅもんとスキルがセーニャに継承されたときは、体が震えました。
ああ、ベロニカは本当に死んでしまった。もしや生きているかも、という希望が...絶たれた瞬間です。
しかしなんらかの形で復帰と願っていたのですが、時を遡るという形でベロニカとともに冒険ができたことはとても良かったです。

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○3DS版 ヨッチ族との冒険
過去作をプレイした人たちにとっては、このヨッチ族イベントはワクワクしましたね。
過去作の世界へ戻って再び冒険できるのですから!

特にテンションが上がったのは、ドラクエ5と7の世界に行ったときでした。

5の有名なシーンは、ビアンカかフローラか花嫁を選ぶシーンなのです。ルドマンさんが、11の主人公にリハーサルをしてくれと、依頼してきます。そして、主人公が、7人の仲間たちのうち、誰を嫁さんにするか選ぶのです。セーニャとマルティナは明らかに主人公のことが好きなのですが、ベロニカの反応もかなりよかったですね!そして、男にもプロポーズできるのですが、ロウじいちゃんを選んだときのセリフには驚きました!

7のキーファが父になっていたことには驚きましたね。彼は過去にいったまま現代に戻らなかったのですが、現代に残した家族への未練があったようです。しかし、過去では妻のライラに新しい命が宿っており、幸せそうで良かったです。

○過ぎ去りし時を求めて

冒険を続けている時には、このタイトルの意味がわかりませんでしたが、このタイトルの意味がわかったときには、なるほどと、納得させられました。

ー過去に戻って世界が破滅する前に戻るー

そして、それぞれの町を再び訪れることで、また違った物語が生まれます。
人生というものは、何かのきっかけでどう転ぶかわからない、ということを思い知らされました。

ちなみにぼくはまだ、邪神ニズゼルファを倒してないのですが、クエストをクリアしながらゆっくりプレイしていきます。

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読んでいただきありがとうございました。
よければ別の記事もご覧ください!

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2017. 09. 08  
俺バグ延長戦Ⅲ章

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サッカーの2試合目に、俺は本領を発揮する。
シュートに向いてないことに気付いたので、パサーに回ったのだ。

