2017. 10. 13  
俺バグ延長戦Ⅲ章

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梅雨真っ只中の6月の休日、フットサルを終えた帰路で語り合っていた。

俺は高卒の同期、大ちゃんに尋ねる。

「大ちゃんの課に美人さんおるやん?
その彼氏がかっこいいんやろ?どんなやつなん?」

「イケメンで、雰囲気落ち着いてて、カッコいいです!」

「ほらでたよ?美男美女が付き合うこの世界。
俺みてーなピエロは土俵にさえ上がれねぇ負け犬か!」

ヤケになる俺に、大ちゃんは励ましの言葉をかける。
「武田さん、大丈夫です。面白さだけは勝ってますよ!」

「面白さだけかい!」突っ込む畠山くん。

「多少面白かったって、意中の子の心さえ奪えねぇようじゃ意味ねぇよ。」
俺はまたヤケになった。

そんな俺に畠山くんは語りかけた。
「てか武田くん、秋本さん(蛍子ちゃん)にアタックしすぎちゃう?彼氏おるんやで?」

「でもさ?
彼氏おるから諦めるっていうのは、ゴールキーパーおるからシュート打たん。

っていうてるようなものやろ?そんなんでええんか?
俺らついさっきキーパーに向かってガンガンシュート打っていったやん!」

「説得力あること言われても...まあ挑むくらいはええんちゃう?」

畠山くんはたじろぎながら答える。
内心、こいつ何言うてるねんと思っているのだろう。

俺は急に真面目なことを話し出した。

「けどさ、この世界不公平やと思わんか?
生まれた時から人生の難易度が違いすぎる。

途上国に生まれるか先進国に生まれるか、教育環境が与えられるか否か?

先進国の中でも、生まれながらの金持ちや、家庭環境の劣悪さとか差がありすぎるねん。

俺は恵まれてる方やけど、恋愛に関してだけは上手くいかねーよ。

けど、そんな俺を癒してくれるのが、

back number!!」

「僕もバックナンバー好きです!」
大ちゃんのカミングアウトに嬉しくなり、彼とハイタッチを交わす。

「バックナンバーはさ。等身大の俺たちの気持ちを代弁してくれる。」

「ほんとそうですよね!高嶺の花子さんとか共感しまくりで!」

「そうやねん!世の中に恋愛の歌はゴマンとあるけど、
あんな自信なさげやったり、歌詞の中で妄想膨らましてノリツッコミするのはない!」

「そこがバックナンバーのいいとこなんすよね!」

俺と大ちゃんはバックナンバーを崇拝しまくった。
そうこう話しているうちに、駅とは反対方向に歩いていることに気づいた。

「バックナンバーに夢中になって変な方向歩いてもたな。これ、バックナンバーのせいちゃう?」

「バックナンバーは悪くないっすよ。」

「そうやな。バックナンバーに熱くなって何も考えずに歩いた俺らが悪い。」

元来た道を戻り、駅の方向へ歩き、腹ごしらえにやよい軒へ入った。

俺は、バックナンバーのあたりから恋愛のことしか頭にない。

「みなさん、恋とかしてるんすか?」俺は切り出した。
敬語を使う理由は5人中1人先輩がいるからだ。

「いや、してない」
「僕もしてない。」
「俺も」

現在進行形で恋をしているのは、5人中、俺と大ちゃんだけだっだ。

「みんな職場恋愛とかは考えないんすか?」

「職場な、リスキーやろ...」
草食系男子筆頭の畠山くんは、そう言ったあと俺に尋ねる。

「武田くん、恋愛上手くいかんとき、どうやって立ち直るん??」

「そんなん、バックナンバーを聞くしかないやん」

「あぁー、俺もバックナンバー聞きまくりたくなってきた」
大ちゃんもバックナンバー症候群にさいなまれる。

「バックナンバーに乾杯!」
俺はそう叫び水のグラスで大ちゃんと乾杯しまるでビールをぐびるように水を飲んだ。

「ちょっそれ僕のコップやで!」畠山くんが静止するが無視だ。

おれは続けて不満を吐露する。
「俺なんて普段、ちょけてるけど内心やってらんねぇよ。半Dやしな。」

半Dってのは...
自分で説明しといて情けなくなり意気消沈する俺に畠山くんは暖かな目で語りかける。

「けど、武田くんにはあの人らがおるやん?」

俺の心にあの3人組が浮かび上がった。

「バックナンバーや!」



「16時半阪急マクド前よろしくお願いします。」

15時50分、集合時間の40分前に念を押すようにある人からラインが来ました。

「なんやこの人。こえーな。」

僕は他人事のように呟きます。


今から僕が会おうとしてる人は、ネットで知り合ったよくわからん女性です。

3日前このよくわからない人から「会えますか?」と、言われたのです。

これは絶対怪しい。

サクラでその場に現れないか?

コワモテおっさんが現れてボコボコにされてカツアゲされるか?

もしくはボッタクリバーに連れてかれて半泣きにされるか?


とにかく、これは絶対おかしい。

後輩や友人にこのことを相談すると「それまじで怖いやつ。逃げたほうがいい」と口を揃えていいます。

そんなことは僕もわかっていましたが、ここ2年ほど自暴自棄に陥っている僕は、怖いもの見たさというかスリルを求めてこのわけわからん誘いに乗りました。


「さあ、このイベントどうなるのかな?」

と思いつつ、集合場所へ向かいました。

「着きました。青のボーダーの服が僕です。」

そう、相手に送信して、マクドの前で突っ立つ僕。

しかし、待てど待てどそれらしい人は来ず、まちぼうけ。

そんなとき、キョロキョロと辺りを見渡していると、俺と同じようにキョロキョロと辺りを見渡している人がいました。

この人かもしれない...

小さな一重まぶたを大きく見開いたその瞳の先には、

野村克也監督の嫁はんサッチーのようなおばあちゃんがいました。

ピタッッッ!

おばあちゃんと目が合いました。


まさか?この人か?

写真は美人やったのに詐欺りすぎやろ!?

そこじゃない!

こんなおばあちゃんが、ネットで出会い求めてるわけがねぇっ!


おばあちゃんは、僕の目を見てニッコリ微笑むと

「阪神百貨店へはどの方向に進むの?」

と質問してきたのです。
この人じゃなかった安心感に包まれた僕は、いつもの3倍丁寧におばあさんに道を教えました。

おばあさんを見送ると、またまちぼうけ。

僕の前を、カップルたちが、何組も何組も通りすぎて行きます。

`…リア充爆発しろぅ` 妬みに満ちた赤い文字が僕の脳内で点滅しました。

「あっかん、俺何してんねん!?」

心臓を搔きむしるような焦りを感じた僕は、もう一度連絡をとります。

「どこにいますか?」

しかし、返事はありません。

僕は、「帰ります」というメッセージを残し、なんとなく府に落ちないような気持ちを抱いたまま梅田を後にしました。


シャワー浴びて、ワックスガチガチにして、1軍級のまだかっこよさげな服を着て。

ものすごく構えていたのに、結局、騙されただけという肩すかしを喰らったような気持ちで眉毛をへこませる青年。

「俺、ほんまに何してるねん...」


拳で自分の頬をペしっと引っぱたき帰路に着きました。

TO BE CONTINUED 次回もおぶあかした




次回予告

延 Ⅲ章 11話 なんでこんな暑い日にテニスするんやろな

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-俺バグ延長戦-
作者が弾き語るエンディングテーマ

 「ふがいないや」 YUKI 


俺バグ 文末 乞うご期待 (1)
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

↓ツイッターでブログ更新を通知しています!
やぎぬま るい (@hishintai08)

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