2017. 10. 06  
Ⅳ章

↑【目次】Ⅳ章 Don't Look Back In Anger

 | 



「やめるやめる詐欺」
近頃テニス部で、大きな問題になっているこの詐欺。

それを行っているのは、ぼくらと同級生のたけけです。

髪の毛の色は真っ赤、そしてピアスをつけて、風貌はまるでヤンキー。

彼はテニス部のことを忌み嫌っており、
「こんなキモい部活は、もうやめるんや」と口癖のように言っていました。

そんなたけけは、キャプテンと共に美容室に行ったときにもテニス部嫌いをみせつけます。

並んで施術を受ける2人に、美容室のお兄ちゃんは質問を投げかけます。

「君たちは、何の部活してるの?」

「テニス部です、2人とも」キャプテンがそう答えるや否や、
「帰宅部っす」たけけは、そのとなりで食い気味に言葉を発します、

「あれ?え、でも、隣の子は2人ともテニス部っていってたよ?」
美容室のお兄ちゃんは、素朴な疑問をたけけにぶつけます。

「帰宅部っす。帰宅部っす」
無表情で帰宅部を連呼するたけけに驚いたのか、お兄ちゃんはもう何も聞かなくなりました。

その後、美容室に気まずい空気が流れたことは言うまでもありません。


そんなたけけですが、放課後、誰よりも早くグラウンドへ向かい、最も真面目に練習しています。
積極的に先輩に技術的指導を求めて話しかけ、アドバイスを真摯に聞いていました。

もちろんそのときも、「テニス部ほんまおもんないわ。早くやめたい」を連呼しています。
新手のツンデレです。

実は彼は、テニス自体が嫌なわけではなく、テニス部ということが嫌なのです。

髪染めて、悪ぶっている彼は、クラスでは最も活発なグループに属しています。
いうならば、イケキャラ中のイケキャラ。

クラスヒエラルキーの最上層に位置している彼にとっては、ヒエラルキー下層に位置するテニス部のことが、嫌で嫌でたまらないのです。

たけけが地元の西桜ヶ丘にいるときには、ぼくらと一緒にゲームをしているのに、学校では疎遠なふりwpするのもそういうことです。
地元の西桜ヶ丘では、ヒエラルキー上級層の同級生がいないので、たけけは人目を気にしていないのです。


ではなぜ、プライドが高く、人からどう思われるかを気にしているたけけがヒエラルキー下層のテニス部に入ったのでしょうか。

それは、この物語の冒頭部分に答えが出ていますが、一度過去を振り返りましょう。

たけけとぼくは同じ中学で、野球部に所属していました。
当時9番センターのへぼ選手だったぼくにとって、エースでクリーンナップを打っていた彼は憧れの存在でした。

また、たけけは、野球以外でも抜きんでていました。
イケメンで女子にモテモテであり、サッカーやバスケも上手い。
勉強もでき、スマッシュブラザーズやパワプロも上手い。

せめて、勉強やゲームは俺に大勝させてくれ、何度そう思ったことでしょう。

中学1,2年の頃は、ぼくとたけけはわりと仲が良かったのですが、その関係は徐々に変化していきます。

そのきっかけとなったのは、中学最後の総体です。
一死満塁のピンチのとき、センターを守っていたぼくは、たけけの好投をふいにするエラーをしてしまったのです。
その後、たけけは、捕手Uスピーのサインを無視したパームボールを痛打され、致命的なタイムリーヒットを打たれてしまったのです。

その敗退以降、ぼくはたけけに負い目を感じていました。


そんな野球少年たけけが、高校で野球部に入らなかった理由は、ボウズです。
そう、ボウズなんです。この繰り返しに意味はありません。

かっこよさを求める彼にとって、高校3年間をボウズで過ごすことはありえなかったのです。

ボウズで野球するくらいなら、テニス部のほうがましだと思ったのでしょう。
サッカーやバスケと違い、手を使うテニスなら、野球の経験を生かせると思ったのかもしれません。


そんなたけけですが、彼はぼくにとって特別な存在です。

ぼくのことをバカにしてくるライバルでもあり、
あさっぴぃこと、浅倉さんを一番知っている恋のキーパーソンでもあるのです。

しかし、たけけは、ぼくと浅倉さんの恋には非協力的でした。
彼はぼくに浅倉さんのメールアドレスを教えてくれず、困り切ったぼくは、
「謝りたいからメールアドレス教えて」という暴挙にでてしまったのです。
→参照 Ⅱ章 PART2 innocent smile & awkward smile.

