2016. 04. 11  
円谷夏生。
ゆとり世代ど真ん中の新卒社員だ。

彼は以前、生命保険の綺麗な姉ちゃんに勧誘されデレデレの同期にこう言っていた。

「生命保険の姉ちゃんなんてな?
たとえ可愛くてもぜってぇ彼氏おるからな?!

てか美人なんて基本男おるっ
顔に惑わされて保険相談に誘われるなんてあかんっ」

ある日、エレベーター近くで、円谷の好みどストライクのお姉さんが立っていた。
真ん中高めの甘いスローボールより好きだ。

彼はそのお姉さんの前を不自然に2往復してから、たまらず声をかけた。

「あのっ、医療保険とかやってるっすか?」
「やってますよー!興味あるんですかあ?」


「そ、そっすね!」

保険なんてどうでもいい、彼はお姉さんに夢中ですというニュアンスで伝えたつもりだったが、お姉さんは違う捉え方をした。

「そうなんですかー!医療保険のパンフレット渡しますねー!」

「保険なんてどうでもいいんです!
お姉さんライン教えてください!」

なんてナンパは、彼にはできない。
社内でナンパ師とあだ名されたくはないしそんな度胸もない。

円谷は終始デレデレした気持ち悪い笑顔で、お姉さんの顔をチラ見しながら

「そっすね!」
を繰り返していた。

話の内容は円谷には殆ど入っていなかったが、
上目遣いでとき放たれたこの言葉は彼の胸をえぐった。

「勤務終わる時間って何時くらいですかああ?」

ビリビリビリッ
彼の体に電気が走った

円谷はハイテンションで答える

「定時っすね!
定時!
毎日定時っす!
18時前っすね!」


アフターに会おうなんてデートやないかい
彼はそう思い喜んだのだ。


するとお姉さん
「勤務後にお時間頂いて、保険についてお話ししましょう。」

あかん、あかんやで
円谷は冷静になろうとした。
あんな綺麗なお姉さんと2人きりで話せるだけで、彼は舞い上がってしまう。

たぶん、何を言われてもイエスと言わされ保険に加入させられるのだろう。

「まっ、また今度お願いしゃっす!」
彼はなんとか話を切った。

するとお姉さんは言う。
「明日詳しいパンフレット持ってきますねー」


円谷は悩んだ。

保険入る気なんて、一切ない。
それでなくとも薄給やのに保険代なんて払ってられっか

ただ、あんなタイプの美人と話すチャンスなんてまあない。
お姉さんとは話したいし、あわよくばつきあえちゃったらぐぅ嬉しい

あわよくばというのは、円谷のようなモテない男の生命線である。
この僅かな可能性が、女子から恋愛対象外にされまくる日常に光をくれた。



彼は上機嫌で、外で昼ごはんを食べてからまたエレベーター前に帰ってきた。

そこで目にした滑稽な光景は彼を正常に戻した。

円谷と似た顔をした冴えない男が、にんまりデレデレした顔でお姉さんと話している。

なんじゃありゃっ?
だっせぇっ、かっちょわりい

円谷は気づいてしまった。
「俺たちはあの美人のカモにされてる...

甘い顔に騙されて、2人で保険相談とかあわよくばと、俺たちをおびき寄せ保険を締結させて、あとはオサラバ。
こうやって、カモにされていくんか」

たぶんあのお姉さんは、仕事後、同僚と
「今日も新卒のカモどもを釣ってやったわ。私の美貌にかかりゃっイチコロよ。
ただ、どいつもこいつもデレデレ話してほんとないわー」

とか言ってるんかもな,

可愛さっていうのは恐ろしい

彼は始めて美貌が男にとっての凶器になりえることを知った。


にゃろう...

円谷は悔しくなった。
そして、お姉さんの前に行き、睨んでやろうと思った。
こう叫びたかった。

「可愛いからって、可愛いからって、
保険なんて入らねーからな!」


スタスタスタスタ、
彼は1人になったお姉さんに近づいた。

円谷を見つけ、笑顔で会釈をするお姉さん。

円谷は頬がふるゆあらっあっと緩んだ


「ちーっす!」

笑顔で会釈した....


ば、バカヤロー



To be continued...
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プロフィール

神戸のルパン

Author:神戸のルパン
このブログでは小説を連載したり、
日々気になったことを記事にしています!

小説の題名は、「俺たちバグジー親衛隊」
読むと笑みがこぼれる学園コメディです!

毎週金曜日に更新します。基本、1話完結ですので何話からでも読み始めることができます!

<あらすじ>

電車で謎のおっさんに殴られる。
学校創立以来の大事件を起こす。
迷子の末、線路を爆走。

門限18時、冴えない高校1年生のとっしーと、
「おもしろければ何でもええ」笑い至上主義のボブとキャプテンの出会いが化学反応を起こし退屈な日常に奇跡を起こします。

無茶振りに戸惑い、泣き喚きながらも、持ち前の行動力を発揮していくとっしーは、数々のイベントをこなし、高校デビューを果たします。

そしてぼくら3人は、毎日、22時頃まで共に過ごすホモ集団へ… 蜜月の3人を待ち受けるのは、次々と起こる謎イベント...

死を覚悟した高さ10mの橋に架かる線路を歩くことを乗り越えた先に待つものは…?

そして9年3か月の片思いは、悲劇の結末へ…
いや、その結末こそが、喜劇の始まりでした。

アウグストゥス
「この人生の喜劇で自分の役を最後までうまく演じたとは思わないか?この芝居がお気に召したのなら、どうか拍手喝采を」 



この作品のジャンルは「喜劇」、「コメディ」です。読者が幸せになる作品を目指します!

金曜日の「俺たちバグジー親衛隊」がみなさんの週末に欠かせないものになり、「今週もよく頑張った!また明日から頑張っていこう!」とみんなの心が軽くなって、笑顔になれる作品を執筆していきます!


 物書きとしては初心者で、稚拙な表現も多々ありますので、感想や指摘点はコメント欄でどんどん教えてほしいと思っています!
 喜劇の物語の完結まで、一生懸命執筆しますので、応援よろしくお願いします!

また、他にも投資、音楽、サブカルチャー、社会問題への提言など幅広い話題の記事をアップしています。よろしくお願いいたします!
 夢は、書籍化→映画化!!!
日本に「俺バグ旋風」を巻き起こします!!

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やぎぬま るい (@hishintai08)

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