2016. 08. 28  
俺バグ延長戦Ⅱ章

毎週日曜日連載の「俺バグ延長戦(社会人編)」ですが、先週は作者体調不良により休載してしまいました。
楽しみにしていてくれた方、すみません。

本日は2話公開です。(2話目は21時頃アップ予定です)

←Ⅰ章十四話へ | 




研修2日目、俺たちに配布された敬語プリントを埋めてこいという課題が出た。
(プリントには、日常の言葉が書かれていてその横に尊敬語と謙譲語を書く欄があった。)

一夜明け、次の日、隣の席のはまちゃんに話しかける。

「うい。課題やった?」

はまちゃんは、当然なことを聞くなよという顔で俺をまじまじ見つめて答えた。
「もちろん。」

「いつやったん!?」

「昨日の夜かな?」

「え?自分の時間使って課題したん?サービス残業やん!?」
「いや、普通やろ。」

うちの職場は基本的に真面目な人が多い、というか俺が不真面目すぎるだけかもしれないが、周りとの感覚のズレを感じずにはいられない。
'場違いハミングバード'の予兆だ。

俺は'あちゃあ'という顔をしてはまちゃんに言った。

「俺やってへんわあ、見せてくれへん?」

'あちゃあ'とかいう顔をしているが誰かに見せてもらえばいいと思っていたので確信犯だ。

そんなクズの極み馬顔の俺を包み込むようにはまちゃんは、「ええよ」と言って課題を見せてくれた。

めっちゃ優しいっ!

蛍子ちゃんも相当の天使だが、はまちゃんもなかなかの天使だ。

もちろん性別の違いはあろうが...

蛍子ちゃんは容姿端麗現代の天使。
はまちゃんの顔つきは若干、古代ローマ人的なところがあるので、モンスターエンジンの神々の遊び的な天使さだろうか。
しかし、俺ははまちゃんというこんないい人を、古代ローマ顔とか言ったりなんて酷いやつなんだっ。


と思いながらも、はまちゃんの努力の結晶課題プリントを丸写しする俺はあることに気づいた。

「なあ、敬語の答えが2種類あるんやけどなんでなん?」
「だって2つのサイトみたもん。」

「どういうこと?」
「だから2つのサイトの答えを書いてるねん。」


「え?
1つのサイトみるだけでええやろ。2つも見て書くのめんどない?」

「いやもしかしたら、1つ目のサイトが間違えてるかもしれへんやん。2つみたら安心や。」

俺は仰天しすぎて咳き込んでしまったので、一度深呼吸して気持ちを落ち着かせる。

待て。
はまちゃんの作戦は余りにも手堅すぎる。この研修ってそんなガチで挑むものなんか?

極端に言えば、
1冊だけの教科書は信じられへんから
教科書2冊使ってます。みたいなことを言ってるんだ。(教科書とインターネットサイトの信頼性の違いはあろうが)


考えてみよう。
小学生が自分の机に、学校から支給された教科書と自分で買ったよくわからん出版社の教科書を置いている状況を想像してほしい。

先生「君なんで教科書2冊あるの?」
生徒「学校から支給された教科書だけでは信用できないのでもう一冊買いました」

先生は'こやつは油断ならぬ、小生意気な小僧め'と思うかもしれない。それと同じことだ。

俺はそこまで張り巡らせた考えを披露せず(まあきもいからな)はまちゃんに丁寧に語りかけた。」

「はまちゃん、この課題にそこまで気合い入れてしっかりやってんな。すげーな。」

「まあな。」
彼は最初のジムリーダータケシを倒した時のように嬉しそうな顔をしています。
1000101637_3.jpg


「でも、俺はめんどいから1つだけ書くわ。」

「お、おう。」
はまちゃんは、ピカチュウおるから余裕やろと思って舐めて挑んだ次のジムリーダーカスミに案外苦戦した時のような顔をしていました。

その日の研修最後のコマは班別活動だった。
与えられた課題に対して、班で話し合い、結論をパワーポイントにまとめて最終日に全員の前で発表するというものだ。


サービス残業が嫌な俺は、話し合いをなかば強引にまとめて、班別行動を時間通りに終わらせた。

そして、他の班の様子を確認するため、部屋を巡った。
どの班も時間を過ぎても話し合いを続けている「みんなまじめすぎやろ...」という思いを抱えながら歩いていると、はまちゃんと大門が所属している班の場所にやってきた。

俺は彼らに声をかける。
「はまちゃんは、大門君、班別行動どうなん?」

「楽しいよ。」

「ん?楽しい?いや、喜怒哀楽聞いてるわけじゃなくてさ」

「班がほんと楽しいねん。」

「おけ、楽しいのはわかった。パワポ作成はどこまで進んだん?」

「楽しいよ!」

班についてのどんな質問に対しても笑顔で'楽しい'としか答えないはまちゃんと大門君に対し、俺は核心に迫る質問を投げかけた。

「何がどう楽しいん?」

「なんか楽しいねん。」
「ちがうで大門君。
パワポのムービーが常に動いてる。それが楽しいねん。」

「ムービー?」

「そう。パワポのページ変更するやん?そんときに、やたら文字が動くように、津軽さんが設定してるねん。」

「あぁ、あの酒豪の女の子な。
けどなんでそんなんする必要あるん?」

「知らんよ。けど楽しいからええねん。
うちの班の発表楽しみにしといてな。」

おっけーgoogleと言いかけたテンションを巻き戻し、俺はクールに「了解」と言った。


ちなみに、研修最終日の発表の日、彼らの班のパワポは確かに無駄に動いていた。

文字が転がりながら出てきたり、異様に動いていたんだ。
しかし、そのパワポの動きを注視していたのは多分俺しかおらず、発表を聞いている大多数は、前のスクリーンではなく、手元に配られた紙の資料をみていた。

また、彼らの発表している姿は全然楽しそうではなかったが、パソコンを操作していた津軽さんは楽しそうだった。



次回予告

ぼす。
彼との出会いはとっしーを勇気づけた。
彼らは何を思い、この職場をどう変えようとしているのか?

8月28日(日) 2話連続公開
第十六話 `ぼす。`との邂逅 現代のピーター・パン現る




-俺バグ延長戦- 拝啓、いつかの君へ
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 




俺バグ延長戦
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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