たけけのが口癖のように、「お前が浅倉と付き合うなんて無理」と言うたびに、
ぼくは彼を意識していきました。

たけけを、見返してやる。
彼にとってぼくは眼中にないことはわかっていましたが、「片道切符のライバル」として、たけけに挑む気持ちを持っていました。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

「堂林に似てない?」
「いや、もう堂林なんちゃう?」
「そうか。俺らが浅倉さんと思ってるのが堂林で、今、甲子園で投げている堂林が浅倉さんって説はありえる?」
「そ、それや!!!」

10月27日
PART11 「堂林に似てない?」

10月13,20日は延長戦を更新します!

↑【目次】Ⅳ章 Don't Look Back In Anger


↓ランキングに参加していますので、タップorクリックお願いします!


にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

にほんブログ村

 



エンディング曲



俺バグ 文末 乞うご期待 (4)
2017. 10. 07  

「おぉ~~~。
まだ進むんか?
ぬお~。これは酔うわ~」

「なにしてるん?」という私の声も届かないほど熱中しながら、齢55の父が得体の知れない大きな黒いゴーグルをつけながらつぶやいています。

ゴーグルの面積は大きく、顔の上半分はすっぽりと隠れていましたが、下半分だけでも楽しそうにニヤついている様子がわかります。
samsung-unpacked-gear-vr-4.jpg


30秒ほど経って、満足そうにゴーグルを外しながら父は言いました。

「VRゴーグルや。1000円で買った」

「俺もつけさせてや」

「アホか。わしもまだ試したばっかりなんや。
ジェットコースターをもう少し試す」

そう言って再びゴーグルをつけて嬉しそうに、うわーうおー、と声をあげている父の体をぼくは揺すっていました。

「うわっ体まで揺れるんか、VRは」

親父、俺やで。

とは、言わずに、ぼくは幼稚園児のように「ちょ、長いで、そろそろ変わってや 」と急かします。

「しゃあないなあ。はいよ」

「ちなみにこのジェットコースター、どんなんなん?」

「...インド人の声が聞こえるなァ」

どんなジェットコースターやねん、と思いましたが、とりあえずゴーグルをはめて体験してみることにします。

メガネを外して、ゴーグルの中のフレームを覗き込むと、そこには右と左の画面で微妙にちがう場面の映像が流れていました。

ゴーグルの仕組みさえわかれば怖いないと自信を得て、ゴーグルとヘッドホンを装着しました。

目の前に広がるジェットコースターのレールはゆっくりと動き始めます。

装着したヘッドホンからは、確かにインド人の声がします。
ぶれぶれの映像を考えると、どうやらこの動画はジェットコースターの様子をYOUTUBEにアップロードしたもののようです。

速度が上がるコースターの映像をみながら
「おぉ~~~。まだ進むんか?ぬお~。これは酔うわ~」とおどけているぼくの横では父が、
「ちょ、長いで、そろそろ変わってや 」と急かしていたのです。



読んでいただきありがとうございました。
よければ別の記事もご覧ください!

←【目次】 短編エッセィ集 
←【目次】俺たちバグジー親衛隊


↓ランキングに参加していますので、タップorクリックお願いします!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村
2017. 10. 09  
thumb-nikkansp-20140913-09130131-sports.jpg

大谷翔平、鈴木誠也、山田哲人…
輝かしい活躍を見せる同年代の彼らを、違う世界の住民だと思うことがあります。
しかし、そうではないのです。
彼らはとてつもない努力をして、夢を諦めなかっただけなのです。



神戸で生まれ育った私は、所属球団に関わらず、神戸市民の同年代を応援してしまいます。
神戸市北区出身の西武・田村、神戸の公立高校からプロ入りを果たした巨人・桜井。
da35b3f62b718f76ca5dd898beda91c5-770x513_Fotor.jpg


