2017. 08. 18  
Ⅳ章

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「そんなおもんないゲーム、なんで買ったん?」

ボブが言い放ったキラーフレーズに憤慨しても、買ってしまったものは仕方ありません。

無料で体験版を遊んでいた3人は、「そんなクソゲー早く売れよ!」と急かしましたが、ぼくは「ガンダム戦場の絆は、面白いんや!」と、信じ込んでゲームを続けます。

食鮮館のベンチに座りながら、戦場の絆をプレイし、これみよがしにプレイ画面を見せつけるのです。

「これが有料版や!迫力あるやろ?めっちゃおもろいねん!」

ボブは、興味を失った顔で戦場の絆のプレイ画面を見つめ、ため息をつきます。
「とっしー。6000円もしたから認めたくない気持ちはわかるけどなあ。それはクソゲーや。早く売れよ」

ぼくは歯を食いしばりながら声を絞り出し、「お、おもろいねん、このゲームは...」と言い返しすしかありませんでした。


その3日後。
午前練習のあと、ボブたちに「先に行っておいて。俺、寄るとこあるから」
と伝えたぼくは、ママチャリを駆ってGEOを訪れてから、食鮮館に着きました。

「とっしー、何してきたん?」
と言う質問には答えず、にんまりして3000円を見せつけます。

「その金、もしや?」

「そのもしや…や。戦場の絆、売ってきた!」


「めっちゃおもろい言うてたやん?」

「めっちゃおもろいって言うたらおもしろくなるかと思ってたけど、全然おもんないからな…」

「GEOからしても嬉しいやろな。3日前に6000円で売れたゲームが、3000円出したらもう戻ってきた」

「けど、3000円手に入ったのは、ラッキーやなあ。
とっしー、ここはその金でパァッーと言ってくれよ。」

「は!?なんでお前らに奢らなあかんねん!
元はと言えばお前らが煽って、俺にあのクソゲーを買わせたんやろが!」
奢ってくれと要求される理不尽さに憤慨したぼくは、ついついクソゲーと言ってしまいます。

「はあ、とっしーはケチやなあ」げんなりするキャプテン。

「顔がキモいだけじゃなく、ケチとかやべえな」真顔で容赦なく毒を吐くたけけ。

彼らの発言を聞いても、ぼくは断固として動じません。
「何を言われても奢らへんぞ!あと、顔は関係あらへん

ここでボブは、むっと顔をしかめました。
これは、お得意の精神攻撃をしかける合図です。

「とっしー、別に奢らんくてええで。
ただこれだけは言っておくわ。

そんなんやから、浅倉さん無理やねん」

ぼくは片思い相手の`浅倉さん`という言葉を聞くと、いつもムキになってしまいます。
ボブはそれを知っていて、浅倉さんを話題に出したのです。
この時点でボブのペースにはまってしまっています。

