2017. 05. 12  
3章

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昼過ぎに団体戦が終わり、そのままひまわりの丘で現地解散となりました。

部員たちはバスに乗り、最寄りの西桜ヶ丘駅へ向かいますが、ぼくらはスーパーマーケット・万代へ向かいます。

円卓テーブルに座り、弁当を平らげ腹ごしらえを済ませると、時刻はもう14時です。

「総体も終わったし今から本格的な夏休みやな。
せっかくやし、夏はでっかいイベント起こそうで」
キャプテンがキャプテンシーを発揮します。

でっかいイベントという言葉に心踊りましたが、でっかいイベントというものが思い浮かばないぼくとは対照的に、ボブはさらりとした妙案をだしました。

「キャンプいこうや。」


「キャンプ!ええなあ。」

喜ぶぼくを遮るかのようにボブは釘を刺します。
「けど、とっしーは、
キャンプ行きたいなら、だれか行けよ」


「行くってなんやねん?」

「告るってことに決まってるやん。
キャンプに行く=とっしーが誰かに告る」

「なんで告らなあかんねん!」

「こんなもん常識やろ。」

「どこが常識やねん!」
ぼくは脳を通さない脊髄反射のようなスピードで突っ込みをいれますが、気持ちは収まらずさらにヒートアップします。

「キャンプの参加と、俺が告ること、関係がないやろ!」

「関係のあるなしじゃないねん。
そういうことなんや。」


「どういうことやねん!意味がわからへん!」

ぼくとボブの討論を黙って聞いていたキャプテンでしたが、ここでまたしてもキャプテンシーを発揮します。

「とっしーが誰にも告らへんなら、
お前抜きでキャンプに行く。
それだけや」

「なんでそうなるねん!
百歩譲って、俺が告るのはよしとしよう。
なら、お前らも告白せえよ。俺だけ告るなんて不公平や!」

「おれらはいかんよ。とっしーだけが告る。」

「なんでやねん!」

テーブルを叩きつけるとドンッという激しい音がスーパーマーケットに響き渡ります。


理不尽を押し通すボブとキャプテンとの討論は続きます。

「まあ、とっしー落ち着け」騒動の発端のボブは至って冷静です。

「なんで俺だけ告白せなあかんねん!いつもこういう嫌なイベントは俺の役目やないか!」
ぼくはここまでの不満がついに爆発します。

「そういうのじゃないねん。
キャラや。」

「キャラ...?」ぼくは気の抜けたたんさんのような声をあげます。

「俺とキャプテンが女の子に告白しておもろいか?
いや、おもんない。
とっしーが告白するからおもろいねん。」

'おもろい'という言葉を使われると、なぜか自分が褒められているようで嬉しくなるぼくは少し笑みをみせます。

そんな一瞬の変化を見逃さないボブは、ここぞとばかりに理詰めを始めます。

「俺やキャプテンが告っても、振られればただそれで終わり。成功すれば、ちょっと嬉しい。いまいちインパクトがない。
その点、とっしーが告ると、成否に関わらず、まあおもろい」

「告る理由はわかったけど、だからって告白せなキャンプ行けんとかは、意味がわからんぞ」

「キャンプ行くとかそういう条件をつけないと、とっしーは告らへんやん」

キャプテンとボブの説得に気持ちが傾きかけたぼくですが、1つ気づいたことがありました。
まさかと思ったそのは事実を恐る恐る問うてみるぼく。

「お前らってさ、俺の告白の成否よりも、おもしろさを重視してないか?」

「せやで。」

「ぶっちゃけ俺らはなあ。
おもしろければなんでもいい。
とっしーが彼女できようが、できまいが、どっちでもいい。
ただおもしろくあってほしい。
それだけや!
なあキャプテン!」

「そうやで」

笑い至上主義...
衝撃的なこの'告白'にぼくは戸惑いを隠せませんでしたが、戸惑ったところで彼らの要求は変わりません。

平行線の議論の解決策は1つしかないのです。

「わかった。告白すればええんやな」

「さすがとっしー。やっと決意してくれたか…」

「で、だれ行くん?」

「一人しかおらへんやろ」ぼくは当たり前のように彼女を思い浮かべました。

「誰?」

「浅倉さん。」

「浅倉さん?
この前、とっしー振られたばっかやん」
「振られてから仲良くなったん?距離は縮まったんか?」

「全くなってない」

「じゃあやめとけって、他の女の子いけよ」正論を突くボブ。

しかし時に、正論というのは人に拒絶反応を起こさせます。

「いややあ!!!おれは、おれは、浅倉さんがええんや!」


「いや、無理やろ?
せっかく告るのなら、いけそうな人にいこうや」

「いややいややいやや!
俺は浅倉さんじゃないと嫌なんや!

駄々をこねるぼくに、キャプテンは冷ややかに提案します。
「プーは?プーに告ろう」

プーというのは、ぼくとボブの小学校時代の同級生、キャプテンとボブの中学生時代の同級生です。
容姿や性格を例えるならドラえもんのジャイ子のようでした。

「プーはさすがに、やめたろ」苦笑しつつも、温情采配を振るうボブ。

そのとき、ぼくの心に火がつきました。

「決めた!おれは浅倉にもう一度告る!
そして成功して、お前らとキャンプにも行くんや!」


前回はスーパーマーケットCOOPで告白し、今回はスーパーマーケットまんだいで告白するという少年。

スーパーという主婦が日常の買い物をしている場所で、15歳の高校生が携帯電話に思いを込めて告白しているのは、広い日本でもぼくくらいでしょう。

頭に浮かぶままにシンプルな思いを文章詰め込んで、今回は躊躇なく送信ボタンを押しました。

「浅倉さん。5月に告白して振られたけど、今も浅倉さんが好きです。
ぼくと付き合ってください」


メール送ったぼくはなぜか妙に誇らしい気持ちになりました。
「どうやろ?告白成功するかな?」

にこやかに笑うぼくに、ボブは真顔で言います。
「絶対無理やで。」

キャプテンも真顔で言いました。
「けどさ、キャンプいけるからよくない?」

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

告白の行方は?
そして、大事件、バイナイが勃発!

5月19日(金)
→36話 世界で一番長い日(3) 「これがバイナイってやつか…」

←34話 世界で一番長い日(1) 「空気を読めば」 

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エンディング曲
やっぱ I love you  




俺バグ 文末 乞うご期待 (5)

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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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