彼らは1軍に定着はできていないものの、プロの世界で立派に戦っています。

まだ18歳という若さながら、つい先日、1軍初登板を無失点で飾った阪神の才木も神戸の公立高校出身です。

神戸出身でなくとも、同年代(1993年生まれ、1994年の早生まれ)の選手の動向にはいつも注視しています。

ソフトバンクの武田翔太は、野球の実力もさることながら、プロ入り後に栄養学、行政書士を学び、将棋、ギター、ドラムなど多彩な才能を発揮します。
「自分‐野球=0になりたくない」という人生に貪欲なその姿勢には脱帽します。
巨人では、宇佐見が出場機会を増やし、桜井、重信、中川も1軍に定着し始めました。

芸能界では、子役から活躍する神木隆之介やブレイクを果たした竹内涼真が画面で輝いています。
2115555_324x486.jpg

彼らは懸命に努力をして、結果を残しているのです。

年下の活躍を素直に喜べず、複雑な思いになる自分もいます。
努力の鬼でとてつもない活躍を果たし、今年メジャーに挑戦する大谷翔平、今年ブレイクを果たした巨人宇佐見や、左のエース田口、世代交代が進む阪神の若手たち。

テレビや新聞で知る同年代の彼らの活躍を嬉しく思うと同時に、ふがいない自分の現状が情けなくなるときがあります。

仕事が退屈だと不平を抱え、与えられたタスクを無表情でこなす。
俺がやりたい仕事はこれじゃないと思えど、やりたいことではお金が稼げない現実。

そんなぼくをしかりつけるかのような言葉を元総理大臣・高橋是清公はおっしゃってくれています。

「不平を起こすぐらいならサラリーマンたる己れを廃業して独立するがよい。
独立してやれば成敗いずれにせよ何事も自分の力量一杯であるから不平も起こらぬだろう。
けれども、この独立ができないならば不平は言わないことだ」


この言葉を考えて、独立する勇気も覚悟もないぼくは、スポーツ選手や芸能人に羨望のまなざしをむけてしまいがちなのです。
「自分の好きなことを仕事にできていいなあ。けど彼らは別世界の人間や。庶民とは違う」

しかし、ぼくはふと思いました。
そういう言葉で現実から目を反らしていいのか?

彼らも10年前、いや、2,3年前までは、スターではありませんでした。
決死の努力と覚悟で、夢をつかみ取ったのです。
 生まれながらのスターなんていません。だれもがはじめは庶民だったのです。

スポーツ選手や芸能人に限りません。この世界にはぼくより頑張っている人が何億人何十億人といると考えると、もっと懸命に生きなければならないと思うのです。

「彼らは俺と同年代なんや。別世界の人間じゃない。負けてたまるか!」

私とスター達の間の、今日までに積み重ねた努力の差は、簡単に埋まりませんが、彼らに少しでも追いつきたい。
土俵は違っても何かに対して努力する姿勢や毎日懸命に生きる姿勢では負けたくない。


同年代の活躍を見るたびに、奮起を促される今日この頃です。



読んでいただきありがとうございました。
よければ別の記事もご覧ください!

←【目次】 短編エッセィ集 
←【目次】俺たちバグジー親衛隊


↓ランキングに参加していますので、タップorクリックお願いします!

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村

2017. 10. 13  
俺バグ延長戦Ⅲ章




梅雨真っ只中の6月の休日、フットサルを終えた帰路で語り合っていた。

俺は高卒の同期、大ちゃんに尋ねる。

「大ちゃんの課に美人さんおるやん?
その彼氏がかっこいいんやろ?どんなやつなん?」

「イケメンで、雰囲気落ち着いてて、カッコいいです!」

「ほらでたよ?美男美女が付き合うこの世界。
俺みてーなピエロは土俵にさえ上がれねぇ負け犬か!」

ヤケになる俺に、大ちゃんは励ましの言葉をかける。
「武田さん、大丈夫です。面白さだけは勝ってますよ!」

「面白さだけかい!」突っ込む畠山くん。

「多少面白かったって、意中の子の心さえ奪えねぇようじゃ意味ねぇよ。」
俺はまたヤケになった。

そんな俺に畠山くんは語りかけた。
「てか武田くん、秋本さん(蛍子ちゃん)にアタックしすぎちゃう?彼氏おるんやで?」

「でもさ?
彼氏おるから諦めるっていうのは、ゴールキーパーおるからシュート打たん。

っていうてるようなものやろ?そんなんでええんか?
俺らついさっきキーパーに向かってガンガンシュート打っていったやん!」

「説得力あること言われても...まあ挑むくらいはええんちゃう?」

畠山くんはたじろぎながら答える。
内心、こいつ何言うてるねんと思っているのだろう。

俺は急に真面目なことを話し出した。

「けどさ、この世界不公平やと思わんか?
生まれた時から人生の難易度が違いすぎる。

途上国に生まれるか先進国に生まれるか、教育環境が与えられるか否か?

