2016. 08. 19  
3章

↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?
←Ⅲ章4話へ
 | Ⅲ章6話へ→




「遅刻したくない!ほんまに遅刻したくない!」

それだけでした…


その、それはそれは熱い思いが、僕らに線路に降りて反対ホームに向かうという行動に至らせたのです。

電車の周囲1m四方に張り巡らされた敏感なセンサーは、何者かが線路に降り立ったことに気づき鳴き出したのです。

ファオファオファオ

「キャプテン!あれ俺らのせいやぞ!?」

「電車が止まってる理由は、駅員がセンサーの鳴る原因、異常を確かめるためや!」

走りながら事実確認を行います。

「あれは、あかん!音がガチ!戻るか?!」

「けど!戻ってどないするねん?!」

「戻ったところで…?」

「そうや!戻ったって、どうもならん!」

「あの電車のためにも
俺たちは間に合わなくちゃならねぇだろ!!?

約束しただろ?坂田主将と...

絶対間に合うって!!!」
(そんな約束はしていないし、主将は、僕らの名前も覚えていないでしょう)

「とにかく置いて行かれるのはあかん!
バスがでちまう、電車は、無視!」

「何もなかった!!」

201502151529420a8.png

(ONE PIECEより)


僕らは四肢がもげ落ちそうなほど全力で走り、体の至るところから汗が吹き出しました。

疲れで虚ろになる瞳の奥からは、「絶対間に合ってやる」という静かな闘志が湧き上がっています。

学校まで約700mの下り坂を転げ落ちるように爆走した僕らは、ドタドタと足音を掻き鳴らし、学校に到着しました。

テニスコートの前には、大型バスが止まっています。

「あれ?」

「誰も乗ってへんぞ?」

バスの中に誰も乗っていない様子に僕らは焦ります。
そんな僕らをあざ笑うかのように、バスの運転手は素っ頓狂な顔で斜め左前方を見つめていました。

'集合時間には、出発します'

そう言ったキャプテン坂田さんの言葉を疑い始めたとき、2階に位置する`オムニ`という芝生コートの方から

ポンッ

という軟式テニス特有の、気のない柔らかなポムポム音が聞こえてきました。


その音が、僕とキャプテンに'全ての状況'を気づかせましたが、僕らはこの目で見るまでまだ現実を信じきれません。

限界を超えた体力の中、階段を駆け上がり、オムニコートに入りました。


そこでは、稜北台高校のテニス部員が思い思いにテニスの練習をする姿がありました.

彼らの顔はなぜか、あぁなぜだか笑顔です。

僕とキャプテンは、青ざめた顔で 'クリココ' という名の壁打ち対戦をしているボブとたけけに尋ねました。

(クリココというのは、さよならクリーミーココアの略です。
壁打ち対戦で負けたものが、「さよならクリーミーココア!」と目の前で屈辱的に叫ばれて、
クリーミーココアを奢らされるというしんぷるな賭博です)

asd.jpg


「おいっ!集合時間=出発ちゃうん?!」

ただならぬ雰囲気で言い寄る僕とキャプテンに対して、ボブはいつものように飄々と答えました。

遅刻者多いからまだえーやろってなってる。
別に急ぐ必要ないから、今は自由に待機しとけってよ。」

たけけは言葉をつけたします。
「お前らも'クリココ'やる?」


集合時間=出発じゃないんかよっ!!!

それを先に言ってくれという思いが爆発しそうになりましたが、

'電車を止めてしもうた'

という事実が僕らの頭に重くのしかかります。

僕らが線路に降り立って電車を止めてしまったのは、部活動に遅刻をしないためという免罪符がありました。

「部活はけっこー大切やし、まあしゃあない」

そういう情状酌量の余地があったのです。

しかし、集合時間=出発ではないとなると、急ぐ必要が見当たりません。
僕らは勝手に慌てて取り返しのつかないことをやっちまったのです。

意気消沈した僕とキャプテンでしたが、2分後には忘れて、ラケット片手に'クリココ'を楽しんでいました。

この辺りの立ち直りの早さは、今後も俺たちバグジー親衛隊にとってネックとなってきます。


ちなみに後日聞いた話ですが、僕らが止めた電車にはあいつがいたのです。

先日、テニスコートで僕らを侮辱したあの仇敵...いもっち...



→2話 もっとええコート借りとけよ


彼も他校のテニス部員でしたので、僕らと同じようにバスで会場に移動する予定だったようです。

何らかの要因で電車が止まった状況では、さぞアワアワした事でしょう。
その原因が、稜北台高校の僕とキャプテンだったなんて思いもしないでしょう。

仇敵・いもっちの足止め果たしたということだけが、たった一つの勲章です。




次回予告

いざ、開幕!初のテニス公式試合
テニスの試合の応援とはいったいどんなものなのか...
燃えまくる6話!

8月26日(金)
→6話 初のテニス大会(1) 「燃えろ燃えろ」

→4話 電車止めちまう(2) 「線路に...降りよう!」


↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?



作者がギターで弾き語る5話エンディング曲
ネオメロドラマティック(ポルノグラフィティ)




俺バグ最後5

関連記事
NEXT Entry
少年野球の行進に、母や姉妹も参加?!時代の変化か...?
NEW Topics
【ルパン三世】 PART5 #23 銭形「俺はルパンの心を捕まえたいんだ…」
【ルパン三世】part5第22話「答えよ斬鉄剣」
特別編 第16話 温泉の素をぶち込めば…
【株式投資】「TATERU」 本日もストップ高!
【株式投資】「TATERU」 差金決済で売却できず!
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

カテゴリ
訪問者数
フリーエリア
頂点を目指せ!
ランキングに参加しています! 応援してくれる方はクリックお願いします!
検索フォーム
ブロとも申請フォーム