サッカー未経験ながら持ち前の運動神経の畠山君に絶妙なスルーパスを繰り出す。

彼は、シャッと反応し華麗にネットを揺らす。

「いぇい!さっすが畠山君!」

「今のパス絶妙やったわ!」
この瞬間が最高だった。こうやって人は生きているのだろう。

そして、その次の3試合目あたりから、俺は自分の生きる道を見つけた。
サッカーが下手でも活躍できるポジション。それはキーパーだ。

しんどすぎて動けないからキーパーをやってみたら、案外楽しかったのだ。
あまり動かなくていいし、セーブしたら、「うおおお」と、会場が湧く。

相手がペナルティエリアに入ってきたら、「気円斬」だか、「マカンコウサッポウ」だか、適当に叫んで相手が力むのを待つ。これが俺の作戦だ。

そして、キーパー以外でももう一つ活躍できることを発見した。

それは、影武者作戦だ。

敵陣地近くで、ボールを持った人に大きく声をかけまくる。
「こっちにパスや!俺が決めたる!」

そのやかましさで、相手ディフェンスを引き寄せるの、相手ディフェンスが俺の方に来れば儲けもの。俺にパスが回ってこないのだから。

しかし、まれにパスをだしてくれる優しい人もいて、そのおかげで2本シュートを決めることができた。

シュートと言っても、ものすごいキックの素振りにしては、靴の端に触れただけのボテボテゴロだが…

そして、約二時間、汗を流してサッカーに打ち込んだ。
こんなに汗だくになったのは久しぶりだが、体を動かすことの爽快さを思い出した。


フットサルが終わったあと、俺はギアルに電話をかけた。
「昨日の予告通り、今から家行くで。」

「おう、今どこおるん?」ギアルは眠そうな声で返答する。

「梅田」

「何してるん?」

「フットサルしてたわ。だから今、汗だくや」

「きんめ~~~」

「きもないわ!スポーツで汗流して何が悪いねん! 」

「運動して努力してる人を否定するわけじゃない。
ただ、汗をかいてる人が気持ち悪いんや、すまん」


「わかった。じゃあ上沢の銭湯で汗を流せばええんやな
とりあえず、ギアルの家付近に着いたらまた連絡する」

40分後。ギアルの住む上沢駅に到着したので、もう一度彼に電話する。
「銭湯おるで。一緒に入ろうや。」

「俺風呂入ったよ」ギアルまさかの返答。

「は?じゃあ、俺、一人で銭湯行くん?」

「そうやで。」

「一緒に入らんの?」

「そうやで」

「なんでやねん!一緒に入ろうぜ!」

「お前ってさ…ホモなん?」

「いや別にホモちゃうけど、一緒に入ってもええやん。」

「入ってもええけど、入らんくてもええやろ?」

結局ギアルは風呂に入ってくれなかったが、俺たちは飲み屋に入った。


「とっしーって、ついに浅倉さん以外の好きな人みつかったんやろ。
よかったなあ」


「せや。蛍子ちゃんっていうんや。彼氏おるけどな」

「その蛍子ちゃんとどう仲良くなっていくん?」

「飲み会で話したり…やな」

「蛍子ちゃんは何飲むん?」

「あの子は、ビール飲むで。俺は、梅酒や」

「けどさ。二人で飲みに行ってそれを注文したら、店員さんは、とっしーにビール置いて
蛍子ちゃんに梅酒をおくやろ?
梅酒はぼくです。って宣言するとき恥ずかしいやん」


「しゃあないやんけ、ビールは苦いから嫌いなんや」

「そういうとこやで。ガキっぽいねん。
だからとっしーは浅倉さんに振られたんや」

浅倉さんのことを言われて俺はムキになる。
「浅倉さんは一途な人が好きって言ってた。俺は一途やったのに振られたやん」

「それはただの逃げや。とっしーがその言葉にすがりたいだけや。
一途って言葉にすがってるお前は、浅倉さんと復縁できるという言い訳を作ってるんや。


お前のことが好きじゃない浅倉さんからしたらそんなん望んでないぞ?
ただのストーカーや」

ギアルの厳しい言葉に俺は、「黙れ!」としか言葉が出ない。
彼は、さらに言葉を連ねる。

「こういう正論地味た言い方は女の子は嫌いやねん。
だからこれはとっしーにしかやらん。
そしたらお前はこの正論にキレる」

「キレるとわかってたらやるなよ!」

「でもやるで。本当のこと言うマンやからな。

とっしーはそもそも女心がわかってないねん。
男は理屈。女の子は感情。
そういうのを知っとかなあかん」

「ほう」俺はギアルの恋愛講座に耳を傾ける。

「キャプテンは、理屈的な笑いや。練り上げてるけど、女性には受けん。
それがわかってるから、あいつは女子と話さん。


それがホモ疑惑を生むわけや。

ボブは生き方が上手い。
空気読めるし俺らの中で1番はよ結婚する。

ここでとっしーや。
キャプテンみたいな理屈で笑い取るタイプでもなく、ボブみたいに狡猾でもない。