先進国の中でも、生まれながらの金持ちや、家庭環境の劣悪さとか差がありすぎるねん。

俺は恵まれてる方やけど、恋愛に関してだけは上手くいかねーよ。

けど、そんな俺を癒してくれるのが、

back number!!」

「僕もバックナンバー好きです!」
大ちゃんのカミングアウトに嬉しくなり、彼とハイタッチを交わす。

「バックナンバーはさ。等身大の俺たちの気持ちを代弁してくれる。」

「ほんとそうですよね!高嶺の花子さんとか共感しまくりで!」

「そうやねん!世の中に恋愛の歌はゴマンとあるけど、
あんな自信なさげやったり、歌詞の中で妄想膨らましてノリツッコミするのはない!」

「そこがバックナンバーのいいとこなんすよね!」

俺と大ちゃんはバックナンバーを崇拝しまくった。
そうこう話しているうちに、駅とは反対方向に歩いていることに気づいた。

「バックナンバーに夢中になって変な方向歩いてもたな。これ、バックナンバーのせいちゃう?」

「バックナンバーは悪くないっすよ。」

「そうやな。バックナンバーに熱くなって何も考えずに歩いた俺らが悪い。」

元来た道を戻り、駅の方向へ歩き、腹ごしらえにやよい軒へ入った。

俺は、バックナンバーのあたりから恋愛のことしか頭にない。

「みなさん、恋とかしてるんすか?」俺は切り出した。
敬語を使う理由は5人中1人先輩がいるからだ。

「いや、してない」
「僕もしてない。」
「俺も」

現在進行形で恋をしているのは、5人中、俺と大ちゃんだけだっだ。

「みんな職場恋愛とかは考えないんすか?」

「職場な、リスキーやろ...」
草食系男子筆頭の畠山くんは、そう言ったあと俺に尋ねる。

「武田くん、恋愛上手くいかんとき、どうやって立ち直るん??」

「そんなん、バックナンバーを聞くしかないやん」

「あぁー、俺もバックナンバー聞きまくりたくなってきた」
大ちゃんもバックナンバー症候群にさいなまれる。

「バックナンバーに乾杯!」
俺はそう叫び水のグラスで大ちゃんと乾杯しまるでビールをぐびるように水を飲んだ。

「ちょっそれ僕のコップやで!」畠山くんが静止するが無視だ。

おれは続けて不満を吐露する。
「俺なんて普段、ちょけてるけど内心やってらんねぇよ。半Dやしな。」

半Dってのは...
自分で説明しといて情けなくなり意気消沈する俺に畠山くんは暖かな目で語りかける。

「けど、武田くんにはあの人らがおるやん?」

俺の心にあの3人組が浮かび上がった。

「バックナンバーや!」



「16時半阪急マクド前よろしくお願いします。」

15時50分、集合時間の40分前に念を押すようにある人からラインが来ました。

「なんやこの人。こえーな。」

僕は他人事のように呟きます。


今から僕が会おうとしてる人は、ネットで知り合ったよくわからん女性です。

3日前このよくわからない人から「会えますか?」と、言われたのです。

これは絶対怪しい。

サクラでその場に現れないか?

コワモテおっさんが現れてボコボコにされてカツアゲされるか?

もしくはボッタクリバーに連れてかれて半泣きにされるか?


とにかく、これは絶対おかしい。

後輩や友人にこのことを相談すると「それまじで怖いやつ。逃げたほうがいい」と口を揃えていいます。

そんなことは僕もわかっていましたが、ここ2年ほど自暴自棄に陥っている僕は、怖いもの見たさというかスリルを求めてこのわけわからん誘いに乗りました。


「さあ、このイベントどうなるのかな?」

と思いつつ、集合場所へ向かいました。

「着きました。青のボーダーの服が僕です。」

そう、相手に送信して、マクドの前で突っ立つ僕。

しかし、待てど待てどそれらしい人は来ず、まちぼうけ。

そんなとき、キョロキョロと辺りを見渡していると、俺と同じようにキョロキョロと辺りを見渡している人がいました。

この人かもしれない...