「関係ないやろ!お前らに奢ったからって浅倉さんと付き合えるんか?」

「この話を聞いてくれ。俺な、この前、浅倉さんと廊下ですれ違ってん」

「それがどうした!」

「まあ、ムキになるな。すれ違ったときに聞こえた会話内容が肝なんや」
ボブは意図的に会話のテンポを遅くしました。

「なんて話してたんや!教えてくれ!」
ボブの焦らし戦法にはまったぼくは声を荒げます。

「教えたろか?」

「頼む、教えてくれ!」

ボブはごくりと息を呑んでから、言い放ちます。
「二度も浅倉さんに振られたやつには、おっしえっませ~ん!」

「ここまで焦らしといてなんやねん!」

甲高い声でつっこむぼくに、ボブは譲歩を見せました。

「ほんまとっしーは手に負えんやっちゃなあ。
まあ、しゃあない。今回は特別やで」

「ええから教えてくれや!」

このように情報を利用して、自分が優位になる立場を構築していくのがボブという男なのです。

「さあ本題や。浅倉さんは廊下でこう言ってた。
`私、ケチな人とはお付き合いできない。`やってよ」

「やっぱそうか!」
驚きの声をあげるぼくに対して、驚きを隠せないボブ。

「なんで知ってるん?」

「話の流れ的に予想できるやん。
でもその話、ほんまか?!なんか信じられへんなあ…」

疑心暗鬼になるぼくを安心させるために、ボブは一言つけたしました。
「なあ、キャプテンも聞いたよな」

キャプテンは自分に振られると思っていなかったようで、一瞬戸惑いますが、
「俺も聞いたよ。ケチな人は嫌って言うてたなあ」と、答えたのです。

そして、「たけけは浅倉さんと同じ塾やから、なんか知ってるやろ?」と鮮やかなスルーパスをだしたのです。

たけけは自信を持った顔で、「ケチかどうかは知らんけど、浅倉は男らしい人が好きやぞ」と言いました。
最後に小声で「たぶん」と付け足したことはたけけ本人以外気づいていません。

彼らの意見を聞いて、ぼくは渋々と語ります。
「浅倉さんがケチな人を嫌なのはわかった。
けど、俺がお前らに奢っても、そのことは浅倉さんに伝わらへんやろ?」

「わかってないなあ、こういうのは積み重ねや。
臨時収入があればパアっと奢る。そういう姿勢、器の大きさをここで身につけておいたらええんや」

「しかもたけけは浅倉さんと同じ塾やからな。
ちらっと、とっしーのことを言うてくれるかもしれんぞ」

「絶対言わん!」

たけけは、一瞬期待したぼくの出鼻をくじきます。

そして彼らは誘導尋問のように、ぼくに王将を奢らせようとします。
「まあ、王将で奢ってくれたら太っ腹なとっしーのことはどっかで評判になるやろなあ」

「せや。けど、普通のラーメンじゃあかん。
こってりラーメンがええなあ」

「浅倉さんも、`お値段も高めな、こってりラーメンを奢る人ってほんと素敵`と言うてたな」

どこまで本当かわからないボブたちの意見と情報に惑わされるぼくですが、一度冷静になりました。
そもそもこれは臨時収入どころか、無駄に買った6000円のゲームを売って3000円戻ってきただけにすぎないのです。

しかしここまで言われてケチな態度をとり続けることができるぼくではありませんでした。

「王将…いこか!」
そう言って、3000円を天にかざしたのです。

「うっひょ~い」精神攻撃に成功した悪の権化は叫び、
「うーれぴー」キャプテンシーにあふれた男は呟き、
「しぇあ!」見た目だけヤンキーはガッツポーズをとりました。


その後、王将のテーブル席に座り、ぼくは店員さんにドヤ顔で言いました。

「こってり…….四丁!」

三丁ではなく、四丁、ぼく自身もこってりがよかったのです。

「とっしー、頼む。天津飯も追加」
「店員さん、天津飯、一丁」
ボブのわがままにも応えて天津飯も追加しました。

そして、こってり四丁と天津飯がぼくらのテーブルに並べられます。
一番食べるのが早いボブは、5分もたたずにずるる….とこってりを平らげました。

そして、彼が天津飯を一口食べた、そのときです。
「ふぅ~~~。もう無理や。とっしー、食べてくれ」

「は?まだ一口しか食べてないやん?!」

「もう無理や、きちい」

「食べれんのなら頼むなよ」と言いつつ、もうぼくは天津飯を口に運んでいたのでした。

そして、天津飯をなんとか平らげたぼくにボブは一言。
「大食いやなあ。だからそんなデブになるねん」
「誰がデブや!!」


全員がこってりラーメンを食べ終わった後、ぼくは握りしめすぎてくしゃくしゃになった3枚の1000円札で4人分のこってり代を支払い、満面の笑みで店を出ました。

「とっしー、なんで嬉しそうなん?」

「太っ腹になったからな。浅倉さんと付き合える可能性上がったなと思ってよ」

にやつくぼくに、ボブは言葉のライフルを撃ち放ったのです。
あんなん嘘やで。`こってりラーメン奢る人ってほんと素敵?`
そんなこと言うはずないやろ」

顔がみるみるうちに紅潮したぼくは、眉間にしわを寄せて三人に迫りました。

「こってりラーメン代、返せぇ~~~!!!!!」

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした



次回予告

「みんな、今日も王将にいくぞ!」

「クウリングオフできたん?店員ザルやなあ~」
「太っ腹やなあ。浅倉さんも行けるやろ!」
「しぇあ!」

→PART6 cooling off & 2nd KOTTERI

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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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