2017. 04. 28  
3章

↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?
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2009年8月1日(土)
その日は、世界中の青空を全部神戸に持ってきてしまったような、すばらしい夏日和でございました…

今日はテニス総体の団体戦が開かれる日です。

ぼくらの地元、西桜ヶ丘のひまわりの丘テニスコートに神戸市各地から精鋭のフリしたテニス小僧共がどやどやと集まります。

風邪ひきマスク男や、主将坂田さんなどの奮戦もむなしく、対して見せ場もないまま稜北台高校はあっさりと敗北しました。

風邪ひきマスク男というあだ名は、マスクをして風邪引いた雰囲気を出して練習をサボって帰宅するも、帰り道にマスクを外して友人と、'とびきり'の笑顔で話していたことに由来します。

その情報は、同じく練習をサボったギアルからもたらされています。

「あの先輩サボってるくせによおっ、めっちゃ楽しそうに話してた!」
憤慨しているギアルに、「お前はサボって楽しくないん?」と聞くと、「え?あっ!楽しいわっ!」と、驚いているくらいに世界は平和です。

稜北台高校は一回戦で敗北しましたが、墨谷高校や神戸一高は、順当に勝ち残っていたので、皮肉にもぼくのチュウトハンパ理論話してた的中したことになります。

もちろんぼくは、敗北したあとキャプテンに「チュッゥットハンパやで」と耳打ちするのを忘れませんでした。


敗北した結果として、3年生は1人を除き全員引退します。

'1人を除き'

1人はなぜ引退しないのかと言うと、もうすでに引退していたのです。
フライング引退、俗にいう'フラ引'です。


どうでもいいことを厳密に説明すると、2週間前に行われた個人戦に負けたペアは、そこで引退です。

しかし、チームとして団体戦が残っている以上、個人戦に負けても、引退はしないという暗黙のルールがありました。

日本人特有の「空気を読む」というやつです。

しかし、それを破り、ただ一人引退した人がいました。

そう、みんな大好き、灘さんです。
(誰やねんと思った読者の方、正解です。なにせ初登場)

ぼくにキレた八木さんのペアです。
←Ⅱ章 PART6 AM I BIG FACE!?(2)

彼らのペアが負けたあとの全体練習、灘さんは練習に来ました。

つまり、灘さんは個人戦に負けた後も引退する気はなかったのです。
これぞ、空気を読んだ結果。

しかし、この日偶然にも、ペアの八木さんは学校を休んでおり、八木さんが練習に来ていないことを知った灘さんはとても悲しそうでした。

その次の日、八木さんは部活に来ましたが、灘さんはいません。

八木さんは、「あれ?灘は?」とチームメイトの3年生に尋ねますが、「知らん」という回答を聞くや否や「そっか」といい、飄々とした顔つきで練習を始めていました。

悲しそうな昨日の灘さんとは大違いです。

灘さんは次の日もその次の日も練習に来ませんでした。

灘さんは、「ペアの八木はいない。1人で練習にきても仕方ない」と思い、'空気を読んで'引退を決めたのです。

ダブルスが基本の軟式テニスにおいて、ペアのいない3年生が1人で練習に来たら他の部員に迷惑がかかると灘さんは思ったのでしょう。

対して、八木さんは、灘さんが勝手に引退を決めたと思い込むも、自分1人で練習に参加しました。

'空気を読まない'八木さんはペアが不在でも1人で強烈なサーブを放ち、楽しそうにしていたのです。
ぼくらのようなテニス初心者の一年坊に鬼のようなサーブを放ちドヤ顔を決めてくる大人気なさが八木という男でした。
もちろんぼくはそんな彼が大好きです。(ホモ?)

サーブが心底楽しそうな八木さんには、灘さんのことなど頭になかったのかもしれません。


たった一度の八木さんの欠席が与えた灘さんへの誤解。

熱い青春物語ならいざしらず、'上手いフリ'をするだけのなんちゃってテニス部にはうわべだけの友情しかないので、(灘さんはクラスメイトにテニス部員がいなかったことも不運)この誤解が解かれることがなく、団体戦の日を迎えます。


団体戦終了時に、神戸大学を目指す秀才、八木さんは言いました。
「さあ、これで受験勉強に集中できるな!
そういや、灘は早めに引退してたから、もう勉強に打ち込んでるんか。

あいつせこいなあ」

「そうやなあ、灘、せこいなあ」
「せやせや」
他の3年生達も口々に灘さんを批判しています。

そのころ、灘さんが家でガタガタ震えているなんて誰が知っているでしょうか。
空気を読んで先に引退したものの、団体戦に出ないことに灘さんは罪悪感を感じていたのです。

空気を読んだつもりが読めていなかった。

思い込みと意思疎通不足が生み出したひと夏の悲劇はこうして幕を閉じました。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

長い長い夏休み...
「キャンプいこうや。」
「ええなあ。」
「とっしーは、キャンプ行きたいなら、だれか行けよ」
「行くってなんやねん?」
「告るってことに決まってるやん」

5月12日(金)
→35話 世界で一番長い日(2) 「キャンプ行く=誰か行く」

←33話 チュゥーットハンパヤデェ


↑【目次】Ⅲ章 どでかい花火で人生終幕?

次回はGW明けでございます。
皆様、良いGWをお過ごしください!

 



エンディング曲
やっぱ I love you  




俺バグ 文末 乞うご期待 (19)
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
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