こうなったときにお前の生き様は情に訴えるしかない。
恋愛スタンスはすがりつくってことや。


だから、お前は妥協されていけ!」

「そのいき方ださない?」

「ださいけどいけたらええやん」

「ボブの今の彼女との付き合い方を参考にしろよ」

「どんなん?」

「ボブの彼女がボブにもうアタックしてん。ほんで、ボブはまあ、あしらってたけど、
結局まあええかってなって、付き合った。」

「立場的には蛍子ちゃんがボブ、ボブの彼女が俺ってことか。」

「すがりついて、妥協点に入って付き合う。
今から言うグラフをほんまに意識せえよ。


イケル 妥協 無理
妥協のほんまに下でいい。


そんな好きちゃうけど、まあえっかって思われればええねん」

俺の現状を鑑みるに、ギアルのネガティブ恋愛論に納得せざるを得なかった。
そして、その作戦を意識して蛍子ちゃんと接する機会がやってきた。


5月29日、勤務が終わった。
俺はコップを洗いに洗面台のある部屋へ行った。

そこで洗い始めた瞬間、蛍子ちゃんがやってきた。

正直、ここでのエンカウントを希望してこの時間にコップを洗いに来たのだがいざ現れるとさらに緊張する。
足の震えを隠して、話しかける。

「仕事終わったん?お疲れー」

「うん終わったよ、お疲れー」

「1日疲れた?」

「いや、疲れてない...」

はにかむ彼女に俺はときめく。


「蛍子ちゃんさ?自己紹介のとき
'でございます'って言ってなかった?」

「え?そんなん覚えてないで!」

「ピスタチオか、サザエさんかとおもたわ!
'ございますっ'」


俺はモノマネをして蛍子ちゃんをからかった。
好きすぎてからかうなんて小5か。

すると、梅津さんがやってくる。
梅津さんは蛍子ちゃんと同じ課の先輩だ。

「蛍子ちゃんが見たことない感じでめっちゃ笑ってる!あ、やっぱり武田くんや」
梅津さんは蛍子ちゃんをみてそう言った。

俺はただただ喜ぶ。
蛍子ちゃんを笑わせたい一心でいつも話すネタを考えているのだ。

コップを洗い終わり、戻ろうとする俺と蛍子ちゃん。
「蛍子ちゃんもう帰るん?」

一緒に帰ろう!と言いたかったが言葉が出ず、一度、自分の課に戻る。

蛍子ちゃんとは別の課なので、タイミングを計る。
...どのタイミングで帰ったら蛍子ちゃんとエレベーターで鉢合わせれるかな?

まあ変態だ。

そんなことを考えていたおかげで、エレベーターでちょうど蛍子ちゃんと鉢合わせた。

蛍子ちゃんは俺を見かけるとにっこり微笑んでくれる。それが今の俺の生きがいだ。

エレベーターで2人きりになったりしたらドキドキが止まらないのだが、他の社員たちも大勢いる。

エレベーターから降り、俺は言葉を発した。
「蛍子ちゃんのことをさ。'アンチエイジング蛍子'って呼んでいい?」

「え?!な、なんで??」

戸惑う蛍子ちゃんに俺は語りだす。

「俺さ、ご存知の通り蛍子ちゃんに惚れてもてるやん?」

ふふふ、と笑う蛍子ちゃん。


「こんなマジ惚れしてまう恋のときめきは7年ぶりやねん。
年をとるほど大人になっていくけどさ。俺はいつまでもわくわくときめきたい。


蛍子ちゃんに出会えてから心が若返ってん。
だから、蛍子ちゃんのことを「アンチエイジング蛍子」「AK」って呼んでいい?」

こんなこと話したら普通にドン引きされるだろう。しかし、俺はありのままの思いを吐き出した。

「AK?なんか変やけど別にいいよ。」

微笑んで了承してくれる蛍子ちゃん。
俺は畳み掛けるように、恥ずかしい事実を暴露した。

「あとさ、隠したくないから言うけどさ、勝手にこんなことしてるねん。」

俺はどん引きされる覚悟で、ギアルに将棋で勝てば蛍子ちゃんとつきあえるという謎の賭けをしていることを話した。


「えっ?全然ええで。」
驚きながらも屈託のない笑顔で笑ってくれた。

本来俺は、梅田方面に乗るのだが、反対方向の中央線に乗った。
「あれ?武田くんっ、電車間違えてるんちゃう?」

蛍子ちゃんに言われるが、「大丈夫、大丈夫」とごまかす。
君と話したいから、なんて恥ずかしくて言えない。

恥ずかしさをごまかすために、俺は彼女に「ズボンの柄COWCOWみたいやな」と茶化した。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

来週は、延長戦を掲載します!
9月15日 9話 フリーターやのに早起きやな

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-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 



