2016. 12. 23  
「オメェッ!'あきち'かっ!」

「'あきち'ってなんやねんっ!!」


2016 23話

↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?
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'嘘つき少年事件'を終え、西桜ヶ丘駅に帰ってきたときの出来事です。

ぼくは渇いた喉を潤そうと、自販機にお金を入れ商品を選んでいました。
横列に陳列された数十のジュースを眺める幸せを噛み締め、「どれにしよっかな〜」と声を裏返しながら笑顔で悩んでいると...

ガコン

鳴り響いた音に嫌な予感を抱き、そっと腰を下ろし取り出し口に手を伸ばします。

「あっちっ!」
そう言って取り出したのは、
真っ黒な器に包まれたブラックコーヒー。ベラボーに熱い。

熱いブラックコーヒーを掴み、釈然としない顔をしているぼくに、ボブは語りかけます。

「押したのは、俺や。」

「なんで勝手にボタンを押すん?」彼に問いかけました。

「押したかってん。」

「いや、俺が選んでたやん。」

「すまん、つい手がでてもた。」

ならしゃあない。
もうええからこのブラックコーヒー飲めよ。」

「いらん。
初夏の6月に誰が熱いコーヒー飲むねん。」ぼくが手渡したブラックコーヒーを、ボブはさっと払いのけます。


「いや、ボブが押してんからボブが飲めよ。」

「そんな苦汁飲めっか。」

埒があかないと思ったぼくは、ブラックコーヒーをゴミ箱に捨てようとしました。

「捨てるなって。」
そう言ってゴミ箱の入り口を塞いだのはキャプテン、常識人らしい常識行動です。

「そんなこと言ったって誰も飲まんねんから捨てるしかないやん。」

「捨てるのはあかん。もったいない。」

「じゃあどうするねん?」

「道行く人に.....あげよう!」

無題-24bitカラー-01


一瞬眉をひそめたぼくですが、行動力だけは世界チャンプです。

即座に通りかかった中学生を呼び止め、ブラックコーヒーを渡します。

「えっえっえっ?」戸惑う中学生にぼくは、

「大丈夫。そこで買ったばっかや、安心しろ。」
という、どう聞いても安心できない台詞を使います。


街角調査隊(どんな髪型が似合うか聞いた第2話)での経験からか、道行く人に声をかけることはぼくにとってはお茶の子さいさいなのです。


気を取り直して、もう一度自販機の前に立ち、お金を入れる前に商品を決めました。
「よし。」
そしてお金を入れた瞬間...

ガコン

ぼくの真横から手が伸びてきたと思った瞬間に音がなっていました。
今度はキャプテンが押しています。

取り出し口を確認すると、またもや...

熱い!!
そう、ブラックコーヒーです。

「なんで買ってん!お前が飲めよ!」

「いらん。」

「じゃあ、なんで押してん!?」

「押したかってん。」

「は?それだけ?」

「そう。」

「ならしゃあない。」(理解ええなあ)
このあたりからぼくはイライラしており、語気が荒くなります。
イライラをしながらも、そばの高校生をみつけて、ブラックコーヒーを渡すという作業さ怠りません。15歳プロの独身ですから...

