2016. 08. 15  
8月15日

日本がポツダム宣言を受け入れ、昭和天皇の玉音包装で配線が伝えられた日。


毎年この時期が近付くと、戦争について考えます。

対米戦争は避けられなかったのか?
なぜもっと早期に講和が結べなかったのか?


そういう議論はあちこちで巻き起こっていますが、今回のこのブログでは、
一つの漫画にスポットを当てて、太平洋戦争について考えてみます。

ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげる先生の作品

「総員 玉砕せよ!」

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水木先生は、1943年に召集され、帝国陸軍の軍人として太平洋戦争下のニューギニア戦線・ラバウルに出征しています。そこで過酷な戦争体験を重ね、米軍の攻撃で左腕を失いました。

水木先生は実体験を基に、戦争漫画を多く描いていますが、この作品はもっとも有名です。




物語の後半から紹介します。

戦線が悪化し、徐々に押されていく日本軍。

そんな状況の中、上官は悲壮な面持ちで語ります。

「玉砕の命令は守られねばならぬ。如何なる犠牲を払ってもこれだけは守らねばならぬ。」

ある小隊は、玉砕命令をだし、米軍に突撃しました。

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しかし、ここに「生きてはならぬ人間」がいたのです。
(玉砕命令に反して生きていることは死刑)

小隊のうち、幾人かは、玉砕に失敗しました。

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玉砕命令が出た後も、生き残った兵士たちは、
司令部からの命令(死の使者)を浜辺で待っています。

将校たちは海をみつめながら、語ります。

「生きながらえてみたところで…
「こんなに苦しいものないっそあの時…」

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生きながらえたことを後悔する将校に対し、軍医は興奮しながら熱く言い放ちます。

「生きるのは神の意志ですよ。自然の意志なんですよ。」

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「軍隊というものがそもそも人類にとって最も病的な存在なのです。
本来のあるべき人類の姿じゃないのです。

み渡る空やさえずる鳥や島の住民のような健全さはどこにもありません。」

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将校たちは、浜辺で、司令部の部隊を待ちますが、
軍医はたった1人、司令部の下へ向かいます。

玉砕できなかった理由を司令部に説明し、将校たちの命乞いを頼みに行ったのです。


そして、軍医と司令部参謀の話し合いが始まります。
ここの会話に戦争というものがいかなるものかが凝縮されていると感じました。


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軍医「参謀どの。とうてい勝ち目のない大部隊にどうして小部隊を突入させ、果ては玉砕させるのですか?」