小さな一重まぶたを大きく見開いたその瞳の先には、

野村克也監督の嫁はんサッチーのようなおばあちゃんがいました。

ピタッッッ!

おばあちゃんと目が合いました。


まさか?この人か?

写真は美人やったのに詐欺りすぎやろ!?

そこじゃない!

こんなおばあちゃんが、ネットで出会い求めてるわけがねぇっ!


おばあちゃんは、僕の目を見てニッコリ微笑むと

「阪神百貨店へはどの方向に進むの?」

と質問してきたのです。
この人じゃなかった安心感に包まれた僕は、いつもの3倍丁寧におばあさんに道を教えました。

おばあさんを見送ると、またまちぼうけ。

僕の前を、カップルたちが、何組も何組も通りすぎて行きます。

`…リア充爆発しろぅ` 妬みに満ちた赤い文字が僕の脳内で点滅しました。

「あっかん、俺何してんねん!?」

心臓を搔きむしるような焦りを感じた僕は、もう一度連絡をとります。

「どこにいますか?」

しかし、返事はありません。

僕は、「帰ります」というメッセージを残し、なんとなく府に落ちないような気持ちを抱いたまま梅田を後にしました。


シャワー浴びて、ワックスガチガチにして、1軍級のまだかっこよさげな服を着て。

ものすごく構えていたのに、結局、騙されただけという肩すかしを喰らったような気持ちで眉毛をへこませる青年。

「俺、ほんまに何してるねん...」


拳で自分の頬をペしっと引っぱたき帰路に着きました。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

延 Ⅲ章 11話 なんでこんな暑い日にテニスするんやろな

↓ランキングに参加していますので、タップorクリックお願いします!


にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

にほんブログ村




-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 


俺バグ 文末 乞うご期待 (1)
2017. 10. 20  
俺バグ延長戦Ⅲ章




2016年6月18日。
梅雨とは思えない晴天の中、突風が顔面を突き抜ける。

もともと変な顔をしている俺だが、さらに変な顔になる。
唇は震え、口角は斜めに上がる。

眼は乾燥し、開けられない。

肩にテニスラケットを担ぎ、右手で先輩の方をがっしり掴み、左手でバイクの後方の取ってを掴んでいた。

初めての400ccのバイクに乗っている。
小型バイクを自分で運転したことはあるが、大型バイクに乗るのは始めてだ。

振動と安定感が違う。

何より風の音とバイクの排気音で会話が全く聞こえない。
馬さんが俺に何か言っているのだが、全くわからない。

俺は全く聞こえていないが、「そっすね!うわっすっげ!」
と、連呼した。ボキャブラリー...

そうやって無駄にはしゃいでいると、肩からラケット袋の紐が外れでラケットが落ちそうになった。

「あっ!やべぇっす!」
俺は体を斜めに傾け、落ちそうになるラケットを引き寄せた。

馬さんはチラッと後ろを振り向き、さっきの倍の声で叫んだ。

「あっぶねっ!武田落ちんなよ!
落ちてもほっていくからな!」

さらっと怖いことを言われたが、気のせいだろう、気のせいだ。


ドライアイがさらにドライになっている気がする、とわけのわからないn

俺を乗せたバイクはしあわせの村に到着した。

到着するや否や俺はあることに気づく。

「あっ!
この前、テニスした時に買ったテニスボール家に忘れた!
取りに帰りましょか!?」

「いや、また新しく買おう。
何個あっても減るもんじゃない。」

「減るもんじゃなし、ここで買ったら、家に合計8個もテニスボール持ってることになりますわ。何かカッケェっすね!」

テニスボール問題は無事に解決する。


「しかし暑いっすね。」
俺は照りつける日差しに耐えかねて弱音を発した。

「なんでこんな暑い日にテニスするんやろな」

「誘ったの先輩ですやんっ!」

俺を今日テニスに誘った人の信じられない言葉に驚かされているうちに、丹羽と山田がやってきた。

彼らはバイトの同僚だった。
丹羽は同級生、山田は3歳年下だ。

もちろん彼と彼女は付き合っていたりする。リア充爆発しろ。

2人は俺の顔を見るなり笑い始めた。

「武田さん相変わらずっすね?」
「社会人1年目には思えへんわ...」

「何がやねん。社会人っぽいオーラでてない?」

「全然。」
「高2みたい。」

そんな下りをこなしたあと、俺たちはテニスを始めた。

馬さんは前回のテニスで上手いことを知っていたが想定外なのは丹羽の上手さだ。

テニス部ではなく、テニスサークルにちょこっと参加していただけでこの実力。

高校時代、テニス部に入って3年打ち込んだ(打ち込むほど真剣にはしていないが)俺はどうなってんだ?