俺バグ延長戦8

2017. 09. 15  
俺バグ延長戦Ⅲ章




2016.6.2
業務が終わったあと、蛍子ちゃんの課に顔を出し、声をかける。

「蛍子ちゃん。昨日言ってた漫画持ってきたわ。」

「ありがとう」

「仕事もう終わり?」

「うん!」

「一緒に帰ろうや!」

「おっけー」

…え?おっけーなん?
あまりにすんなり承諾してくれたので、俺は心で驚いた。

「じゃあ外でまっとくわ。」

そう言い部屋を出た俺は、廊下で蛍子ちゃんを待つ。
掲示板のポスターを見ているが内容は頭に入ってこない。

目を瞑り、耳を澄ませる。

蛍子ちゃんまだかな?

カッカッカッ

これは、違う、男の足音や。眼を開くと、叔父さん社員がいた。

蛍子ちゃんまだかな。もう一度目を瞑る。

カンカンカンッ

甲高いハイヒールの音…
きたっ!

すぐに振り向きたかったが振り向かない。

蛍子ちゃんは俺に声をかける。「おまたせ」

俺はキザなキャラを演じ、調子に乗ってしまう。「おう!帰ろっか!」

共にエレベーターへ入る俺と蛍子ちゃん。
エレベーターが閉まる間際に、部長も入ってきた。
部長とは、とてもとても偉いお方だ。

俺の心臓はバクバクしているが、それはこの密室で蛍子ちゃんと共にいるからなのか、部長の威圧感なのかはわからない。

蛍子ちゃんは、本来俺とは反対方向の電車だが、今日は友達と飲み会らしく俺と同じ方向の電車に乗った。

蛍子ちゃんの高校時代や中学時代の部活のことを聞く俺。
なんと彼女はテニス部のようだ。

俺はさりげに「また今度テニスしようよ」と言った。

「いいよ。久しぶりやからできるかなあ」
蛍子ちゃんとテニス、想像しただけでもう楽しいからおなかいっぱいだ。

あっという間に梅田に着く。
1人で電車に乗る時の3倍速だ。赤い彗星め

蛍子ちゃんと並んで歩くだけで心がうきうきになる俺。

「蛍子ちゃん、飲み会どこで集合なん?」

「大阪駅やねん。」

「俺も行くわ。」

「え?武田君、阪急なんちゃうん?JR遠いし…」

俺にとっては、遠いとかどうでもよかった。
ただ、蛍子ちゃんともっと話していたかった。

こんなこと言うのは気持ちわりぃと思ったが、俺はストレートに気持ちを伝える。

「もっと、蛍子ちゃんと話したいねん。大阪駅まで行くわ。いい?」

「明日も一緒に帰ればええやん」

蛍子ちゃんは、微笑みながらそう言った。

俺は心が撃ち抜かれた、そこで足が止まった。

「じゃあ。」

そう言い、大阪駅へと歩く蛍子ちゃん。俺をみて笑って手を振ってくれる。
俺はこの時自分がどんな顔をして何を話したかを覚えていない。

ただ、「明日も一緒に帰ればええやん。」という言葉が脳内を駆け巡っていたことはたしかだ。

俺は人生最大級の笑顔で、変なステップをしながら阪急梅田駅へ歩き出す。

1分ぐらいして急に冷静になった。
あの言葉は、俺を振り切るための方便か?

それとも、大阪駅と阪急梅田駅の遠さを見越して俺を気遣ってくれたのか?

どちらか、わからないし、蛍子ちゃんの本心はわからないが、明日も蛍子ちゃんと一緒に帰ろう。誘ってみよう。

明日になればわかることだ。


次の日…

「珍しく忙しいぞ...どうした金曜日?」
社外からのやりとりに追われ、係長からは大量のコピーを依頼されていた。

普段は係長と談笑しながら平和に働く俺だが今日は違う。
必死に業務をこなした。

なぜか?昨日の蛍子ちゃんの言葉が頭から離れないからだ。

「明日も一緒に帰ったらええやん?」
そう、俺は蛍子ちゃんと今日も帰れると期待していた。

必死に業務を終わらした俺は、定時で仕事を終わらせることに成功する。

ちなみに係長は必死で働く俺を横目に、先に帰宅している。
(ああいうラフなとこも好きなんやけど、ちょい悔しい...)

