2017. 08. 04  
俺バグ延長戦Ⅲ章

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深夜12時頃、俺は一人さいたまに住むボブに電話をした。
「もう寝てる?」

「起きてるから電話出てる。寝る直前や」

「すまん、ちょいと聞いてくれっか。めっちゃ狙ってた同期の蛍子ちゃんにさ。彼氏いたわ」

「そうか」

「おう」

「次は、誰行くん?」

「はやいな」

「彼氏おったんならもう無理やろ」

「まあたしかにひきづったところでどうもならんからな
次はなあ、ランチ屋のお姉さんや」

「そのお姉さんどんな人なん?」

「めっちゃ美人やぞ。もう振られたけどな」

「は?振られたってどういうことやねん。早すぎやろ」

「お会計の時に、俺の連絡先書いた紙を渡してんけどな、彼氏おるからごめんなさいやって」




5月29日、職場のフットサルが梅田で行われる。
俺は買ったばかりの折り畳み自転車で十三まで電車に乗り、そこから、チャリでコートへ向かう。

一時半集合だが、俺は時間ぎりぎりだった。

「はあ、はあ!絶対遅れたらあかん!」

俺はチャリを漕ぎまくった。
小雨が降る中、カッパを着て、ペダルを漕ぎまくる。

風邪気味の体に鞭打って、進み続けた。

なんとか時間に間に合った俺は、フットサル会場に入り、事務所に顔を出した。

お姉ちゃんが俺に声をかける。

「今日予約されてた、後藤様ですか?」
「はい。あ、他の方は?」

「まだですよ、あなたが一番です。」
「そっすか!」

5分後に、金田がゆっくりのそのそ歩いて来た。

そのあとに、畠山君が来る。
畠山君は、同期だが、採用時期が俺より半年早い。フットサルも何度か来ているらしい。

「畠山君、遅いやん!1時半やで。」

「あー、あの時間は参考程度やで。いけたら凄い的な。」

「なんやねんそれ。」
俺はうちの職場のラフさに憤慨するどころか、安心した。

続々と集まってくる職場のみんな。

人一倍どでかいお体をした方に、俺は挨拶をした。
「武田です。本日はお誘いありがとうございます!」

「おー、来てくれてありがとう!。俺は、後藤。よろしく!」

俺は心で呟く。
「この人が、後藤さん。ダブルブルドーザーの一角か。」

畠山君情報では、
後藤さんと村瀬さんがフォワードへ行くと、ものすごい勢いで点を稼ぐので、
‘ダブルブルドーザー’と言われているらしい。

俺が今日このフットサルに来たのは、
自称アジアの大砲、後藤さんからのお誘いメールを、畠山君から転送してもらったからだ。

アジアの大砲さんのおかげで今、俺はここにいる。
大砲さんありがとう。

他にも、初めて会う方がたくさんいる。

「初めまして。僕、○○課の武田です!」
「こちらこそ!僕は、○○課の深瀬です!」

営業マンのようなトークをし、ロッカールームで着替え始める。

このフットサルコートは、2週間前にできたばかりだそうで、とてもきれいだった。

「ロッカー綺麗!なんかプロみたいやな!」
はしゃぐ俺は、さっと、着替えてコートに出ようとした。

4つの番号が付いたロックキーを`適当に`設定し、ドアを閉め、ロックキーをむちゃくちゃにする。

即座に俺は叫んだ。
「あっ!番号忘れた。鍵開けられへんっ」

「ニワトリかよ!」どこからともなく聞こえる突っ込みの声。

アホなことをしでかし慌てる俺を、畠山君が他の人たちに紹介する。

「彼、武田君は、うちのスーパールーキーですよ。いろんな意味で凄いです。」
褒めてんのかけなしてるのか…笑


俺は、事務所のおっちゃんを呼んで鍵を開けてもらう。
「番号は覚えておきましょうね。」

ぼそっと叱られたがそんなことは無視だ。

「あざっす!」とおっちゃんに礼を言い、コートに駆けだした。

きゃっきゃっきゃ!

目の前には、2歳か3歳くらいの子どもと、アジアの大砲、後藤さんがわちゃわちゃしている。

「かっわいい!!!」
俺は大砲のお子様に夢中になった。

「畠山君!あの子供って`アジアの大砲`さんの子どもやんな?」

「そうやで。」

「っくぅー!俺も(浅倉さんと)結婚してあんなかわいいこどもと遊びてえ!」

俺はフットサルそっちのけで、子供に見とれていた。


今日のフットサルは、来月行われる大会のメンバー選考を兼ねているようだ。

リーダーの堀田係長がビデオカメラを回しながら、僕ら、初参加組に告げる。

「みんな今日は来てくれてありがとう。
来週の大会で、チームを3つくらいにわけるんやけど、今日はそのセレクションや。
張り切ってアピールしてくれ!」

「しゃあっ!ぜってえAチーム(一番強い)に入るぞ!」
張り切る俺に、金田は冷静に告げる。

「武田。俺ら、野球経験者やろ。サッカー素人やし、B,Cチームでがんばろうや。
いや、なんなら、俺、観戦組でもええや。」
金田はやる気なさそうに話したが、イチロー顔負けのストレッチを入念にしている。
本当はAに入りたいんだろう。

