2017. 05. 19  
3章

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ぼくはまたもや、メールで、行きあったりの告白を行いました。
ドキドキ待っていること10分、わりと早く返信が届きました。

浅倉さんからのメールには…

「好きっていってくれるのは、とても嬉しい。ありがとう」

文面を見たぼくは喜びを隠せません。

これはいけるっ!ありがとうやって!心が踊ったのもつかの間..
その下の文面は...

「武田くんは`いい人`だと思うけど、付き合うことはできません。
ごめんなさい」

いい人!!!
二度目!!!


99%振られるとわかっていたものの(じゃあ、告白するな)、いざ振られると、やはりショックです。

心の中で叫ぶ思いは言葉に出ず、ただただ擬音語を発しました。

「うわぁあぁああえあー!」

叫ぶぼくをみてあざ笑うボブとキャプテンは、ぼくをにこやかに慰めます。
「まあええやん。キャンプいけるし!!!」
「キャンプいけるってええなあ!」

→✈→✈→✈→✈→✈→

キャプテンとボブは、意気消沈しているぼくの背中を押しながら語りかけます。

「とっしー、ショック受けてる振りせんでええって」
「振られるってわかってたやろ?」

そしてぼくらは、スーパーまんだいを出て、ロータリーという駄菓子屋へ向かいました。

振られたあとというのは、駄菓子を食べたい気分になるのです。

朝早くから部活をしていたので疲れ切っていた高校生3人は、'のむんちゅ'

DSC_0547.jpg

というお菓子を買って、駄菓子屋の横に座り込みます。


灼熱の日差しと朝が早かった疲労が、ぼくらに異変を起こさせたのです。

「なあ、キャンプについてやけどさ。」

「…..」

「…..」


ぼくの問いはキャプテンとボブの耳に届いているにも関わらず、彼らの表情は上の空です。

「おい聞いてるんか?」

不安がったぼくは彼らに問いかけます。

問いかけに対してボブはこう答えます。

「うるさいぞ」

ぼくはカチっときます。
「うるさいってなんやねん!キャンプについて話し合おうや!」

「あー、もううるさい!
バイナイするぞ。」

「バイナイってなんや。」

「バイナイするぞ??」

「だから、バイナイってなんやねん!?」

バイナイの意味がわからず、大声で問いかけるぼくに、ボブはしびれを切らしたように吐き捨てました。

「こいつぁいけねえや。もうバイナイしよ。
とっしー、もっかい聞くけどバイナイしてええんか?」

「だからバイナイってなんやねん!

ええよ!バイナイしてみろよ!!」

バイナイしてみろよ!
そう叫んだぼくをじっとみつめたボブとキャプテンは、二人でハモりました。

「バイナイしまーす」


バイナイ宣言をした2人は、のむんちゅをちゅぱちゅぱしながら、ぼぉっとした顔で空を眺めています。

一風、何も変わっていません。
バイナイとは一体、なんなのでしょうか?

ぼくは再び尋ねます。

「なあ、キャンプどうするん?」

「...」

「...」

「おい聞いとんかお前ら!?
もう夏が始まる、キャンプどうする??


反応してくれよ!」

「........」

「........」


ボブとキャプテンは、ぼくの声を聞きながらも、虚ろな瞳で遠くの空をじぃっと見つめています。

口元には、丸々とした青みを帯びた球体、アイスクリーム'のむんちゅ'

DSC_0547.jpg

それをちゅぱちゅぱと音を立てながら無心で吸う男子高校生2人。

ぼくはボブとキャプテンに話しかけ続けます。

「おい!お前らのむんちゅはええから俺の話を聞けよ!」

「........」

「........」



「なんか言えよ!」

「........」

「........」


へんじがない。ただのしかばねのようだ...


ぼくは風圧で脱臼したかのように肩をがっくし落とし、力のない声でつぶやきます。
「こ、こ、これが、

'バイナイ'ってやつか...」


そして、判決を言い渡される被告人のように顔をこわばらせて、祈るように呟いたのです。

「なあ、頼む。
なんか反応してくれよぉっ...」

疑問とも突っ込みともわからない問いかけは、涼しい顔でスルーされます。
ここまで無視を徹底されるとある意味、爽快感があります。

切ない声が駄菓子屋ロータリーに反響して1分ほどが経ったでしょうか。

突然ボブの顔に生気が蘇り、ぼくをじっと見つめました。


「とっしー。これが、バイナイや

「バイ...ナイ...」
呪文を唱えるように丁寧に復唱するぼくに、ボブは説明を始めます。

「バイナイ...
つまりバイバイ関係ない人。

バイナイが告げられたあの瞬間、俺たちととっしーは友達じゃなくなった。
関係ない人になったんや」

「あの言葉1つに、そ、そんな効力が...」

驚くぼくにキャプテンは真顔で説明を続けます。

「関係ない人から
'おい!キャンプ行く!?
キャンプ行くんか?!

って叫ばれて答えるか?
いきなり何言うてるんな?と、怖くなって無視するやろ?

それがさっきの状態や」

ぼくは驚きで目をパチパチさせながら呟きます。
「バイナイ―バイバイ関係ない人―
お、恐ろしすぎる...

てかなんで俺はバイナイされたん?」

「とっしーが'キャンプどうするねん!'ってうるさかったんや。
俺らは疲れてたんや。
なのに、とっしーがおれらをさらに疲れさせてくる。

だからおれは、とっしーに言うたやん?
'バイナイするぞ?'って」

「だからその'バイナイ'の意味がその時はわからんかったんや!」

「とっしーはその時、'バイナイやめてくれ'とは言わんかった。

'バイナイってなんやねん!!'を連呼してくるばかりや。

それが'キャンプいつ行くねん!'よりうるさかった。

疲れとイライラが積もりに積もったおれは、キャプテンに目配せしたんや。
そしたらキャプテンも

'バイナイしたれ'って顔してた」

「せやせや」

「だからおれは、自分のターンに、バイバイ関係ない人を発動した」


ボブの説明は腑に落ちるものではありませんでしたが、社会とは不条理なものです。
観念したぼくはもう一度声を絞り出しました。

「こ、これがバイナイってやつか…」


TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

ヤンキーとの邂逅、
暴挙、浅倉さんへのアプローチ、
徐々に心を蝕む黒い影が破滅目の足音となる...

5月26日(金)
→37話 世界で一番長い日(4) 「みなと神戸花火大会」

←35話 世界で一番長い日(2) 「キャンプ行く=誰か行く」

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エンディング曲
やっぱ I love you  





俺バグ 文末 乞うご期待 (3)
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

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