2016. 12. 09  
3章

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「テニス用品をみにいこうぜ!」
ということでハーバーランドのスポーツゼビオへ入店したとき、

地元にあるプロ・サァーブ(常連の店)を裏切り、都会の量販店に来てしまった...
それを知ったプロ・サァーブのおっちゃんは涙で枕を濡らすだろう...

なんて背徳心を抱くこともなく、「ど田舎のプロ・サァーブとは品揃えがちげぇなっ。」とウキウキでゼビオへ歩みを進ませました。

「今日俺、用事あるから、あと30分くらいで帰るわ。」ぼくは一言断ります。
「おう。」ボブは目を泳がせながら生返事をしました。


ラケット売り場に来たとき、ボブは店員さんに話しかけました。

「ガット張り替えてくれますか?」

「1週間かかりますが、いいですか?」

「え?
プロ・サァーブのおっちゃんなら、1時間で張り替えてくれるんすスけど?」

予想の斜め上をいくまさかの反論に驚いたのか、店員さんは平べったい顔全体を目一杯横に揺らして言い放ちます。

「うちは1週間かかるんです!
その'プロ・サブゥ'とやらが暇なんちゃいますか?」


「おけっす。もうええっすわ。」
そういって、ラケット売り場から離れます。

「'プロ・サブゥ'ちゃうわ、'プロ・サァーブ'やんな。」
「けどあの店員が言うこともわかるよな。」

「たしかにプロ・サァーブのおっちゃんの店に、俺ら以外の客が来るの見たことない...」


そんな話をしながら歩いていると、上着エリアにたどり着きました。

「みんな練習着って自由に着てるよな。」
「おれらもそろそろオリジナルの服を買うか。」

どれがええやろ。とシャツ売り場をうろついていると、キャプテンがあるTシャツを持ってきました。

「とっしーこれめっちゃええで!」

黒を基調とした中で、背中のど真ん中に真っ黄色の文字が描いてあったそのTシャツ。

「これのええところは背中刻まれた文字や。ほらみろよ。」

ー自己打破ー

そこにはたしかにそう書かれていました。


「かっこええやん!」ボブも助長してきます。

「なんか腕の袖めっちゃくちゃ短いし...」必死でこのシャツの変なところを探すぼく。

「こんなにかっこいいのに買わへんの?」

「やめとくわ。」

「もったいねー。
こんなにかっこいいのを買わんやつがこの世界におるはずないやろ。と思ってたら、まさか俺らの隣におるなんてな。」
「ひぇっ。こわっこわっ。」

「じゃあ、勧めるお前らが買えよ。」

「おれらはあかんって。こんな'かっこええ'の買っても似合わへん。
とっしーにしか似合わへん代物や。このシャツはな。」

元々細い目をさらに細めながら「...トイレ行く。」と言ったぼくは、その場からさっと抜け出しました。

後方からは、これでもかと言わんばかりの煽り声が聞こえてきます。

「あー結局買わんのか。もったいねえな。」

「よせって、あいつは所詮チャンスを活かしきれんやつなんや。」


5分後...

彼らの元へ戻ったぼくの異変に気付いたボブは素っ頓狂な声をあげました。

「とっしー、なんか黒いTシャツが透けて見えるぞ。」

「もしかして、あのシャツこっそり買って、トイレで着替えてたんか?!」キャプテンの鋭い質問。

ぼくは黙って彼らに背中を向けました。そして、白いカッターシャツをバサッバサッと脱ぎ捨てます。

自己打破

背中にはその文字が刻まれていました。

「なんで買ったん?」

「これさ。テニス用じゃなくて、どう考えても陸上部用やん。」

「え?」まさかのカミングアウトにぼくは目が点になります。

「着てもてるから返品できんで。
てか袖短けっ。だっせ!」

「テニスって相手があるスポーツやん?どう自己打破するん。」

畳み掛ける2人の言葉は、
「自己打破かっちょえぇっ!」と勘違いしていたぼくの酔いを醒ますには十分でした。
膝から崩れ落ちた途端言葉がこぼれ落ちます。

「うわぁあああ!!!」

不甲斐ない自分を自己打破したいと思った出来事でした。


TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

鳴り響く親父からのTEL
口論する3人
決断を下す間も無く悲劇は訪れる...

12月16日(金)
→22話 嘘つき少年、現る

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作者がギターで弾き語る21話エンディング曲
Hello! Good-Bye!!  




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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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