「俺テストどーでもいいねん。」と言いながら虎視眈々と勉強するみたいなものだ。


ちなみに俺のサッカーの実力は、皆無だ。
みんなにはこう説明している。

「技術はないんすけど、ボールに迫る意欲はすげえっす!
ウイイレでいうたら常に×ボタン押してプレスする感じっすね!」

そして、チームが分けられた。
今年採用された初参加組、3人と、何回か来ている畠山君、藤堂君たち2人、合計5人がチームだ。

対戦相手は、セレッソ大阪の大人のスクール生。

「スクール生」という響きからして、学生のようだが、大人のという修飾語がついているので、れっきとした大人だ。

どうも俺たちと醸し出す雰囲気が違った。
俺たちは栽培マン、彼らはサイヤ人ほどの差がある。
そんなくだらないことを考えているとあっという間に試合が始まった。

ピィーっというホイッスルと同時にキックオフだ。

ダダダゥ  ガッ カーンシュッザー
戦いは続く。

スクール生は、非常にうまく、俺の技術では歯が立たなかった。

畠山君や、藤堂君など、そこそこ上手い人たちがいるが、スクール生は遥かにうまかった。
3,4ほどたつと、3-0か4-0くらいで負けている。

負けず嫌いの俺はムキ向きになった。
「技術で勝てんなら、気迫や。」

果敢に突っ込み、体をぶつけ、時には、スライディングをする。
熱い野郎がやってきたんだ。

「きみー!フットサルは、接触したらあかんよー!」
アジアの大砲・後藤さんは俺に注意する。

「さあーせん!」
すぐに謝った俺は、作戦を切り替えた。

「相手のうまい選手に張り付いて、パスカットに徹してやる。」

しかし、俺のマークなどたかがしれているので、この行動はすぐ振り切られて終わる。

ピィー!ホイッスルが響き渡り、試合が終わった。

死ぬほど疲れた俺は、コートにぶっ倒れる。
「はあ、はあ、はあ、こんな疲れるっけ、サッカー?」

金田も死にかけていた。
共に、言葉を掛け合い、疲れを癒し合う。


チームが交代し、さっきまで見学していた人たちがコートにでてきたが、そこにはボスもいた。

彼が着てきた服はバルセロナ。背番号は28、ツバサと書いてある。
ドヤ顔で突っ込んでほしそうにしている彼はやはり、生粋のエンターテイナーだ。

彼は今日のフットサルの意気込みについて、
「僕はめっちゃ下手やけど、めっちゃ応援するで!」と言っていた。

ちなみに、畠山君はまた試合に出ている。人数の関係上仕方がないのだ。

彼は小柄だが、ものすごいスタミナを持っていた。
たぶん昨日23時間くらい睡眠をとったのだろう。

そして次の試合が始まった。

前方でウヨウヨするボス。
ボスは絶妙なパスを受けてシュートを放つ。

しかし、気の抜けたよれよれシュート!
俺と同じくらいのサッカー技術なことが即座にわかった。

目を見張るのは、1試合目にビデオを回していたリーダーの堀田係長の大活躍だ。
御年36?らしいが、年齢を感じさせない動き。

顔もカッコいいし、サッカーもうまいし、神はこの世界をやはり不公平に操っている。

そういえば、この試合はだれがビデオを回しているのか確認すると、金田が死んだ魚のような顔でビデオを回していた。安心だ。

とにかくすごいのが、アジアの大砲、後藤さん。

彼が放つシュートは、バッゴーーーンという音がする。
 ドカベンの岩城がグワガラガキィーンと打つのと同じ類だ。

そんな大砲さんに、試合のあと、
「君は8割勢いで2割ガッツやね。 技術とは違う何かを持っている」
と言われたのは嬉しい限りだ。

この試合も終わり、また、チームが入れ替わる。
俺たちの出番だ。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

今週は俺バグ高校編をお休みして、社会人編の延長戦を掲載しました。
来週は、お盆なので休載します。
再来週の金曜日も延長戦を掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします!




-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 



俺バグ延長戦8


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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説のタイトルは、「俺たちバグジー親衛隊」
楽しく生きよう!と思える、明るい作品です!
会話が多く、気軽に読める作品で、毎週金曜日に1話ずつ更新します。

1話完結が基本なので、何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>
 毎日をバカらしく生きた高校生のドタバタ日常ほんわかラブコメディ!
電車で謎のおっさんに殴られる。旅館の浴場に温泉の素を投入。迷子の末、線路を爆走…
  主人公は高校デビューを決意した、冴えない高1とっしー。親衛隊(友人たち)の助言を得て、様々なおバカ活動により垢抜けていく。
 浅倉さん、謎の美女レベッカとの出会いはさらなる波乱を生み…!
 次々と起こる謎イベントや、とっしーの恋のゆくえ!果たして物語はどう転ぶのか?
 読むと「っふぅほわっ」とした気分になり、人生が楽しくなる!?
 現代日本に送る「愉快痛快日常コメディ」

 ぜひ一読してみてください!

また金曜日には稀に、俺たちバグジー親衛隊の続編「俺バグ延長戦」を更新しています。こちらは、社会人となった主人公とっしーが、何を考えどう生きたかが描かれています。おなじみ、親衛隊メンバーとのおバカな掛け合いは健在ですが、高校生編よりも真剣な展開が多いです。

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものとなり、
「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」
 と思え、読んだ人々の心が軽くなって笑顔になる作品を執筆していきます!

 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々あります。
 感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも音楽や、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本列島に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!!

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