2017. 06. 17  
残り全部バケーション (2)

笑いと感動に満ち溢れた``小さな奇跡``
残り全部バケーション | 伊坂 幸太郎



【おすすめ度】

読みやすさ ☆☆☆☆
ハラハラ度  ☆☆☆☆
ほっこりする ☆☆☆☆☆
感動      ☆☆☆☆




【「残り全部バケーション」  あらすじと感想】

ネタバレを含みますが、この物語について感想を記します。

あくどい仕事に手を染める溝口と岡田を巡る5つの話が収められています。
どの話にも伏線回収の魅力が詰まっていて、クライマックスの読み応えは抜群です。

私が特に気に入っているのは、第一章の『残り全部バケーション』と、第五章の『飛べても八分』です。

第一章では、ありえないドライブが展開されますが、その非現実が気にならないくらい自然に話に入り込むことができます。

溝口がこの章で語ったこの言葉には最も共感しました。
「儲けてる奴ほど、ろくなことしてねえよ。ふんぞり返ってパソコンに向かって、ぴこぴこボタンを押してたり、人を顎で使ったりな。それよか、身体使って、荷物運んだり、物作ってる人間の方がよっぽど偉いってのにな」

第五章は、この本の集大成となる物語です。
主人公・溝口と、賢い若者・高田との比較がクライマックスの見どころです。

「人ってのは、恐怖や不安で行動しても、感謝の気持ちではそんなに動かないですよ」と達観している高田と、損得感情ではなく人間の優しさを信じつつある溝口とのやりとりは読んでいて考えさせられるものがありました。

また、'とんでもはっぷん'についてのやりとりが軽快で気に入っています。
「飛んでも八分、歩いて十分、メールは一瞬。だとしても、飛べるなら飛ぶべきだ。そんな経験、しなきゃ損だろうが」

終盤に、行き当たりばったりで能無しと思われていた溝口が、高田をやりこめるところは爽快感に溢れました。
クライマックスは各話のピースがつなぎ合わさり、溝口の真意がわかります。

岡田から影響を受けていた溝口は、物の考え方が変わりつつあったのです。
「人にものを頼むには脅しより親切が大事で、良くしてやれば、良くしてくれる。」
「岡田に責任をおっかぶせちまったことを後悔している。」

物語の最高潮、毒島と溝口の緊迫のやりとりを抜粋します。

毒島「今日はますます、おまえを見直した。ここでやめれば、全部なかったことにする。おまえはどこかでゆっくり、暮らせよ。俺たちは、おまえとは関わらない」

「岡田は帰ってこないけどな」

「おまえと岡田なんて、せいぜい数年の付き合いだっただろうが。そんな奴のために、無茶する意味があるのか」

「意味とか関係ねえんだよ。八分でも十分でも、飛べるなら飛ぶんだよ。損得じゃなくて」

「じゃあこう打て。友達になろうよドライブとか食事とか」
第一章の伏線を回収したときは鳥肌が立ちました!

「その時は、どこかでずっとバケーションでも満喫してやるよ。俺の人生、残りはナウや墨だ。宿題なしでな」


ラストは...なんと...
読後の爽快感は心地よいものがありましたね!




この作品は名言がとても多いですので、それらを紹介します。
物語の中心人物、溝口は、荒い言葉ながらも胸に響く言葉を投げかけてくれます。

16ページ
溝口「頼むぜ。車間距離ちゃんととっておけよ。いいか、距離感なんだよ、人生は」

95ページ
岡田「未来のことはその時にならないと分からないんだし、人生は一度きりですからね。できれば、幸せになりたいじゃないですか」

110ページ
溝口「人間、'さもなくば'なんて日本語、使う時が来たら、おしまいだよ。人生のうちでそうそうないぜ、そんな場面」

146
岡田「困っている人とか大変な人なんて、世の中にたくさんいるだろ。みんなを助けることなんてできないんだから、人助けなんていみないかな、と思ったり。というか、人助けするなんて、そもそも偉そうだしさ」

☆212~214ページ
「飛んでも八分、歩いて十分、二分しか違わないってなったら、飛ばねえのか?俺なら飛ぶぜ。だっておまえ、飛びたいじゃねえか」

☆241
「念には念を入れろ。警戒心は大事っつう話たまよ。高田、シャクナゲの花言葉知ってるか。'警戒心を持て'だよ」


いかがでしたか?
とても面白い作品なので皆様も読んでみてください。

私より、はるかにわかりやすく考察しているサイトを紹介します。
→感想文:ポジティブな結末へ誘導する優しいリドルストーリー


残り全部バケーション (1)



【リンク集】

読んでいただきありがとうございました。
よければ別の記事もご覧ください!


!→俺たちバグジー親衛隊 全章 目次へ

→名言集 ~日々に活力を~ 目次
→人生をRPGと捉えれば楽しくなる!
→やる気を上げる捉え方、考え方
→「おもしろおかしく生きた方が勝ちだ!」 ~こち亀 人生観 vol.1~
→おすすめ書籍
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

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