2017. 06. 30  
俺バグ延長戦Ⅲ章




5月14日、隣の課の係長は俺に言った。
「武田、お前フットサル大会出るか?」

「出ます!」

「おお、ありがとう!今年は大幅な戦力ダウンでな…」

「心配ご無用、僕が旋風起こしてやりますよ!」

サッカー初心者やのに、大口をたたいてしまった俺は、せめて試合時間常に走り回れる体力だけはつけておこうと思い、真剣にランニングを始めた。

今までは毎日仕事終わりに、家の周りの小学校を3分ほど走っていたが、あれはランニングではない。

夜道で歌を叫びながら走っているただの不審者なんだ。

真っ暗な小学校だが、いつも職員室は明かりがついている。
俺が毎日定時にそっこー帰る中、あの人は必死に働いてんだろうな。

ちなみに、俺のサッカースキルは、
ウイイレでいうと、×ボタンおしっぱなし。

とにかく相手にプレス!!!

「うおぉー」と叫びながら迫るスタイルで小学校時代から、ブイブイいわしてきた。

そんなプレスに磨きをかけるために、休日もランニングだ。

外用の服に着替えて、家を出るときに親父が俺に言った。
「お前その服なんや。誰にみつけてもらうんや?」

そらこんな服着てたらそう思うだろう。
俺が来ていたのは、白と赤の横縞Tシャツ。

そう、ウォーリーだ。

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ウォーリー服を身に纏い、ひょろ長い体のガリガリが定番のランニングコースを走り始める。

西桜ヶ丘の駅前からコープ、小学校を越えて、桜ヶ丘公園…

だが、いつもと様子がおかしい。高齢化が進み、人口減少真っ只中の神戸の秘境にしては、圧倒的に人が多いのだ。

歩道橋を渡るときにその理由がわかった。
今日は、桜ヶ丘公園できたきた祭りがあるのだ。

この祭りにはいくつかの思い出がある。

少年野球時代、この祭りがあるとグランドが使えなくなるので練習が中止になる。そして、みんなで祭りに参加するのだ。
毎週練習しているグラウンドが祭り会場に変わり、屋台で敷き詰められられた光景は新鮮だった。

俺はいつもよくわからないヨーヨーを高額で買ってしまい、笑顔で持ち帰っていたものだ。

今でもそれは部屋にあり、たまにそれをみては、なんてこんな無駄なものが欲しかったのかと思ったりもする。

けど、無駄なものなんてこの世にないわけで、これを買ったことも俺にとっては大切な思い出なんだ。

祭り会場となったときの雰囲気の違う桜ヶ丘公園が俺は大好きだった。
1番印象に残っている祭りでの出来事は、ある部員が爆竹を作って、それを爆発させて、コーチがすさまじく怒ったことか。


そんな思い出を思い出しながら俺は、祭り会場となっている公園の中を駆けた。

駆けるといっても時速8㎞くらいなわけで、ほぼ歩くのと変わらない。

髪型は角刈りだ。これも、小学校のころと変わらない。
散髪屋に行くといつもこう言われる。
「髪型はどうしますか?」

「いつもの」

そういうと角刈りになるんだ。


不思議なことがあるもんだ。こんなんじゃモテねーよ…

ワックスをつけりゃましになるんだけど、俺の性格上ワックスをつけるのがめんどくさい。
もちろん職場に行くときはつけるが、
ランニングに行くのにワックスはつけない。

もちろん角刈りで走る。

祭り会場の少し端のあたりを走っているときだろうか、目の前に幼馴染の女子の姿が飛び込んできた。
あっと思った俺は、走るのをやめて、歩きはじめる。

幼馴染の隣には、がっしりとしたやんちゃ系の男がいた、たぶん彼氏だろう。
情けねぇことに、俺は彼氏の精悍な顔つきをみて、びびってしまった。

彼氏から目をそらして幼馴染の女の子に目を向ける。
そして幼馴染と目があった時、俺の体にセメントが落っこちてきた。カチカチに固まる体...

3か月前、「久しぶり!よかったら飲みに行こうよ!」とLINEしたが、既読無視をされた事実を思い出したのだ。

俺の体は、無意識に回れ右をしていた。
そして、幼馴染とムキムキ彼氏から逃れるかのように、ダッシュで逃げた。

なぜ逃げたかはわからない。体が勝手に動いたのだ。

よくスポーツのプロが「体が勝手に反応した」
というが、俺のはそれではない。

ただ、自分がLINEを既読無視された。
幼馴染の女子と会うのが気まずくてさらに、彼氏のイケイケの威圧感に負けたのだ。

浅倉さんの件に関してもそうだが、自分が負け犬であることをひしひしと痛感した。


悔しい。ただただ悔しかった。

基本、俺の知り合いのそこそこかわいい女の子はみんな彼氏がいる。そしてその彼氏たちはたいていかっけぇ。
浅倉さんの彼氏もそうなんだろう。

そうなると俺は自分の無力さが嫌になる。

「人と比べるな。人に期待するな」
きゃぷてんの言葉が脳裏を掠めたとき、俺の心は少し救われた。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告


来週、
7月7日金曜日からは、俺バグ高校生編、Ⅳ章再開です!!





-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 



俺バグ延長戦8

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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

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