2016. 09. 04  
本日も2話連続公開です!
俺バグ延長戦(社会人編)屈指の名場面をご堪能ください!!


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「ほんまごめん土下座するわっ!」

ヒョイッ...

「もう、ぅうちが怒るっゥッッー」

ちーちゃんのラケットがニコニコ笑うぼすの顔面目掛けて秒速50mで空を切り裂いた。

ブオゥッンッンッ


俺バグ延長戦Ⅱ章

第十七話 卓球拳-TAKKYUKEN-




研修3日目の晩、畳の部屋で飲んでいた俺とぼす。

「ぼす、そろそろ別の場所行きませんか?」
「そうやな!他のところを沸かしにいこか!」

「卓球場行きましょ!」
そして俺たちは、研修場の憩いの場、卓球場へ向かった。

走る必要はないがなぜか走って向かう理由は、とにかくテンションが上がっているからだ。
もちろん顔は謎に笑顔。

卓球場に近づくと部屋の窓から、蛍子ちゃんが卓球している姿を見かけた。

「おっ!蛍子ちゃんおるやんけっ!」

俺はテンションが158倍くらいになって部屋のドアをぶち開けた。
(もともと常人以上のテンションがさらに158倍。つまりもう、めっちゃ楽しい)


蛍子ちゃんの隣には、ちーちゃん。
同じ卓球台の対面には、畠山君とみっちー(今回登場新キャラ)が楽しそ〜うに女子と和気藹々とした卓球をしていた。

もちろん俺は嫉妬した。
「あの二人ええなぁっ...」ネタンデルタール人の誕生だ。

(というか浅倉さんに振られてから人を妬んでしかいない、常時ネタンデルタール人、いうたら常にスーパーサイヤ人状態だ)
dragon-Top.jpg


そんなとき、ぼすは何か閃いたのか、影のある笑みを浮かべて俺に囁きシローをした。

「とっしー行こかっ!ちょっと卓球拳するで!」

卓球拳...?

初めて聞くワードに俺は不安と妙な高揚感を覚えた。

「みんなういっす!
めっちゃ卓球したいからちょっと卓球代わってもらってええかな?」
若手芸人のような口調と雰囲気でぼすは言った。

「うん、いいよ〜」
ちーちゃんはいつも通りのテンション50(彼女は常にテンションの振れ幅が45〜55)で承諾してくれた。

「よっしやろか、とっしー!
卓球拳や!」

「ちょっと待って?卓球拳って何!?」

'ボーリング37G連続でしても物足りなさを感じる'以外は常識人の畠山君が疑問を呈した。

「野球拳の卓球版やん!
点を取られたら脱ぐ。それだけ!」

「そ、それ誰得なん?」
'高卒でありながら誰よりも冷静なお父さんキャラ'のみっちーが鋭く突っ込んだ。
彼の指摘はごもっともだ。俺たちが脱いで一体誰が喜ぶのだろう?

蛍子ちゃんは、「コイツらまじか」と戸惑いながらはにかんでいた。

はにかみかたが...
か、か、かかわゆい...


(って思ってる時の俺の顔はもちろん鼻の下が伸びてる。「とっしーキモいで」というギアルの言葉が頭に浮かぶ)


「まあとりあえずやろうや!」

ぼすは'ハァッ'と言いながら手をグッパさせ、俺は肩をグルグル回した。
およそ卓球には不似合いな準備運動
を終えた僕らは卓球台で向かい合った。

「とっしー行くで?」
「おうよ!」

ぼすは滑らかな曲線を描くように腕をしならせ、サーブを放った。

カツンッ

力のない打球はネットと抱き合った。

フサッ

トントントントン...

サーブミス...
飛んだ肩透かしかと思ったが、これはぼすの作戦だった。

「あぁっー!やってもたわぁっ」

彼はそう叫ぶと、恥ずかしげもなくTシャツを'脱ぎ脱ぎ'した。

ざわざわざわわざわざわ...



蛍子ちゃんとちーちゃんが苦笑いしながら目配せをしていた。
「この人、ほんまに脱いでる?」そんな感情なのだろう。
  ...ほんまに脱いでますよ。


「よっし!次は負けへんで!」
ぼすのサーブが俺の陣地をえぐった。

カンッ

「うわっ!」

点を取られた俺は、ぼすほど嬉しくはなれなかった。

高校時代はあんなに無駄に脱ぎまくっていたのにさすがに社会人になると脱ぐことに恥じらいを覚える。

これが成長ってやつか...?
でも別に脱ぐ。その辺が相変わらずのアホさ加減だ。

ぬぼっとTシャツを投げ捨て、華奢な体を晒している姿は、まるでジャンガジャンガジェンガジャンガ田中。

「ワ、ワ、ワワイの裸を、ケ、ケ蛍子ちゃんがみ、みてるやで...」
俺の心の中で変な関西弁が飛び出した。

皆さんに断っておくがここはビーチではない。
ベッドでもない。

実は俺はかつて、'ベッドの周りに何もかも脱ぎ散らす歌が主題歌の番組・ナイトスクープ'に出演したことがある。
しかしまさか自分が、コートの周りに何もかも脱ぎ散らすぶっ飛び研修生
になるなんて思ってもいなかった。

