2016. 03. 31  
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12時集合、桜ヶ丘駅。
俺は集合時間に家を出た。 今日は菊水山に登る予定だ。

社会人としてはありえないが、俺たちは集合時間に家を出るという風潮があった。
俺は12時10分駅に着いた。
しかし、5分経っても誰もこない。

「お前らまだか」ラインで急かしてみる。

後輩のあくまが、言った。
「すいませんやっちまいました」

きゃぷてんもすかさず言う。
「ごっめーん やっちまった」

やっちまうってなんやねん。
悪魔も、きゃぷてんも寝坊したようだ。

俺は駅隅のガードレールの石柱に腰掛けて待った。

どうせあいつらは集合に間に合わんやろうと思い俺も遅めに行くが、あいつらは予想の斜め上を行く遅刻をする。
高校時代と全く同じや。

これこそ最後のバグジー親衛隊に相応しい。

ちなみにボブはいない。彼女と予定があるらしく夜から合流する。


結局、きゃぷてんは12時半にやってきた。

きゃぷてんは開口一番俺に語る
「え?季節外れのでかいガウン着て、そんな端っこに座ってたらほんまにホームレスみたいやで。」

「そんなホームレスっぽいかなあ?」

俺の疑問にきゃぷてんは答える。
「俺さ、先週フランス行ってきてん。
 あの人ら家族ぐるみでホームレスの場合もあるし、基本的にキレてる。」

「なんでキレとん?」

「歩行者が金くれんからや。あの人ら大概犬を連れてる。歩行者に犬を可愛いと思わせて、金を恵んでもらおうとしてるけど、
 歩行者もそれを見透かしてるからな。お前のそのかっこはそんなフランスのホームレスとなんら変わらんぞ?」

「ふ、ふむ。」
ホームレス扱いされたじろぐ俺にきゃぷてんは続けます。

「服がださいねん。今からダイエー行って500円くらいで買お。」

「500円の服とかもっとださいやん」

「けど、その服は捨てよな?菊水山登って山頂に置いてこよ」

「せやな」


「あくま(後輩)早くこんかな。2人組はあかんで。ホームレスコンビと思われちまう...」
そんな話をしていると、あくま(後輩)が来た。

「さーせんっ、とちったっすわ!」

「何時やと思てるねん?50分遅れやぞ!」
責める俺に対しきゃぷてんは謎に励ます。

「それが普通や。今後もこのままいけよ」


そして、腹ごしらえに飯屋に入った。

俺は切り出す。
「てか今日ってバグジー親衛隊最後の日やで?なんでボブは来んのや!」

「ボブは普通やろ。今日の集まりなんてたいしたイベントやない。」

冷静に言い放つきゃぷてんに俺は声を荒げた。

「俺なんて先輩の誘い断って、今日きてんぞ!」

「それはとっしーにとって今日の優先度が高かっただけやろ。ボブにとっては違うかった。それだけや」

ボブが来ないことに拗ねる俺にきゃぷてんは言った。

「とっしーはさ。嫉妬心が強いんや。それじゃ、しんどいぞ。俺から2つアドバイスや。

'他人に期待をするな'
'他人と比較するな'
これさえあれば人生が楽になる。'最強のメンズ'になれる!」


最強のメンズ...

俺はきゃぷてんの言葉を噛み締めた。
「俺は知らず知らずのうちに人に期待して、自分と比較してたんやな。これじゃいけねぇぜ。」



そして3人は菊水山へ向かう。
が、俺以外の2人の足取りは重い。

「なんで山登るん?ほんまに行く?」

「せんぱーい、しんどいっすわあ」

「ええから行こう!高校の時、菊水山山頂のベンチに'たけけはびびって帰りました'って刻んだやろ?あれを確認しに行こう」

俺は先陣を切り、菊水山へ進路をとった。そして、軽口を叩きながら、山に登り始める。

「そういや、きゃぷてん最近、何しとん?」

「動きたいけど家から動けん。重力が強すぎるんや。動こうとしたらググググッと力かけられてなあ。」

「重力っすか!俺なんて毎日部活しかしてないっすわー。」

山も中腹に差し掛かった頃に、きゃぷてんがフランス旅行の話をし始めた。
「俺らは格安航空で行ったからな。
関空から直行なんてあらへん。関空からドバイで乗り継いだ。ドバイの金持ちどもを横目にみてな。
飛行機から飛行機を変える時にバスの移動が一生続くんや。

んで、友達が大便したくなってな。

チップスターの箱を持ってた奴がいて、
'ここに入れろ!ここに入れろ!'

そう言うてる間にフランスに着いたわ。」


そうこう話しているうちに頂上に着いた。

この日は日曜日。ガチな服装の登山家と数多くそれ違いながらも、
山を舐めたカジュアルな服装の俺たちは山頂へたどり着いた。

高校の頃、菊水山山頂のベンチに刻んだ
'たけけはびびって帰りました'

この文字は消えていた。

あの頃の思い出が消えていて悲しくなる。
「もう高校時代とは違うねんな」

そんな陰鬱した気持ちを山頂からからの眺めが癒してくれる。
神戸の景色が一望できる場所こそ菊水山の山頂だ。

ポートアイランド、六甲アイランドを指差してきゃぷてんは言う。
「あれは人間のエゴや。」
「六甲山の土をベルトコンベアで運ぶとかやりすぎやんなあ」

俺はふと、記念撮影がしたくなった。
「みんなでこの神戸の景色をバックに写真撮ろうぜ!」

「服ダサいからいやや。裸ならええで。」

きゃぷてんは真顔で言う。

「あーったよ」
俺は上着とシャツを脱いだ。


「ひっえっえほんまに脱ぎよった」

「こわっこわっ、先輩正気っすか?」

「お前が脱げって言ったんやろがあ!」

ガリガリな肉体を山頂に晒し、俺はムキムキになることを誓った。

「あ、てか早くとっしーのださい服捨てよ。」

「捨てる場所よ!捨てたとしても帰り寒いやんけ」

最もお洒落な服をしてる後輩のあくまに俺は言った。
「じゃああくまの服くれ。」
「マジっすか先輩。今だけ貸すだけっすよ。」

俺はお洒落なあくまの服を羽織り上機嫌に言う。

「かっちょええなこの服!もらえるとか最高や。」


適当な事を言いながら俺たちは下山した。
が、高校の時のようなウキウキはそこにはなかった。

きゃぷてんは言う。
「そらそうや。あの時は、なんか知らんけどおもろくなるねん。俺らはもう大人になったってことやな」

ちなみにこの登山で、終始、行動が謎だったのはきゃぷてんだ。

ジュースとかお菓子をすぐポイ捨てするのに、(それを拾う俺)
人とすれ違ったら真っ先に挨拶をする爽やか青年。

悪人か善人か?

俺たちは寂しさを感じながらも、駅に戻った。
途中、ゲリラ豪雨が俺たちを襲ったが、これも最後の日にふさわしい洗礼だ。




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-俺バグ延長戦- 2016あれから君は テーマソング
あれから君は / 芹澤廣明



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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

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