定時に仕事を終えたあと、変な駆け引きをする。
「いつも洗面室で蛍子ちゃんに会うときは、俺の方が早くに居る。

なんでかって俺が定時に上がってすぐ洗面室にいってコップを延々と洗いながら待ってるからだ。
けどこれきもくないか?
蛍子ちゃんをめっちゃ待ってるみたいやん(いやその通りなのだが)」

そこで、俺は自分の仕事が終わってから5分ほど時間潰してから洗面室に向かった。

蛍子ちゃんと出会ったのは、彼女がコップを洗い終え、課に戻るところだった。

「蛍子ちゃんお疲れ!」

「あ、おつかれ」

少しそっけない返事だった。
その時に、「一緒に帰ろう」と言えなかった俺の負けかもしれない。

俺はコップを洗って自分の課に戻ったあと、蛍子ちゃんの課を訪れたが彼女の姿はそこにはなかった。

俺は落胆しつつも先輩に尋ねた。「蛍子ちゃん帰りましたか?」

「帰ったで。」

「え?いつですか?」

「2分前ぐらいかな」

俺は絶望した。
「ほんますか?!それはつらすぎる…」

「どうしたん?」

「今日蛍子ちゃんといっしょに帰りたかったんですけどできませんでした。
ショックなんで、月曜日会社休みますわ」


「え?メンタル弱っ」

この日の俺は憂鬱だった。
蛍子ちゃんと帰れたか帰れないかでこんなにも気持ちが違うのか。

勝手に期待して、勝手にがっかりして、一喜一憂している。
俺はバカだ。


そんなとき、キャプテンの言葉が浮かんだ。
「人に期待するな」


2016.6.8
通勤電車から窓を眺める。丁度、稜北台高校の生徒が登校する姿が見えた。

髪の毛の色、流さ、身長、スカートの丈、全てが浅倉さんにそっくりな女子高生に俺は目を奪われる。

...浅倉さんはどこで何してるんやろな。俺にはそれを知る術もないし、関係のないことか...


疲れ切った月曜日、黄昏に浸る。


30分前、6月始めての月曜日は最も望ましくない形で幕を開けた。

「あんた何時やと思ってるの!?仕事休む気!?」
母の怒声で目が醒める。

寝起きは、好きな女の子に起こしてもらってトーストとおしゃれなハムエッグで決めたいなんてものは幻想だ。

起きれないなんて当然だ。目覚まし時計をかけていないからな。

母の怒りが爆発する。
「いい加減にしなさい!毎日毎日遅刻ギリギリに起きて!」

俺はいつも通り対応する。
「俺が遅刻しようが関係ないやろほっといてくれ」

さらにキレる母。「あんた仕事を舐めてるの?」

「舐めるとかじゃない起きれるときは起きるし、起きれんときは遅刻ギリギリ。それだけの話。」

運悪いことに休日出勤の代休で家にいた父までも俺を攻め立てる。

「お前が原因作るから悪いんやろうが!ええ加減にせえよ!」

両親からカチキレされる俺。高校一年生の頃と同じだ。

あの頃もそうだった。
これは俺の新生活特有の現象かもしれない。

大学では起こらなかったが、高校、社会人と、学校、職場での生活が楽しすぎて遊びまくる。

もちろんあまり家にいないし、疲労がたまって朝は起きれない。

金も湯水の如く使いまくり、破綻寸前。
そんな俺に両親は失望し、ガミガミ説教をするが、俺は親に何を言われても気にしていないので、変わらない。

いや、高校の時ならまだ親に叱られて反省する部分はあった。

ただもう社会人なんだ。

「俺の人生は俺が決める。」

遅刻する、職場の信頼がなくなる。

そんなことわかってる。わかってるけど、遅刻はしない。
遅刻ギリギリの時間に合わせて起きるようにしてるからだ。

「ギリギリに行ってたらそういう奴やと態度で見られる」

そんなこともわかってる。

ただもう、自由にさせてくれ。もうなんでもええんや。

このヤケクソ感はまさしく、浅倉さんに振られた後の高校一年生時代の6月と同じだ。
現に今も蛍子ちゃんに振られて、(厳密には振られてはない、彼氏がいるだけ)やってられなくなっている。