「もう押すなよお前ら!
俺はジュースを飲みたいんや!」

「わかった。わかってる。」
と言いながらもボブとキャプテンは自動販売機の目の前にぬりかべのように張り付いています。

「離れろよ。そんな自販機前におるなって!」

「俺らこの場所がめっちゃ好きやねん。」
「せやせや。」


「好きならしゃあない。けど、ボタンは押すなよ?!」

そして、3度目。
ぼくは10円玉2枚を投入したあと、ぐっと息を飲み込み、一塁ランナーを牽制する投手のように彼らを睨みつけるや否や、もう一枚の硬貨を投入しました。

ドンドンドドンドンドン

真横ではボブとキャプテンが、ブラックコーヒーのボタンを連打していたのです。

しかし、ブラックコーヒーは吐き出されません。
ぼくはニヤつきながら、

「お前ら騙されたな。俺が入れたのはなぁっ!
10円玉や!!値段足りひんのや!」


「な、なんて奴やっ!」
「卑怯者がぁっ!!」

2人は謀られた腹いせか、容赦なく罵声を浴びせてきます。

「ひ、卑怯?」ぼくは15ラウンド戦い尽くした直後の長谷川穂積のような顔になりながら力なく呟きます。

「俺らを騙してフェイク入れるなんてな。」
「とっしーがそんな極悪人やなんて思わんかったわ。」

一泡吹かせたつもりが、ボロカスに罵られてしまい、ぼくの精神状態はみるみるうちに悪化して行きます。


「いこいこっ。こんな卑怯者おいて帰ろうや。」

この隙に好きなジュースを買えばよかったのでしょうが、そうはしませんでした。

「待て待て待てっ!
今度はちゃんと100円玉入れる。
正々堂々勝負や!!」


当初の趣旨を忘れ、ぼくは彼らに勝負を挑みます。なにが'ちゃんと'なのかはわかりません。

この戦いに勝つメリットなんてありません。飲みたいジュースを飲むために、恥を忍んで戦いを挑むのです。

しかしよく考えると、ボブとキャプテンでさえも勝つメリットはありません。
かれらは自分が飲みたいジュースを押しているわけではなく、飲めもしない熱いブラックコーヒーを押しているのですから。

じゃあこのイベントで誰が得するのか?
近くの中学生!?

いや、初夏にブラックコーヒーを渡されるという謎イベントにメリットなどないでしょう。


ぼくは冷静さを取り戻し、彼らにつっかかります。

「てかこれさ?俺の金やで?
俺の飲みたいジュース飲ませてくれ。」

「俺らより早く押せばええだけや。」

「いや、俺がお金を投入するより前にお前らボタン連打押してるやん?

「それに勝てよ。」


「いや、お前らがボタン押すなよ。」

「押すよ。俺らは絶対押す。」


「俺に、恨みでもあるんかー!?」
謎の'絶対押す宣言'にぼくの怒りのボルテージはみるみるうちに上がります。
それは怒りの許容範囲の限界手前でした...

怒りを押し殺し一瞬冷静さを取り戻したぼくは、500円玉をさっと取り出し即座に投入します。

(これで意表をつけた!今回こそ...)

ガコン


中身を見ると、そこには熱い缶が...

うぅアッアッアウァアー

ボブはぼくの意表をついた行動にも反応していたのです!
ぼくは思い通りにならない現実に打ちひしがれ、狂ったように叫び出しました。

「ッジューズをぉがわぜろゃあぁあー!!」

膝を落とし、半泣きで叫ぶ少年を、悪魔のような2人は、半笑いで慰めます。

「とっしー。この世界はそういうもんなんな。」

グギギギギと歯をくいしばったぼくは、まだ諦めず、もう一度硬貨を投入します。

ガコン

ブラックコーヒーッ!!

うわっ!
チャリィーン

ガコン

ブラックコーヒーッ


足元に散乱する熱めのブラックコーヒー...
暮れていく夕日...


キチ◯イみたいになってまだ買おうとするけど、一向に買えへんやん。」

この事件の張本人のボブとキャプテンが驚いている横で、真夏の甲子園で完投したかのように肩で息を吸うぼくは叫びました。

「もうええ!
ジュースなんていらんわ!」


恥を忍んで逃げるぼくに2人は容赦なく煽り続けます。
「あきらめるんか!?」
「ここまできてもうやめるん?」

「諦めるとかの問題ちゃうやろ!こんなわっけわからんイベントやってられっかっ!」

修羅場のように真顔で叫ぶぼくにキャプテンは冷静に語りかけました。

「キチ◯イのように諦めるな。
それはまるで諦めキチ◯イ、
略すと'あきち'や」


ボブは口をとんがらせて驚きます。
「...オメェッ!
'あきち'かっ!」


「'あきち'ってなんやねんっ!!」

怒りのボルテージが爆発したぼくは500円玉をとりだして握りしめます。


「くっそーー。
これが、これが最後じゃああああ!」


チャリぃーッッン

硬貨は甲高い音をあげて、'飲み込んで吐き出すだけの単純作業繰り返す機械'に吸い込まれました。

ドンドントダンドドドン

機械の前でボタンを連打する3人!!!

ガランッ

.....

.....

.....

ブラックコーヒー!!!

「ぐぅあわぁっっー!もうやめるぞ!」

「じゃあなっ!
あきちっっ!!!」

「クソッタレェェェー!!!」


TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




2016年の俺たちバグジー親衛隊は今回の話でおわりです。
2016年2月5日から連載してきましたが、いかがでしたでしょうか?

来年はもっとおもしろい話を書いtえ、皆様がほっこり笑えるような作品を
毎週金曜日に届けていきますので、よんでいただけるとうれしいです!

次回予告

これぞ俺バグ!という話が2017年のスタート!

1月6日(金)
→24話 「ルーキーズ」

←22話 嘘つき少年、現る


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作者がギターで弾き語る23話エンディング曲
Hello! Good-Bye!!  






俺バグ最後10
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

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