参謀「時を稼ぐのだ」

軍医「なんですか時って」

参謀「後方を固め戦力を充実させるのだ。」

軍医「後方を固めるのになにも玉砕する必要はないでしょう。
玉砕させずにそれを考えるのが作戦というものじゃないですか。

玉砕で前途有為な人材を失って何が戦力ですか。」


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参謀は、「バカ者」と叫び、軍医をはきます。

軍医「あなたがたは意味もないのにやたらに人を殺したがる。
一種の狂人ですよ。もっと冷静に大局的にものを考えたらどうですか。」

参謀「きさま。虫けらのような命が惜しくてほざくのか。」

軍医「もっと命を大事にしたらどうですか。」

参謀「人情におぼれて作戦が立てられるか。」

軍医「日本以外の軍隊では戦って捕虜になることを許されていますが、どうして我が軍にはそれがないのです。
それがないから無茶苦茶な玉砕ということになるのです。」


参謀「貴様それでも日本人か!」

軍医「命を尊んでいるだけです」


参謀「女々しいこというな」

軍医「男らしくなかったですかな」

参謀「貴様!上官に対する言葉を知らんなあ。」

軍医「参謀どのもうやめましょう。さっき参謀長どのになぐられましたから」

そう言って軍医はその場から去りました。

間も無く一発の銃声が鳴り響きます。

軍医は自殺してしまったのです。


口論の末、軍医は失望したのでしょう。
何を言っても無駄だと思い、自ら命を絶ったのかもしれません。

`命を尊ぶ`という医者として、人として当然のことを主張することが許されない軍隊という組織に嫌気がさしたのかもしれまん。

自殺した軍医を見て、参謀は一言「惜しいことしたな。まだまだ使えたのになあ。」とつぶやきました。

このあたりの描写からも、上官は兵士、の命を非常に軽んじていることがわかります。


参謀ら司令部が、玉砕に失敗した兵たちの下へ赴き、合流しました。


そして、作戦会議が始まります。

玉砕から生きて帰ってきた兵士に参謀は言葉をかけます。

「君の上官や同僚は君たちも一緒にしんでくれると信じて突入したのだ。
君はその背信の中に生きながらえてよく…」


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玉砕に失敗した小隊の少尉2人は、責任をとって自害することになります。


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そして、物語は終盤へ向かいます。

戦局が圧倒的に不利になると、参謀ら司令部も玉砕を試みます。

しかし参謀は、玉砕する直前に、指揮を部下に譲ろうとし、後方に下がろうとします。


部下「我々と共に死んで下さるんじゃなかったのですか?」

参謀「人情としてはしのびないが、君たちの玉砕を見届ける冷たい責任があるのだ。
早く突入したまえ」

部下「あなたは人に死を強要し生きながらえてようとなさるのですか」

参謀「つめたいようだがわしにはわしの任務というものがある」

部下「死を命じた者は共に死ぬべきです!背信の中に生きるのは我々ではなくあなたではありませんか!」


そう話している時に、参謀に流れ弾にあたり、絶命してしまいます。

しかし、作品のあとがきで水木先生はこう語っています。
「忠実では、上官は逃げ延びています」

その後、日本軍は、米軍相手に突撃し、玉砕しました。

台詞もなく、リアルな描写で、生々しい様子が描かれて物語は終わりました。

最後に、ナレーションでこう書かれていました。


「一体この陣地をそうまでにして守らねばならぬところだったのだろうか」
となりの陣地を守っていた連隊長の述懐





僕は歴史が好きなので、教科書だけの歴史ではなく、映画、ドラマ、本、漫画、インターネットなどで、戦争というものによく触れます。

戦争作品を見た際にいつも思うことは、

とんでもなく理不尽、ありえない、恐ろしいことが、普通に行われているということです。

なぜ兵士たちは、このような限界状況、理不尽の中、国のために必死に戦えたのか?

そう感じます。


しかし、この作品のあとがきを読むと戦争というものがどういうものだったのかが少し理解できる気がします。

「軍隊で兵隊と靴下は消耗品。兵隊は猫くらいにしか考えられていない。
多少なりとも現状に疑問を感じたり、上官に質問したり口答えすると殴り倒される。
質問や口答えしなくても殴られることが常態。そして身近に死がある。」



兵士たちが、国に残された国民たちが、

歯を食いしばって生き抜き、残酷にも戦争で亡くなり…

そんな何十何百万の方々のおかげで、今の日本がある。



僕らが、平和を享受できている。

僕らには冥福を祈ることしかできません。

そして、今後一切この日本で、世界で、戦争が起こらないことを祈り、
今自分に何ができるのかを考えることしかできません。


世界から戦争をなくす方法はわかりませんが、日本のために自分ができることはわかります。

選挙に行くことです。

選挙に行っても、変わらないかもしれませんが、

雀の涙のような一票でも、自分の意思を表明するということが大切なのではないでしょうか?


稚拙な文章をお読み頂きありがとうございました。





以下に、戦争に関する記事のリンクをはっておきます。

僕の文章の何十倍も分かりやすく、良いことを書いているので興味がある方はお読みください。

↓タップorクリックでリンク↓

五輪開催中の終戦記念日に考えたい「憲法と平和」

太平洋戦争は本当に避けることができなかったのか

武蔵が沈んだ「レイテ沖海戦」に何を学ぶか 「現代に通じる教訓」が3つ

水木しげる先生の戦争作品について1

水木しげる・戦争/玉砕、死んだ戦友
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 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

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