大学4年生の最後に、「俺は変わる、成長する」と誓った。

ただ、全然成長していない。高校一年生時代に戻るなんて退化なのか?

違う。
これでいいんだ。

俺は大学時代、人間として堕落した。
成長するためには、もう一度高校時代のバイタリティを取り戻す必要がある。


家での居場所がないからこそ、職場でテンション上がる。

親にキレられたって構わない。そんなことは無視して部屋でギターを掻き鳴らし自分の世界に浸るだけだ。


「俺なんかがさっちゃんと付き合うなんて夢のまた夢か。脈もねーし彼氏おるし、やってらんねーよ...」
俺はそう思い、また負け犬になりつつあった。


そんな追い込まれた日々のある日の朝、ラインをみると41もラインが溜まっていた。
送り主は友人ギアル...

そのメッセージには、俺を奮い立たせる言葉と数々の恋愛論が詰まっていた。



「とっしーが蛍子ちゃんを誘ったスクショみたで。改めて見ると文章の書き方もセンスないなあ
本気で蛍子ちゃんと付き合いたいならもっと周りを見るべきやと思う

努力せずに人を惚れさせるなんて学生までちゃうかなと思いませんか?

それとなぜラインで誘う?
男はラインや電話を連絡手段して使うけど
女はラインや電話をコミュニケーションツールとして使いたがる。

この言葉赤線な。
(俺は赤ペンを取り出し携帯画面に書き込む)


だから蛍子ちゃんにラインをする時は世間話にするべき
しかし今はお前にベクトルが向いてないから頻繁に送りすぎもあかん

毎日、仕事の終わりにサイコロ振って1の目が出た時だけ送るとかやれば例えばやけど

そうやって不規則性を持たせて送るといい。理由は相手から今日ラインくるやろなあとか舐められへんため。サイコロなら実質6分の1やから週一のペースやしな。

仮に二日連続でサイコロの1の目が出たとしてもそれは構わずメールを送れ。何回も言うけど重要なのは不規則性を持たせること。

そして送る文やけど例えば、昼休み話した話題などを引っ張って相手の事を書く。自分のことを書きすぎたらあかん。
そして相手が返信しやすい文章であるかどうかを見返す

?を使うと効果的。でもやりすぎるとしんどくなるので注意。

後は、さっちゃんに返したくなるような見出しにするんや。

25文字表示されるみたいやから。

例文はこれや。

仕事お疲れ!

いつも、蛍子ちゃんって割と遅くまで起きてるタイプなん?
今日ちょっと眠そうやったけどピアノの練習しすぎなんちゃうん?笑
あんまり無理したあかんで〜〜

後は返信きた後、返信する時間も不規則性を持たせる。

時間感覚は充分開けるべき。むしろ既読無視する勢いでもいいと思う。仕事場で毎日顔を合わせる以上、相手にストレスがない程度にするのがいいと思う

最後に、俺はお前だけの本当のこと言うマンだ。
No.1じゃない。Only1だ。


検討を祈る。アディオス!



俺は、ギアルのマジすぎるアドバイスを画面に食い入るように読んでいた。

このラインが送られた時間は朝6時40分。

俺は思った。
「あいつフリーターやのに早起きやな」

ギアルの激励に感謝し、俺は気持ち新たに蛍子ちゃんにアタックすることを誓った。

まあ、無理やけどな。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

来週は俺バグ、
高校生編を掲載いたします!!!






-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 


俺バグ 文末 乞うご期待 (1)
プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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