硬式軟式の違いはあらど、身のこなし方が違う。

これがセンスか...

丹羽の彼女、山田は初心者ながら大気の片鱗を見せつける。

玉出しがスマッシュなのだ。

玉出しというのは、ラリーを始める前に軽くポンッと、相手にボールを打つことを言うが、
彼女は初級から全力で打ち込んでくる。

初心者だから加減ができないのだが、それがまた、うまくコートに入り込んでくる。

「いきますよー」

バンッ

初球から恐ろしいスマッシュ

豪速球が俺と馬さんの間をつんざき、一瞬の静寂のあとに、背後のフェンスは'ガシャッ'と叫び声をあげる。

あの瞬間のなんともいえない敗北感は忘れられない。


初夏の業火で1時間ほどテニスをしていると、汗だくでたまらなく暑くなってきた。

「あっちぃ、これはやってらんねーよ」

俺はそう言って上の服を脱いだ。

「きもいっー!ほんま無理っ」

山田の悲鳴なんて無視だ。女の子の悲鳴ぐらいに驚いていられない。


俺はテニスコートをプールかどこかと勘違いしているのだろう。

無駄に服を脱ぐのは社会人になってからは始めてだ。
高校や大学時代は脱ぎまくっていたからよくここまで我慢したものだ。


ここでの問題は俺の体型だ。

ライザップ系男子ではなく、アンガールズ田中や江頭系統のガリガリさがこれまた醜い...

可哀想なのは俺のペアの馬さんだ。

「こんな変態と同じチームなんて...」


嘆く馬さんに俺はとびきりの笑顔で声をかけた。

「馬さん!元気出していきましょっ!」

2時間がっつりテニスをした俺たちはくたくたになって卓上テーブルに座り込み休んでいた。

「腹減ったし飯行こうや」
丹羽が切り出し、全員が動き出した。

そして、俺たちがかつてバイトをしていた懐かしい場所、ガストへ向かう。

ガストでは懐かしいメニューを頼み、たわいもない話をしていた。

「武田は仕事どうなん?」

「最高っすよ。同僚にも上司にも恵まれ自由な暮らしを満喫してます!
バンドも組みましたし!」

「えっ?武田さんがバンドマン?ないわー」
山田は真顔で不信感を露わにする。

「なんでやねん?ええやんけ!」

「顔、が...」

本人を目の前に真顔で本音を露わにする山田は大物なのか?
それとも俺が小物すぎるのか?

真実は闇に消え、時は動き出す...

「そういや丹羽、内定もらった会社ってどんなところなん?」
丹羽は一年留年していたので、今年就活をしていた。


「営業やな。海外転勤もあるらしい。」

「え?海外!俺らも行くわ。」
「せやな、いこう。」

俺と馬さんは丹羽と共に海外へ行くことを告げる。

彼女の山田が行くならわかるがなぜ
俺たちが行くのだろうか。


「あんたら来たってなにすんの?」
丹羽が疑問をぶつけると馬さんは答えた。

「俺は遊ぶ。武田は料理と家事をする。にーでぃ(丹羽)は働く。」

「素晴らしい分業っすね!それ最高」

「てかたけださん、ストーかーやめてらしいですね、よかったっすね」
山田が俺に話しかける。

「そうや!新しく好きな人できてさ」

俺はウキウキしながら、蛍子ちゃんのことを語った。

そして、そのあとは楽しい時間を満喫した。


TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

延 Ⅲ章 12話 諸行無常の響きありけり

↓ランキングに参加していますので、タップorクリックお願いします!


にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

にほんブログ村




-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 


俺バグ 文末 乞うご期待 (1)
プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

カテゴリ
訪問者数
頂点を目指せ!
ランキングに参加しています! 応援してくれる方はクリックお願いします!
検索フォーム
ブロとも申請フォーム