(ちょっと上手いこと言ったと思ってしまいましたが、たけけとボブならここで、'おもんないんじゃっ'と切れるでしょう、しかし彼奴らはここにはいません)


1点ずつとられ、上半身裸の二人が卓球台で向かい合っている。

「さあ、ドンドン行こかぁ」

ドンドンも何も、次の点数で確実にどちらかはパンイチになるのだが、ぼすはそんな心配をしていなかった。

むしろ、靴下という逃げの1枚をとっくの昔に脱ぎ捨てちまっているあたり彼の卓球拳に賭ける並々ならぬ思いを感じ取った。

一体何が彼を突き動かしているのか?
脱ぎたい一心?

いや違う、ぼすは天性のエンターテイナーなんだ!

そして、俺も誓った。
「この点数取られたら覚悟を決めてパンイチになろう。」

'パンツ1枚になっても構わない'2人の意志が交わった時、外で雷鳴が轟いた。 ゴロゴロッバッガッギャイんっ

それと同時に俺はサーブを繰り出す。

コンッコンッ
コッカッコッッン


と魂がぶつかり合うラリーが続く。

どちらが脱ぐか?
ラリー後半にはそんなこともうどうでもよくなっていた。

コンッ フワッアッー ヒュゥー

ぼすの放った打球は、フラフラと舞い上がりコートを超え遙か彼方へ飛んで行った。

「あぁっー!!」
ぼすは、脱ぎたくてしゃあない思いを堪えて悔しそうな叫び声をあげた。

目にも留まらぬ速さで脱ぎ脱ぎすると同時に、女子2人から悲鳴が上がっていたのを忘れはしない。

「キャッっ!」
「えっえっー!?」

彼はボクサーパンツ一丁になっちまったんだ。

変態なのか?勇者なのか?それは神のみぞ知る...
(俺の見解では変態に限りなく近い勇者)



「あかんあかんあかん!
ここ、研修場!
社会人としての心構えを学ぶ場所!
今朝、コンプライアンスの講義受けたところやんっ!」
「それはあかん!服は着よ!」

畠山君とみっちーは慌ててこの状況の異常さを指摘する。

平安美人ちーちゃんは、俺たち2人を振れ幅ギリギリ・テンション45のムスッとした顔で見つめていた。

その時、蛍子ちゃんが下を向きながら割と爆笑していたのを俺は見逃してはいない。
'鷹の目のミホーク'と呼んでくれ。
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「ごめんって冗談やん!」
「そうそう!海と一緒やん!」

「ここは海じゃない!」
「まあ気持ち的には海!みたいな?」

「ええからとりあえず服着て!」

ちーちゃんに言われた俺たちは少しシュンとしたフリをして畏まった。

3秒の沈黙後、ぼすは切り出した。

「ほんまごめんなっ!もう土下座するわっ!」
「そっすね!ほんますんません!」

「土下座まではいいよ〜」という言葉に甘え...ず、そっと膝を地面につけ、お殿様に相対するかのように蛍子ちゃんとちーちゃんと向き合う。

「ごめんなさいっ!」

頭をひれ伏し土下座した俺とぼす。
しかしぼすは、土下座しながら...とんでもないことをしでかす。

彼はひれ伏した頭を前方に押し出し顔を上に向け、蛍子ちゃんのスカートを覗こうとしていたのだ

'正面下方向から突然覗き魔が出現'するという稀有な事態に直面した蛍子ちゃんは、「えっ」という人間本来の驚き方で衝撃を表現していた。

そして、その隣では普段テンションの振れ幅が45〜55までのちーちゃんのボルテージが今にも、沸騰しかけていたのだ。
70.80.90.....


「もう、ぅうちが怒るっゥッッー」

ちーちゃんのラケットがニコニコ笑うぼすの顔面目掛けて秒速50mで空を切り裂いた。

ブオゥッンッンッ

ぼすはダンスで鍛え上げたのか、軟体動物系男子なのかはわからないが、ぐにゃっと背中を反らせ、顔面に迫り来るラケットから逃れた。

しかし、ラケットの風圧によって3mほど飛ばされていた。

ドンッッン

壁にぶち当たったぼすはその場にヘタレ込んだ。



次回予告

社会人の心構えを学ぶ研修中に、コンプラ3アウト級の事件をやらかした...
挽回の秘策を抱え、寒空の中、チャリをこぐ2人の男
俺たちは彼女たちの信頼を取り戻すことができるのか!?

9月4日 2話連続公開
→第十八話卓球拳〜つわものどもが夢のあと〜




-俺バグ延長戦- 拝啓、いつかの君へ
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 




俺バグ延長戦3
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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